ふじあざみ 第33号(3)

6月3日 山梨県 火山総合防災訓練
 富士山噴火に備え、初の実践的訓練が山梨県主催により実施されました。富士吉田市、河口湖町、鳴沢村など周辺10市町村の共催で、河口湖町民グランド・町民体育館を中心に消防、県警、陸上自衛隊、観光団体など58機関、約1万5千人の参加のもと開催されました。
 これら機関と自主防災組織等が一体となり、相互連携の強化、迅速かつ安全な避難体制の確立と防災意識の高揚を目的とし、富士山4合目の北斜面から噴火、溶岩流出、降灰降下、土石流発生を想定した訓練でした。中央防災会議は内閣官房の危機管理担当参事官らを先遣隊として現地対策本部へ派遣し、国土交通省からは関東整備局甲府工事事務所、富士砂防工事所長も現地対策本部へ同席しました。
 訓練は、家屋の倒壊、道路の寸断、林野火災を想定し、避難、救出や緊急復旧、消火作業等を行い、群馬、長野県等からの防災ヘリも飛来しました。観光へのイメージダウンの懸念から地元では噴火をタブー視する傾向が強かったのですが、活火山富士山との共生に向けスタートを始めました。
現地対策本部
▲現地対策本部
自衛隊車両
▲自衛隊車両での市町村長による被災状況確認
5月22日 静岡県  火山防災情報伝達訓練
 5月22日静岡県防災局は臨時火山情報を想定し、国土交通省、陸上自衛隊、警察、富士宮市、富士市など9市町が参加し、行政機関の内部での連絡態勢の確立や、防災無線による地元住民への連絡による初めての火山防災情報伝達訓練を行いました。
7月18日 富士山火山防災対策連絡会開催
 7月18日、静岡県と富士周辺自治体などでつくる「富士山火山防災対策に関する連絡会」が県庁で開かれました。噴火予知連富士山ワーキンググループやハザードマップ作成協議会の今後の活動方針など、富士山防災対策の現況について情報交換をし、理解を深め、富士山災害実績マップの内容も紹介されました。
5月25日「富士山防災シンポジウム―火山災害に備える」の開催
 5月25日「富士山火山防災シンポジウム」が、読売新聞社の主催、山梨県、富士吉田市、河口湖町、テレビ山梨、静岡第一テレビ、富士砂防工事事務所の後援、富士急行の協賛により、富士五湖文化センターで開催され、地元山梨県ばかりでなく、静岡県からの参加者も含め、700名が集まりました。基調講演でまず荒牧重雄東大名誉教授は「いくつものシナリオを想定し、噴火災害に備える必要がある。火山を知ることが被害を少なく食い止める。」と強調。次いで、三松三朗・三松正夫記念館長の講演では、北海道の有珠山の噴火を二度経験され、「火山とは友達、皆さんも火山と親しくなってほしい」と話されました。第2部のシンポジウムは、コーディネーターに荒牧教授を、パネリストに三松氏のほか花岡富士砂防工事事務所長、小佐野河口湖町長、中村河口湖観光協会長、笹本山梨県消防防災課防災監、女優・岸ユキさんを迎え、噴火への具体的な備えや防災訓練の意義などについて討議しました。 富士山防災シンポジウム
▲活発な意見が多く出された第2部シンポジウム

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