
新世紀を迎えた大きな節目に「建設省」の名称も変わり、皆様の力強い御支援により、富士砂防工事事務所も30周年を迎えました。記念行事の集大成であるシンポジウムで、新たな事業展開の方向性を見いだすことができました。
大沢崩れから生じる土石流に対して、当面の対策として扇状地での土砂氾濫対策のための遊砂地の整備を集中的に実施してきました。近年大規模な土石流が頻発しましたが、安全に堆砂させ土砂を活用するシステムができつつあります。今後は土砂の活用・総合土砂管理を含めた大沢遊砂地の整備充実を進めていきます。
また、長期的な対策として、大沢崩れ拡大防止のため調査工事の推進と源頭部のモニタリングに取り組んでいきます。
また、南西野渓における砂防施設も進みつつあり、さらに土石流の監視・観測システムも整備され、地域の安全度が向上しつつあります。
他方、従来から砂防樹林帯やフジアザミを積極的に活用してきましたが、市民参加による緑空間づくりを進め、さらに富士山麓一帯の市街地を土砂災害からやさしく守る樹林帯構想を研究し、展開していきたいと考えています。
一方、日本最大の活火山である富士山における噴火対策を含めた火山砂防対策の計画の確立が喫急な課題となっています。想定される現像は多様で広域にわたるため、警戒体制の整備が望まれます。日頃から行政が持つ防災情報の住民への提供が必要になります。
国土交通省の地域マネージメントの最前線で「世界に誇るFUJIYAMA」を担う事務所として、温かい御理解と御支援をいただいている「地域」と「時代」の要請に応じられるよう努めてまいります。 |
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