ふじあざみ 第30号(2)


■プログラム
■第1部
主催者挨拶 実行委員長(富士宮市長) 渡邊 紀
開催者挨拶 富士市長 鈴木 清見
来賓挨拶 静岡県副知事 柴 順三郎
富士宮市長 渡邊 紀氏の顔写真 富士市長 鈴木 清見氏 副知事 柴 順三郎氏の顔写真 芝川町長 臼井 進氏の顔写真
主催者挨拶
富士宮市長

渡邊 紀氏

開催地挨拶
富士市長
鈴木清見氏

来賓挨拶
副知事

柴 順三郎氏
閉会挨拶
芝川町長

臼井 進氏

■基調講演
「中庸の徳を往く」 今井 通子
(登山家・医師・ぐるっと歩こう360度塾長)
  ■映像ほか
富士山教室「御中道ぐるっと360度」

■第2

テーマ「富士山の自然と保全」
出演者 今井 通子 登山家・医師・ぐるっと歩こう360度塾長   増沢 武弘 静岡大学教授
パネリスト 宮崎 緑 千葉商科大学助教授   薄木 三生 環境省南関東地区自然保護事務所長
渡邊 新 富士山本宮浅間大社宮司   岡野 眞久 建設省中部地方建設局長
コーディネーター 吉村 秀實 NHK解説委員・富士常葉大学教授      
VTR出演 小佐野 常夫 山梨県河口湖町長 石川 嘉延 静岡県知事

■閉会挨拶 芝川町長 臼井 進

タイトル 富士山教室「御中道ぐるっと歩こう360度」

タイトル湧水教室
土 隆一氏の顔写真
静岡大学理学部名誉教授
土 隆一氏
 富士山の裾野に浅間神社の湧玉 池、白糸の滝などの湧水があるのは、富士山には川がないので降った雨はみんな地下に浸み込み、やがて裾野に湧き出てくるからです。
 溶岩が何層も重なっている間のガサガサした部分を、上から浸み込んだ水が少しずつ押し出されるのです。岩の中を通 ってきますから、濾されてきれいで、温度と量がほぼ一定なので、少しずつ成分が溶け込んだようなおいしい水なのです。
 最近湧き水が減っているのは、どちらかというと使いすぎたためで、問題は利用法です。
 水量を多くするには、大沢崩れなども、できるだけ崩れないようにし、樹木を育てて土壌を豊かにし、ゆっくり地面 の中に浸み込んでゆくような環境をみんなでつくっていくことが一番大切だと考えます。
白糸溶岩流と白糸滝の模式図
▲白糸溶岩流と白糸滝の模式図

タイトル森林教室
渡邊 定元氏の顔写真
立正大学地球環境科学部教授
渡邊 定元氏
 富士山は日本の植生垂直分布を見る絶好の場で、照葉樹林帯(350m~570m)、クリ帯(~900m)、ブナ帯(~1600m)、ウラジロモミ帯(~1800m)、シラベ帯(~森林限界)、高山帯という、植生がベルト状のゾーン(森林帯)に分かれています。
 クリ帯にスギ・ヒノキが植林されておりますが、非常に間伐が手遅れになっており、防災水源涵養路網という、降った雨を全部地下に浸透させながら間伐を経済的に行う方法を開発しております。またブナ帯で、平成8年の風害の後に100年生のブナの樹冠に相当する面 積をひとつのパッチとしてそのパッチの中心に、ブナをそのまわりに原生林を構成する樹種を植えております。
 21世紀は「森づくりの時代」と言われておりますが、地球環境において、森づくりは地球の温暖化の抑止につながり、バイオマスという循環資源を私たちの文明社会に取り入れる基本的な技術を現状研究しております。
富士山の植生図
▲富士山の植生図

タイトル砂防教室
富士砂防工事事務所長  花岡 正明
 富士山西斜面の大沢崩れは富士山最大、日本でも我国有数の崩壊地で形成の時期、過程は明らかでありません。溶岩と脆い火山砕屑物の互層が、一般 的に土石流、凍状融解、風等に火山砕屑物が先に崩れ、不安定となった溶岩部が次いで崩れます。最も崩れているのが(8合目から9合目)標高3,200m3~3,500m3あたりで、過去30年間流出土砂量 は440万-年平均流出量は約16万m3(ダンプ3.2万台)におよびます。絶えず崖部より崩壊する土砂が大沢崩れの谷底に一時堆積し、数年に一度土石流となって下流に一気に流れ下ります。 富士山の土石流は以下の特徴を持ちます。(1)初冬や晩春に大規模な土石流が発生する。(2)流出する土石流は巨礫を含んだ土砂は、自動車なみの高速流下をします、1回が数十万と大量 に流出する。
  今年11月21日に発生した観測史上最大といわれる土石流も扇状地の遊砂地で28万m3の土砂をすべて止め、下流の災害を未然に防ぎました。
富士山大沢崩れの写真
▲富士山大沢崩れ




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