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富士砂防工事事務所長 花岡
正明
富士山西斜面の大沢崩れは富士山最大、日本でも我国有数の崩壊地で形成の時期、過程は明らかでありません。溶岩と脆い火山砕屑物の互層が、一般
的に土石流、凍状融解、風等に火山砕屑物が先に崩れ、不安定となった溶岩部が次いで崩れます。最も崩れているのが(8合目から9合目)標高3,200m3~3,500m3あたりで、過去30年間流出土砂量
は440万-年平均流出量は約16万m3(ダンプ3.2万台)におよびます。絶えず崖部より崩壊する土砂が大沢崩れの谷底に一時堆積し、数年に一度土石流となって下流に一気に流れ下ります。
富士山の土石流は以下の特徴を持ちます。(1)初冬や晩春に大規模な土石流が発生する。(2)流出する土石流は巨礫を含んだ土砂は、自動車なみの高速流下をします、1回が数十万と大量
に流出する。
今年11月21日に発生した観測史上最大といわれる土石流も扇状地の遊砂地で28万m3の土砂をすべて止め、下流の災害を未然に防ぎました。
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▲富士山大沢崩れ |