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修身の教
科書に載った孝行猿
孝行猿の話は、やがて時代も下ると修身の教科書にも教材として採り入れられました。明治時代に編集した「脩身口授用書」は、「猿子 親ヲ療シテ人心ヲ感
発ス」という題目で原拠に「新著聞集」を挙げています。
その後、文部省が大正7年に発行した「尋常小学修身書 巻一」には「オヤヲタイセツニ」という題目があるが、それは絵だけのものでした。
また、昭和11年に修正印刷した「尋常小学修身書 巻一」には、絵だけでなく文章も次のように載っています。 |
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オヤザル ガ、ウタレマシタ。
コザルガ、タスケヨウ ト オモッテ、
ロ デ テ ヲ アブッテ、オヤザル ノ
キズグチ ヲ アタタメテ ヰマス。 |
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敗戦後に、修身科は廃止されて修身書もなくなりました。しかし、孝行猿の話を自主的に選んで、道徳教育の教材とした先生もいました。こうして孝行猿の話
は学校教育の始まった明治時代以降、教材として採用されてきました。 |