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資料−4 建設省所管公共事業の再評価実施要領

第1: 目的

 公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、新たな再評価システムを導入する。再評価システムは、事業採択後一定期間を経過した後も未着工である事業、事業採択後既に長期間が経過している事業等の再評価を行い、事業の継続に当たり、必要に応じその見直しを行うほか、事業の継続が適当と認められない場合には事業を休止又は中止することとするものである。


第2:再評価の対象とする事業の範囲

 対象とする事業は、建設省が所管する以下の事業のうち、管理に係る事業等を除く全ての事業とする。
(1)直轄事業
(2)公団施行事業
(3)補助事業等
別紙−1に代表的な事業を示す。


第3 再評価を実施する事業

 再評価を実施する事業は、以下の事業とする。

  1. 事業採択後一定期間を経過した後も未着工の事業
     この場合において、「事業採択」とは、「事業費が予算化された時点」、「一定期間」とは、「5年間」、「未着工の事業」とは、「用地買収手続きと工事のいずれにも着手していない事業」とする。なお、土地区画整理事業、市街地再開発事業については、権利変換等が実施されている場合は、「未着工の事業」とはしないものとする。具体的には別紙−2のとおりとする。
     なお、事業採択後5年間を経過した時点で着工済みの事業についても、再評価の実施主体は事業の進捗状況、地元情勢等により事業が順調に進展しているかどうかを確認し、再評価の実施の必要性を判断するものとする。

  2. 事業採択後長期間が経過している事業
     この場合において、「長期間が経過している事業」とは、「10年間を経過した時点で、一部供用されている事業を含め、継続中の事業」とする。  なお、社会的状況の急激な変化等により、再評価の実施主体が再評価を実施する必要性があると判断した場合には、随時再評価を実施するものとする。

  3. 事業採択前の準備・計画段階で一定期間が経過している事業
     事業採択前の準備・計画段階で個別箇所が明確になる事業については、再評価を実施するものとする。この場合において、「準備・計画段階」とは、「道路事業、街路事業については、高規格幹線道路、地域高規格道路、連続立体交差事業等(高速国道、都市高速を除く)の大規模な事業箇所で着工準備費が予算化されてから事業採択に至るまでの段階、ダム事業については、実施計画調査費が予算化されてから河川整備計画に位置づけられるまでの段階」とし、「一定期間」とは、「5年間」とする。

    留意事項
     事業費又は着工準備費が予算化された後、都市計画の決定若しくは変更が行われた事業については、「事業採択」の定義の「事業費が予算化された時点」を「都市計画の決定若しくは変更が行われた時点」に読み替えることができるものとする。


第4:再評価の実施及び結果等の公表

 再評価の実施フロー図(例)を別紙−3に、再評価のシステムイメージ図を別紙−4に示す。

  1. 再評価の実施手続
    (1)再評価の実施主体は以下のとおりとする。
    (1)直轄事業にあっては、地方建設局等とする。
    (2)公団施行事業にあっては、公団とする。
    (3)補助事業等にあっては、地方公共団体又は地方公社とする。

    (2)再評価の実施時期は以下のとおりとする。
    (1)事業採択後一定期間を経過した後も未着工の事業にあっては、事業採択後5年目の年度末までに実施する。
    (2)事業採択後長期間が経過している事業にあっては、事業採択後10年目の年度末までに実施する。
    (3)事業採択前の準備・計画段階で一定期間が経過している事業にあっては、道路・街路事業については着工準備費、ダム事業については実施計画調査費の予算化後5年目の年度末までに実施する。

    (3)再評価の実施主体の役割は以下のとおりとする。
    (1)直轄事業において、地方建設局等は、関係する地方公共団体の意見の聴取、再評価を行うに当たって必要となるデータの収集、整理等(以下、「再評価に係る資料の作成」という。)を行い、事業の継続(必要に応じて事業手法、施設規模等内容の見直し)、休止若しくは中止の方針(これらに伴う事業措置を含む)(以下、「対応方針」という。)(案)の作成を行う。
    (2)公団施行事業において、公団は、再評価に係る資料の作成を行い、対応方針(案)の作成を行う。ただし、公団に対する補助事業については、公団は再評価に係る資料の作成、地方公共団体と十分な調整を図ったうえでの対応方針の決定、補助金交付に係る要求(間接補助事業の場合には地方公共団体が実施)を行う。
    (3)補助事業等において、地方公共団体又は地方公社は、再評価に係る資料を作成し、対応方針を決定した上で、必要な場合は補助金交付等に係る要求(一般国道の新設、改築に係る大臣認可申請を含む。)を行うものとする。

    (4)対応方針の決定
    (1)直轄事業においては、本省は、地方建設局等と協議しつつ、地方建設局等が作成した対応方針(案)に検討を加え、当該事業の対応方針を決定する。
    (2)公団施行事業においては、本省は、公団と協議しつつ、公団が作成した対応方針(案)に検討を加え、当該事業の対応方針を決定する。ただし、公団に対する補助事業については、本省は公団が地方公共団体と調整を図り決定した対応方針を尊重しつつ、当該事業の補助金交付に関して、審査を行った上で対応方針を決定する。
    (3)補助事業等においては、地方公共団体又は地方公社が決定した対応方針を尊重し、本省は、当該事業の補助金交付等(一般国道の新設、改築に係る大臣認可を含む。)に関する対応方針を決定する。

    (5)河川事業、ダム事業の取扱
    河川事業、ダム事業における再評価の実施手続きについては、河川法に基づく河川整備計画の策定・変更の規定等によるものとし、公団施行事業においても、河川整備計画の策定・変更の手続きの実施主体は地方建設局又は地方公共団体とする。


  2. 評価結果、対応方針等の公表
     本省の事業所管部局は、評価結果、対応方針等を、結論に至った経緯、再評価の根拠等とともに公表する。公表の時期は、基本的に年度予算の実施計画が承認された後とする。なお、個別箇所で予算内示をされる事業については、概算要求書の大蔵省への提出時又は政府予算案の閣議決定時に公表するものとする。


第5:事業評価監視委員会


 再評価の実施主体は、再評価に当たって学識経験者等の第三者から構成される委員会を設置し、意見を聴き、その意見を尊重するものとする。

  1. 事業評価監視委員会の設置
     再評価の実施主体の長は、再評価の実施に当たり第三者の意見を求める諮問機関として、学識経験者等から構成される委員会(以下、「事業評価監視委員会」という。)を設置するものとする。
     事業評価監視委員会は、地方建設局等、都道府県、政令市、公団ごとに原則として1つ設置するものとするが、地方公共団体については、必要に応じ事業の種類を勘案して複数設置することも考えられる。なお、市町村(政令市を除く)は、自ら事業評価監視委員会を設置する方法に代えて、都道府県の事業評価監視委員会に依頼する方法も採りうるものとする。

  2. 事業評価監視委員会における審議対象事業
     再評価の実施主体の事業評価監視委員会事務局は、再評価を実施する事業の一覧表を作成し、事業評価監視委員会に提出するものとする。事業評価監視委員会においては、再評価を実施する事業の中から、各事業を取りまく社会状況等を勘案して、委員により事前に抽出された事業について審議するものとする。

  3. 事業評価監視委員会の役割
     事業評価監視委員会は、当該事業に関して再評価の実施主体が作成した対応方針(事務局案)に対して審議を行い、不適切な点又は改善すべき点があると認めたときは、意見の具申を行うものとする。
  4. 事業評価監視委員会における審議方法
     審議方法は、各事業評価監視委員会が決定する。その際、審議過程の透明性を確保するとともに、事業の特性や技術的判断等が反映可能な運営となるよう配慮するものとする。

  5. 事業評価監視委員会の意見の尊重
     再評価の実施主体の長は、事業評価監視委員会より意見の具申があったときは、これを最大限尊重し、対応を図るものとする。

  6. 河川整備計画の策定・変更の手続きによる場合の取扱
     河川事業、ダム事業については、河川整備計画の策定・変更の際、河川法に基づき、学識経験者、関係住民、地方公共団体の長の意見を聴くに当たって、これらの者から構成される委員会等が設置される場合は、事業評価監視委員会に代えて、当該委員会において審議を行うものとする。


第6:評価の方法

  1. 評価手法
    (1)評価手法の策定
     建設省の公共事業の再評価システムに関する検討委員会(以下、「再評価システム検討委員会」という。)に、原則各事業ごとに評価に関する検討を行う部会(以下、「評価検討部会」という。)を設置する。評価検討部会は、各事業ごとに再評価を行う際に整理すべき指標、対応方針を決定する際の判断基準等(以下、「評価手法」という。)を策定し、再評価システム検討委員会に報告するものとする。再評価システム検討委員会は、必要に応じて、各事業ごとの評価手法の調整を行うものとする。なお、各地方公共団体には、本省が策定した評価手法を参考として、送付するものとする。

    (2)評価の視点
     評価を行う際の視点は以下のとおりとする。
    (1)事業の進捗状況
    (2)事業を巡る社会経済情勢等の変化
    (3)事業採択時の費用対効果分析の要因の変化
    (4)コスト縮減や代替案立案等の可能性

    (3)事業の状況に応じた評価手法の設定
     事業採択後長期間が経過している事業の再評価を行うに当たって、再評価の実施主体が、事業の進捗状況、地元情勢等から判断し、チェックリスト等による評価手法、詳細な評価手法等事業の状況に応じて適切な評価手法を設定するものとする。なお、チェックリスト等の評価手法による再評価により要因の変化等が認められた場合には、詳細な評価手法による再評価を実施するものとする。別紙−5にフローイメージを示す。


  2. 大規模公共事業に関する総合的な評価システムの運用
     以下に掲げる直轄、公団施行の大規模事業について現在運用している「大規模公共事業に関する総合的な評価システム」(平成7年11月7日建設事務次官通知)は、個別大規模事業に対して、地元の意見を反映させる方策として、本再評価システムの手続きの一つに位置付け、引き続き運用するものとする。(別紙−3参照)  
     ただし、ダム・堰、大規模放水路については、現在ダム等事業審議委員会が継続中の事業を除き、河川整備計画の策定・変更の手続きの活用を図るものとする。
    (1)ダム・堰
    (2)大規模放水路
    (3)高規格幹線道路
    (4)都市高速道路
    (5)大規模都市開発事業


第7:その他


  1. 地方公共団体に対する要請
     建設省は、地方公共団体に対して、評価体制、評価手法の整備を要請するものとする。

  2. 本省と各再評価の実施主体との密接な連携、調整
     本省の事業所管部局と各再評価の実施主体は、ヒアリング、相談等により、密接な連携、調整を図るものとする。

  3. 北海道、沖縄における事業の取扱
     北海道開発庁、沖縄開発庁に予算が一括計上される事業については、これらと十分調整を図るものとする。

  4. 事業を中止する場合の課題
     事業を中止する場合には、国庫補助金等の取扱い、借入金の処理、買収した用地の取扱い、未完成の施設の取扱い、地元住民等との調整等の課題があるため、再評価システム検討委員会において、各事業共通で対応を図るべき事項について検討を行いとりまとめるものとする。

  5. 事業ごとの実施要領の細目
     各事業所管部局は、本要領に基づき、各事業ごとの再評価についての実施要領の細目を定めるものとする。


第8:施行期日


本要領は、平成10年4月1日から施行する。


(別紙−1) 再評価システムの対象とする代表的な事業別ウィンドウで開きます。

(別紙−2) 「事業採択後一定期間経過後で未着工の事業」の定義別ウィンドウで開きます。

(別紙−3) 再評価の実施フロー図(例)別ウィンドウで開きます。

(別紙−4) 再評価のシステムイメージ図別ウィンドウで開きます。

(別紙−5) 事業の状況に応じた評価手法について(フローイメージ)別ウィンドウで開きます。

(別紙−6) 中部地方建設局事業評価監視委員会委員名簿別ウィンドウで開きます。

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