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TOPページ豊川の明日を考える流域委員会中間報告書 > 4.1 今なお不足している情報
4.1 今なお不足している情報

 以上、本委員会が現時点までに行ってきた「河川整備計画原案検討のための作業」で得られた知見の要点を整理したが、今回の整備計画の主要な事項となる設楽ダムと河道改修にかかわる代替案について更に検討するために今なお不足している情報について、直接的な関連部分のみを再整理すれば表−4.1.1のようになる。
 同表からうかがわれるように、
1)素案における「設楽ダム計画」への代替案を構成する要素の候補として、a)水源涵養林育成(治水面・利水面)、b)天竜川水系からのさらなる導水、および、c)平野部河道での治水対策、の3事業を想定し、これらのうち、a)とc)については、一応の検討資料や試算結果を得た。
2)素案では「速やかに追加記載の予定」とされている霞堤に関して、仮に締め切った場合に予想される治水上のマイナス面について試算し、一応の検討資料を得た。
3)ただし、同表においてイタリック(赤字)で記された事項のように、いまだ十分な情報が得られていないものもある。

 したがって、今なお不足している情報としては、上記の3)に該当する事項をあげることができるが、これらのほとんどは、定性的にはともかく定量的には、速やかに試算ができるものではない。第1章において述べたような「本委員会による整備計画検討結果の提示」の緊急性を考えると、このうえは、まず、素案との比較検討に供すべき代替案の作成を急ぐべきであり、さらなる情報を得るための試算等はその作業と平行して進めて行くべきと考えられる。
 ただし、以下の事項は代替案の構成や、すべての案を比較検討するうえできわめて重要な事項と考えられるので、できるだけ速やかに試算等を行っていただき、それらをもとに審議を行うべきである。
1)設楽ダム案によってもたらされる環境流量の増加が、下流の生態系に及ぼすプラス(あるいはマイナス)効果
2)霞堤締切りと河道改修とを、種々組み合わせたときの効果
 なお、整備計画原案の検討に際しては、河川景観、河川利用、教育などの面での検討も必要である。

表-4.1.1 現状における課題とその対応策、および、代替案検討のために必要と考えられる試算等の情報

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