平成15年8月3日にフィリピン付近で発生した台風10号は、中心付近の気圧が945hPaと強い勢力を保ちながら8日21時高知県室戸市付近に上陸しました。
台風10号の進行速度が比較的遅かったため、東海地方では、8日から9日にかけて台風の強い雨域の影響を長時間受けることとなりました。このため、豊川では、基準地点石田の水位で戦後5番目の洪水、平成では1番目の洪水となり、霞地区では全地区で浸水しました。
本洪水においても、豊川放水路が本川の洪水流量を分派することにより、本川の水位を大きく低下させました。また、仮に設楽ダムがあった場合、全川にわたり、水位低下効果を期待できます。
このため、豊川における各治水施設等の治水効果を定量的に評価し、広く地域の方々にお知らせすることが必要であると考え、「第25回豊川の明日を考える流域委員会」で豊川放水路、仮に設楽ダムがあった場合の治水効果等について試算し、公表したところです。この場において、算出手法に係わる情報の公開を積極的に行うことが良いとのご意見がありました。このご意見を踏まえ、リバーカウンセラー*である豊橋技術科学大学名誉教授 中村俊六氏のご指導、ご助言を得て、算出手法を含めた治水施設等の効果について取りまとめましたので公開いたします。 |