中川村歴史民俗資料館では、特別展「中川村の三六災害−あれから50年−」を10月15日から11月13日までの、毎週 火・木・土・日曜日に開催しています。
会場の2階の展示室には、災害概要、村内災害発生場所、地区ごとの災害状況、復旧・復興、新天地での生活、被災地の今、記念碑などについての写真・図・作文・記録文章・新聞記事などの様々な資料が、所せましと並べられています。
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2階の展示室
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災害写真、新聞記事、体験談、水防日誌などは当時のことを生々しく伝える一方、今年5月〜9月に開催された公民館講座「被災地の今」を紹介した写真では、集団移住や歳月の経過によって風化しつつある災害の痕跡を映し出していました。
展示初日に観覧に訪れた男性は、「当時、復旧作業に携わったが、展示の写真を見て、その時のことが懐かしく思い出される」と感慨深く述べていました。
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村内、地区ごとの災害箇所
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今回の特別展で企画・資料収集・展示などの全てを担当された中川歴史民俗資料館学芸員の伊藤 修さんに、展示の見どころや、ご苦労された点やについてお聞きしました。
三六災害に関する資料展示などのイベントは過去にもおこなわれたことがありましたが、今回ほどの規模で、また、これほど多岐にわたる資料で構成された展示はこれまでなかったようです。
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伊藤学芸員(左)による展示解説
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事前準備として、何度も現地に足を運び、聞き取りを重点的におこない、展示には体験談をできるだけ盛り込むよう配慮されたようです。
展示の写真は8割が資料館のもですが、それ以外は地元の方からお借りしたもので、今回初公開の貴重な写真が展示されていることも見どころの一つです。
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住民の方が所有する貴重な写真アルバムも展示
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歳月の経過で失われつつある当時の記憶や資料ですが、今後も写真などの新たな資料が発見される可能性があり、「後世に伝える重要な資料なので、ぜひこの機会に資料館まで情報を寄せて欲しい」とのことでした。
また、地元の小・中学生をはじめ、「若い人たちにぜひ足を運んでもらい、災害のことを知ってもらいたい」と願いを語っておられました。
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災害に関連した資料
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なお、11月12日(土)には関連行事として、中川村文化センター視聴覚室でビデオ鑑賞会(昭和37年NHK放映の2本)が午前中におこなわれ、午後には中川村公民館と共催の「被災地を訪ねる」と題した現地見学が予定されています。
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