
50年前、大西山が崩壊したあの日と同じ6月29日、夏空の大鹿村交流センターで三六災害を語り継ぐ会と慰霊碑への献花・焼香がおこなわれました。会場には地元の小学生・中学生も大勢訪れ、220名以上の来場者で満席となりました。
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会場の大鹿交流センター
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開会後、50年前にこの地で犠牲となった55名と東日本大震災の犠牲者を追悼して来場者全員で黙祷しました。
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犠牲者を追悼して黙祷
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三六災害報道ビデオのあと、村内に大きな被害をもたらした北川の土石流と大西山の崩壊についての2題の体験談が語られました。まず収録映像によって当時の北川集落の方々が体験された土石流のすさまじい光景についての記憶が放映されました。

つづいて「大西山の大崩落」と題した今井 積さんは、これまで何度も体験談を語ってこられましたが、今回は小中学生に語り継ぐことを「最後のご奉公」と登壇を決意されたそうです。大西山の崩壊で押し寄せる土砂に飲み込まれそうになりながら、「命はある。がんばろう」と必死に生き延びた体験を小中学生に語りかけました。また、避難先で受けた恩に感謝の想いを込めた詩と、災害後から大切に使い続けた生活用具をご披露いただきました。
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今井 積さん:災害後の思い出の生活用具と
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大鹿村中学校生徒作文発表者の阪村明希子さんは、19日に開催された三六災害50年シンポジウムでの演劇舞台に参加した経験から、被災者の辛さを知ることができ、「災害を絶対に忘れない。美しい村にしていきたい」と決意を述べられました。
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大鹿中学校 阪村明希子さんの作文発表
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国・県の防災対策では、天竜川上流河川事務所が砂防事業、伊那谷総合治山事業所が治山事業、飯田建設事務所が防災情報等、三六災害後の大鹿村等における事業取り組みを紹介しました。
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竹内 小渋川砂防出張所長の防災対策説明
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最後のプログラムであるリレー座談会では、信州大学名誉教授の北澤秋司先生の講演と意見交換会がおこなわれました。北澤先生はご自身の生田での災害体験と、災害に強い山づくりなどについて会場の中学生などに語りかけながら講演されました。5月から7市町村8会場1,200名の参加によって開催されたリレー座談会も、この大鹿会場で締めくくられました。
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中学生に語りかけながら講演される北澤秋司先生
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閉会後、関係者による三六災害犠牲者への献花・焼香が大西慰霊碑と文満慰霊碑でおこなわれました。
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柳島村長による大西慰霊碑への献花・焼香
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文満慰霊碑での事務所職員等による献花・焼香
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この日の会場には大鹿小学校の生徒が描いた2枚の絵が飾られていました。小学生が描いたこの絵と今日の中学生の発表には、郷土を愛する心と「美しい村」へと願う強いメッセージを感じました。
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子供たちの願いが込められた2枚の絵画
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