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こまくさ通信 第5号(百間ナギの現地調査報告)

百間ナギを現地調査

調査の目的

 飯島砂防出張所では、太田切川、中田切川、与田切川、片桐松川及び新宮川において土石流災害等を防止するため、砂防堰堤や床固工群、砂防林などの工事を行っています。

この度(7月5日~6日)、最近の流域の崩壊状況や土砂の堆積状況を把握して今後の事業に活かすことを目的に、事務所砂防調査課と共に与田切川、中田切川の現地調査を行いました。本号では、そのうち天上事務所として7年ぶりの調査となった百間ナギの状況を紹介します。

現況写真(2004.7.6撮影)

写真-1 摺鉢窪カールと避難小屋

写真-1 摺鉢窪カールと避難小屋
百間ナギの一部も見えている。谷頭部は小屋まであと30m
そこそこまで迫っている。

写真-2 百間ナギ上端部よりオンボロ沢を見る

写真-2 百間ナギ上端部よりオンボロ沢を見る

写真-3百間ナギの崩壊の一部

写真-3百間ナギの崩壊の一部
巨れき(最大径は5m)を含む土砂の流出が今なお進んでいる

写真-4 田切岳南側の基盤岩の露出

写真-4 田切岳南側の基盤岩の露出
赤褐色の変成岩と灰白色の花崗岩が縞状に重なり合っている

考察

 百間ナギの下流オンボロ沢では、数年間に堆積した土砂がある洪水を契機に一気に下流に流れ下り、土石流を発生させるのではないかと推定されます。最近では、1985年と1994年にオンボロ沢の土石流に伴い死者が出る災害が発生しました。百間ナギは高標高に位置し規模が大きいこと、雪による浸食が激しいことから、崩壊箇所に山腹工等の対策を行うことは大変難しい状況です。したがって、洪水の度に下流に流出してくる土砂を如何に調節し、安全で住みやすい地域にするかが大きなテーマといえます。

 飯島砂防出張所では、水系全体の計画の中で所管する事業を引き続き進めてまいりますので、地域の皆さんのご理解、ご協力をお願いいたします。

百間ナギ(ひゃっけんなぎ)

中央アルプス与田切川流域の南駒ヶ岳(2,841m)と赤椰(あかなぎ)岳(2,798m)に挟まれた摺鉢窪(すりばちくぼ)と呼ばれるカールの直下にある大崩壊地で幅約600m、下流オンボロ沢までの長さは約1kmに及ぶ。崩壊地周辺の岩盤は伊奈川花崗岩や変成岩で、露出箇所は風化が進んでいる。また、摺鉢窪カールの縁から百間ナギの谷頭部一帯には、厚さ60m以上のれき層が見られ、常に土砂の流出が進んでいる。