土岐川・庄内川の沿川各地で水防訓練が行われました。

  台風や豪雨による出水が多くなるこれからの時期にそなえて土岐川・庄内川沿川の自治体で水防訓練が行われました。
  中川区の庄内川左岸堤防打出グラウンドでは、庄内川が急激に増水し、左岸堤の裏法面が削壊する恐れがあり、水防工法を実施する必要が生じたという想定で水防工法訓練が行われました。
  水災害が発生した場合は、その被害を最小限に防止し、迅速かつ的確な水防工法の施工、水難救助など応急体制の確立をはかる必要があります。さっそく現地本部が設置され、出動部隊が集結しました。土木隊、消防隊による河川巡視報告を受けて、水防活動方針が策定され、いよいよ各種工法の実施です。
  もっとも有効な水防工法として、せき板工、釜段工、シート張り工の3種が指定され、3中隊に分かれて効率的に作業が進みます。
  せき板工は、川の水位が上がり越水しようとする水をベニヤ板で食い止めます。たくさんの土のうを積み上げるより、労力が格段に軽減されます。
  釜段工は、堤防から水が浸透し、川裏から流出するようになったとき、漏水口の周囲に釜のように土のうを積んで水圧を調整し、漏水の拡大を防ぎます。
  シート張り工は、堤防の川表が崩れるのを防ぐため、竹などの骨組み材や土のうを取付けたブルーシートをたらし、堤防斜面を保護します。
  地域の建設業協会の協力により、土のう運搬に重機が登場する迫力の展開もあり、作業は迅速に進みます。そしてスタートからわずか15分程度で各中隊から完了の報告がなされました。


せき板工(名古屋市中川区)


釜段工(名古屋市中川区)


シート貼り工(名古屋市中川区)


重機による作業の効率化(名古屋市中川区)



竹内本部長講評

  指揮本部の視閲の後、竹内本部長から「中川区は庄内川、新川など水害の危険度が高い地域なので、市民と連携を高めて安心して住める町づくりを進めたい。こうした訓練の積み重ねが市民の命を守ることにつながる」との講評がありました。
  一ノ瀬露橋消防団長からは、実動部隊を勤めた消防団のみなさんに対して、技術の習熟ぶりを認め、想定外の事態にもベストな対応ができるようにしてほしいと挨拶がありました。


清須市


名古屋市中村区


名古屋市北区


春日井市

  この他にも土岐川・庄内川の沿川では、名古屋市東区,北区,中村区,港区,守山区,春日井市,清須市,多治見市,土岐市でそれぞれ訓練が行われ、参加者は今一度使命感を新たにしていました。