COP10公式エクスカーションで藤前干潟の視察がありました

  平成22年10月11日~29日に名古屋で開催されている「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)のことは、マスコミでも連日報道されています。10月23日(土)には、COP10の公式エクスカーション(専門家の解説を聞くとともに、参加者も現地で体験や議論を行い理解を深める体験型見学会)のコースのひとつとして『ラムサール条約登録湿地藤前干潟と名古屋港水族館』が行われ、「環境省」、「藤前干潟を守る会」と共に藤前干潟を前にして当事務所の髙橋事務所長が各国からの「COP10会議」関係者約40名に解説を行いました。

高潮堤防及びクリーン大作戦の解説(庄内川河川事務所)
 当日午前中は「庄内川・新川クリーン大作戦2010秋」が実施されたばかりのきれいに清掃された藤前干潟を目の前にして、パネルが展示され、以下のような解説を行いました。

・ 庄内川が流れ込んでできた、藤前干潟は名古屋駅から10kmのところにあり、大都市圏の中に位置する非常に珍しい、貴重な干潟である。
・ 庄内川の河口部は1959年9月の伊勢湾台風で堤防が決壊して大きな被害を受け、1963年に堤防を整備した。
・ 堤防の老朽化が進み、水害からの安全を確保するため堤防を再整備する必要がある。
・ 調査によって希少な生物が干潟に生息していることがわかり、検討の結果、工事の影響を受ける面積を小さくする新計画で、干潟を保全しつつ市街地を洪水から守る堤防を整備することとした。
・ 自由に自然観察や散歩ができるよう通路も整備し、定期的に清掃活動を行うなど、行政と市民が協働して干潟や河川を保全する活動を進めている。

説明を受けたCOP10の参加者は、興味深そうにパネルを確認したり、質問したりしていました。

COP10エクスカーション COP10エクスカーション

干潟の生物に触れる体験(「環境省」及び「藤前干潟を守る会」より)
 解説の後は実際に干潟の中に移動して、用意されたバケツやスコップで干潟の泥に中に棲む生物を捕ったり、パレットに分類された生物の生態について説明を受けるなど、普段できない体験が行われました。持参のカメラで接写するなど、熱心な姿も見受けられました。
 生物の多様性について深い関心をもつCOP10の参加者の方々には、庄内川に関わる環境や自然災害、市民の安全を守る対策について、さまざまな角度から理解を深めていただけたのではないでしょうか。

COP10エクスカーション COP10エクスカーションCOP10エクスカーション COP10エクスカーション