名古屋圏でタイムラインの検討を開始!! ~「第1回 庄内川タイムライン検討会」を開催しました~

 名古屋圏は、近年、平成12年の東海豪雨や平成23年の台風第15号など、台風性豪雨により甚大な被害を受けており、今後このような被害を軽減するために、住民の命を守る具体的な計画の策定が課題となっています。
 特に名古屋圏には企業、交通機関等が集積している他、日本有数の地下街の商業施設では、地下鉄などの利用とも相まって膨大な数の人々が活動し、大規模水害時の影響は甚大なものになると想定されることから、計画の策定にあたっては地域内の関係機関の連携が重要であると考えられます。
 台風のように、発生から上陸までに時間があり、対応に猶予のある災害については、先を見越した防災対応を図ることによって、大きな減災効果が期待できると考えられています。
 このため庄内川河川事務所では、国土交通省で実施している「水防災に関する防災・減災対策本部会議(第2回)」を踏まえ、「第1回 庄内川事前防災行動計画(タイムライン)検討会」を開催し、名古屋圏において国、県、市、企業等地域内の関係機関が連携し、大規模水災害に備える、事前の防災行動計画(タイムライン)を策定するための検討を行うものです。

●日時: 平成26年6月4日(水) 13:00~16:15
●場所: 名古屋市役所西庁舎 12階 第10会議室(名古屋市中区三の丸三丁目1番1号)
●参加機関: 中部地方整備局 庄内川河川事務所、名古屋地方気象台、愛知県、愛知県警察、名古屋市、名古屋駅地区街づくり協議会、
名古屋駅地区防火・防災管理協議会、名古屋鉄道株式会社

  庄内川事前防災行動計画(タイムライン)検討会 設置要綱 【PDFファイルサイズ:80KB 別ウィンドウで表示されます。】

  事前防災行動計画(タイムライン)とは?〔検討会説明資料〕 【PDFファイルサイズ:467KB 別ウィンドウで表示されます。】


活動状況1 テレビ局4社(CBC、NHK、テレビ愛知、中京テレビ)、新聞社3社(毎日新聞、日刊建設工業新聞、建通新聞)が取材する会場風景

≪水災害における被害者ゼロを目指して≫
 検討会には、各関係機関の代表者に加えて、アドバイザーやオブザーバーなど54名が参加し、午後1時から4時過ぎまで、休憩時間なしの討議が繰り広げられました。

1.開会挨拶・・・庄内川河川事務所・髙橋事務所長
 「この地域は、東海豪雨で甚大な被害を受けた経緯があり、タイムラインの策定に向け、全国に先駆けて取り組むことになりました。タイムラインとは、災害の事前や発生後の対策として活用する実施要綱で、まさに命を守るツールです。市民だけではなく、観光で来ている方たちも含めて、この地にいるすべての方の命を守るものと考えます。課題として浸水から命を守るためには、避難の時期をどう考えていくのか、どんな災害や危険やリスクがあるのか、みんなで情報を共有し、取り得る防災対策について議論していきたい。いち早い名古屋の取り組みが、他自治体にも役立つものになると考えています。」(要約)

2.庄内川事前防災行動計画(タイムライン)検討会設置要綱(案)について・・・庄内川河川事務所 品質確保課・栗林課長
 設置要綱(案)と委員(案)について全員一致の承認を受け、座長に松尾一郎氏(環境防災総合政策研究機構 環境・防災研究所 副所長)が、事務局長に中部地方整備局庄内川河川事務所・髙橋事務所長が選任されました。

3.座長挨拶・・・松尾一郎氏
 「タイムラインとは、アメリカで既に効果をあげている新しい取り組みです。2012年、アメリカはハリケーン・サンディで、ニュージャージー州では初めてとなる作ったばかりのタイムラインを使いました。その結果、約4千世帯が全壊や半壊の被害を受けたにも関わらず、犠牲者はゼロでした。この名古屋圏においても、犠牲者をゼロにできるようなタイムラインを、作っていきたいと思います。」(要約)

4.委員紹介・・・各委員が自己紹介

5.タイムラインに関する説明「タイムラインとは」・・・松尾一郎氏、関克己氏
 座長である松尾一郎氏と、アドバイザーの京都大学客員教授・関克己氏より、タイムラインに関する説明がなされました。
 松尾座長からは、「タイムラインとは、防災に係わる機関が現在の事象を共有するとともに、共通した災害対応・対策をサポートし、災害からの回復を効率的にするため意志決定を支援する手引き書とするものであり、「いつ、だれが、何を」という情報を発災前・後で役割とタイミングを予め防災に係わる機関が構築するものです。この検討会でみんなで共に汗をかいて【命を守る、経済被害を最小化するタイムライン】を作っていきましょう。」などと説明されました。

6.検討会状況

活動状況2
開会の挨拶をする庄内川河川事務所・髙橋事務所長

活動状況3
座長に選任され挨拶する松尾一郎氏

活動状況4
自己紹介するアドバイザーの関克己氏
京都大学客員教授

活動状況5
自己紹介するアドバイザーの市澤成介氏
㈱ハレックス(元気象庁予報課長)
通信講座グループ担当部長

活動状況6
取り組み状況の説明を行う鈴村晴美氏
名古屋駅地区街づくり協議会 事務局長

活動状況7
出水時の状況説明を行う木全誠一氏
名古屋市 西消防署長