小里川ダム湖1周「いやす里学びウォーク」初開催! ~歩いて学んで秋の里山を楽しもう~

 9月26日(木)から10月17日(木)までの毎週木曜日、小里川ダムの周辺を「のんびり歩いて」「自然に癒され」ながら「地域やダムを学ぶ」ことができる「いやす里学びウォーク」が初開催されました。「いやす里」とは、小里川ダム周辺地域である瑞浪市稲津町(いなつ)・恵那市山岡町(やまおか)・瑞浪市陶町(すえ)の3地域の頭文字から名付けられたものです。このイベントは、恵那市と瑞浪市の境に位置する1周約8kmの小里川ダム湖周を巡るウォーキングで、地域活性化を目的とする団体「いやす里づくりの会」が主体となって行われ、庄内川河川事務所も支援しました。当日は、小里川ダム職員がガイドとなり、東濃地方随一の高さ(114m)を誇る小里川ダム内部の見学や、恵那山やダム湖を一望できる展望公園、大正時代に造られた旧発電水路跡、日本最大級の木製水車がある道の駅「おばあちゃん市・山岡」などを巡りながら、地域の魅力やダムとの関わりなどを紹介しました。

 台風一過により、秋晴れながら気温30度の真夏日となった10月10日(木)の開催日には、県内外からの参加者10名が集いました。詳しい説明を聞きながら見るダムの内部や、遊歩道を歩きながらの地域情報に参加者は大満足。「上流の方の犠牲のもとにダムが作られ、下流の方が水害から守られています。こうした上下流連携の理解を深めるためのイベントとして今後も続けていきます。」との小里川ダム管理支所長の挨拶に、参加者からは賛同の声が上がりました。

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地元の特産品や新鮮な食材を味わうことができ日本最大級の木製水車がシンボルとなっている道の駅「おばあちゃん市・山岡」が始点・終点となりました。

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小里川ダム管理支所の中島支所長挨拶と
ダム職員の説明を受ける参加者のみなさん。

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吊り橋を渡って道の駅から小里川ダム管理支所へ。

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吊り橋からはダムの2つの水門をはっきりと見ることができました。


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 まずはダム管理支所の1階ロビーを見学。最近展示されたばかりの岐阜県瑞浪市生まれの画家・塚田邦彦氏の作品を鑑賞しました。作品は、2012年の塚田氏永眠後に遺族の厚意により寄贈された「雪の発電所」3点です。この地域で採れた花崗岩を使った、石造りの旧小里川第一発電所、旧小里川第二発電所、旧小里川第三発電所が描かれた貴重な絵画となっています。

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 ダムの入口からは全員ヘルメット着用で内部に。外気は30度近くても、内部はひんやりと心地よい15度程度でした。下流部にある1階の通路には「小里川ダムでよく見る生き物」や「ダムによる洪水調節のしくみ」「全国のダム紹介」など、数々のパネルが展示されています。

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 おりがわ湖の水位を調節するために必要な、洪水時の放流設備として設置されている洪水吐き設備があるゲート室を見学。ここでの洪水調節が、東濃地域や尾張地域の水害軽減に役立っています。

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下流側にある展望テラスからは、
巨大なダムを間近に見上げることができます。

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ダムの上からは上流側を一望でき、おりがわ湖を
はさんだ対岸に管理支所と道の駅も。

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 もともとはダム建設時の施設として作られた展望台で、恵那山など山々を見渡しながら地域の歴史や産業についても学びました。

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展望台から見下ろした管理支所と道の駅。

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遊歩道を歩きながら、この地域で見られる昆虫や
タカ・トビなど猛禽類の説明も。運が良ければ
ニホンカモシカにも出会えるようです。

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 遊歩道の足元に、岐阜県の郷土料理「ほうば味噌」に使われる‘ほうの葉’や山栗が落ちているのも、この地域ならでは秋の風景です。

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 大正時代に作られた石造りの旧小里川第3発電所の水路跡が見られるのも、遊歩道を歩いたからこそのお楽しみ。

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木々に囲まれた遊歩道での森林浴に、自然のすばらしさと
自然を守ることの大切さを実感。

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ダム建設時に石を切り出した原石山跡地。
今はヘリポートとしての役割も果たしています。

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 最後に道の駅で、町指定文化財となっている與運橋(通称:めがね橋)と呼ばれる地元産花崗岩の珍しい三連式石造アーチ橋と、大正14年から平成5年の廃止まで約70年間にわたり地域に電力を供給し続け、産業遺産として保存展示されている小里川第3発電所の水車&発電機を見学しました。
 参加者からは「この地域の歴史を知ることができた」「自然の中でダムのことを学びながらウォーキングできて楽しかった」「地域の方にボランティアとして協力していただけるようになるといいと思う」等と感想が寄せられました。今回は計4回の開催で51名の方々に参加いただきました。今後とも継続しておこなっていく予定をしていますので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。