名古屋南部地域の国道23号では、道路と沿道の住宅地との間に緑豊かな「環境施設帯」を整備する取り組みを進めています。
名古屋市南区要町付近などでは、すでに一部の環境施設帯が整備されており、大気汚染や騒音の低減効果が明らかになっています。
<環境施設帯の効果>
・沿道の大気汚染や騒音を緩和
・沿道に暮らす人々の憩いの場や防災空間として活用
・都市における緑豊かな道路景観の形成
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名古屋市南区要町付近に整備された環境施設帯 |
環境施設帯の整備状況
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沿道の排ガスによる影響は、環境施設帯の幅に相当する15m離れた地点で約50%に低減します(試算) | 要町の環境施設帯が「ある」区間は、「ない」区間に比べ騒音が約14dB低く、環境基準を達成できました |
名古屋市のほぼ外周部に位置する名古屋環状2号線が全線開通すると、名古屋都心部の通過交通が半減して渋滞が緩和し、大気汚染物質である浮遊粒子状物質(SPM)や窒素酸化物(NOx)等の排出量削減が期待されます。現在、高針JCT名古屋南IC・JCT(約13km)の未開通区間について、十分な沿道環境対策を行いながら事業を進めています。
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※1 削減量は、名古屋市中心部より約20km圏内の削減量を示しています。 ※2 大型トラックが平均60km/hで走行する場合 |
名古屋環状2号線の環境対策
この図は、完成時の標準的な対策イメージであり、遮音壁や高架橋などは、さらに検討を加え、周辺環境と調和するように景観にも配慮します。
静岡県内の国道1号に並行する4バイパス(藤枝・掛川・磐田・浜名)の無料化により、国道1号の交通量が減少し、沿道環境が改善されました。とくに浜名バイパス並行区間では、交通量が1日あたり約9,200台減少し、大型車が無料化前に比べて約7割減少した結果、昼間の騒音値が3〜4dB減少し、環境基準(70dB)を下回りました。
浜名バイパス並行区間における交通量の減少(浜名郡新居町付近)
三重県四日市市内の国道23号では、沿道法※に基づく沿道地区整備計画を策定し、低層遮音壁をはじめとするさまざまな騒音低減対策を行ってきました。その結果、昼間の騒音値が約6dB減少して環境基準(70dB)を下回り、沿道環境が大幅に改善されました。
※道路交通騒音の著しい幹線道路の沿道で、まちづくりと一体となって様々な対策を実施していくための法律で、正式名称は「幹線道路の沿道の整備に関する法律」です。
【騒音の変化】