櫛田川水系

第1次産業を支え地域の発展に欠 かせない川

櫛田川水系マップ

櫛田川水系は、その水源を三重県松阪市飯高町高見山(標高1,249m)に発し、支川蓮川流域などを合わせ、伊勢平野に出て佐奈川を合わせ、伊勢湾に注いでいます。櫛田川の改修工事は、昭和7年から三重県により着手されました。昭和34年の伊勢湾台風で大きな被害を受けたことを契機に昭和37年度から、直轄河川改修事業に着手しました。
その後、昭和42年に一級河川に指定され、「工事実施基本計画」を策定、流下能力上のネック点となっていた櫛田川頭首工の可動堰化(櫛田川可動堰)を昭和44年に完成させ、本川・支川佐奈川の堤防整備・護岸整備などを進めてきました。
また、上流部では、洪水調節などを行う多目的ダムとして、蓮ダムが平成3年に完成しました。
平成15年には、櫛田川水系河川整備基本方針を策定し、平成17年には、河川整備計画を策定しました。現在、河川整備計画で定めた河川整備を順次実施しています。

プロフィール
源流 三重県松阪市飯高町(高見山標高1,249m))
流域面積 436k㎡
(山地 360k㎡・平地 71k㎡・河川区域 5k㎡)
幹川流路延長 本川 87km (58位)
河川延長 237.6km (81位)
流域面積 436k㎡ (97位)
大臣管理区間 本川 18.9km・佐奈川 5.4km・祓川 0.1km
流域内人口 約17万人
計画高水流量 両郡橋 4,300㎥/s

( )内の順位は直轄管理河川(109水系)の全国順位

櫛田川計画高水量図

櫛田川の大きな変動

1932年(昭和7年)
三重県により回収着手

(計画高水2,500㎥/s)

1959年(昭和34年)
伊勢湾台風により大災害
櫛田川松名瀬橋(S34.9)

櫛田川流域においては、死者・行方不明者16人、負傷者248人、被災家屋3,814戸の被害が発生しました。

写真:櫛田川松名瀬橋(S34.9)
資料:松阪市史

1962年(昭和37年)
櫛田川直轄河川改修事業着手
1964年(昭和39年)
櫛田川頭首工可動化着手
1967年(昭和42年)
櫛田川水系が1級河川に指定される

(櫛田川本川0.0km~18.9km、佐奈川0.0km~2.0km)

1968年(昭和43年)
工事実施基本計画策定

(両郡橋:基本高水4,800㎥/s、計画高水4,300㎥/s)

1968年(昭和43年)
佐奈川改修に着手
1969年(昭和44年)
櫛田川頭首工可動化(櫛田川可動堰)完成
櫛田川可動堰

下流部の水田地帯を潤すかんがい用水の取水と、洪水調節を兼ねる兼用工作物として、昭和44年に完成しました。

1969年(昭和44年)
直轄区域編入

(派川祓川0.0km~0.06km)

1973年(昭和48年)
直轄区域編入

(佐奈川2.0km~2.6km)

1974年(昭和49年)
集中豪雨
1974年(昭和49年)
佐奈川中流部ショートカット完成
1974年(昭和49年)
蓮ダム建設事業に着手
1975年(昭和50年)
直轄区域編入

(佐奈川2.6km~5.4km)

1982年(昭和57年)
台風10号
1985年(昭和60年)
中村輪中の築堤・護岸に着手
1990年(平成2年)
台風19号
1991年(平成3年)
蓮ダム完成
蓮ダム

支川蓮川に洪水調節などの機能をもつ多目的ダムとして建設され、平成3年から運用しています。

1994年(平成6年)
台風26号
櫛田川下流(3.4k付近右岸)

下流部において、計画高水位を上回り、漏水が発生するなど堤防が危険な状態になりました。幸いにして破堤などによる大きな被害は免れましたが、観測史上第2位の流量を記録する大出水となりました。
(両郡観測所でピーク水位7.9mを記録)

2003年(平成15年)
櫛田川水系河川整備基本方針の策定

(両郡橋:基本高水4,800㎥/s、計画高水4,300㎥/s)

2005年(平成17年)
櫛田川水系河川整備計画(大臣管理区間)の策定

(両郡橋:基本高水4,100㎥/s、河川整備3,500㎥/s)

2013年(平成25年)
高潮堤防改築完成
高潮堤防

昭和34年の伊勢湾台風後に整備された高潮堤が築堤から約50年経過し、老朽化が著しく堤防高も不足していたため、高潮堤防の改築を実施しました。