木曽三川の概要
 木曽三川は、広大な濃尾平野をとりまく山岳地帯にその源を発し、その流域面積は、9100平方キロメートル、長野県、滋賀県、岐阜県、愛知県、三重県の5県にまたがっています。木曽三川は、木曽川、長良川、揖斐川の三本の河川からなり、古来この三川は、一つの川として乱流していましたが、明治改修により三川の分流がなされ、現在の河状となったものです。

概  要
流域面積 9100平方キロメートル
総延長 3,000キロメートル
総流出量 163億立法メートル
かんがい面積 633平方キロメートル(許可水利)
流域内人口 190万人

■木曽川水系(木曽三川)
 木曽川・長良川・揖斐川の三つの河川は、古来より木曽三川と呼ばれている。木曽川水系の流域は長野県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県の5県にまたがり、中京圏を擁する濃尾平野を流域に抱え、流域内人口は約190万人に達する。土地利用は、林地等が約80%、農地が約11%、市街地が約7%、開放水面が約2%となっており、平地のほとんどが濃尾平野である。濃尾平野の下流域は大規模な0m地帯となっており、古くより輪中が発達、江戸時代以降では御囲堤、宝暦治水、明治改修等さまざまな治水工事が行われた。利水面では律令時代のかんがい用水に始まり、鎌倉時代の木曽材を筏で流す「川狩り」、江戸時代の河川舟運、近代の発電ダムや水資源開発施設の建設、戦後の都市用水、農業用水の供給など、中京圏の産業、経済、社会、文化の発展の基礎となってきた。
 また、自然環境面では、広大で変化に富んだ地形、地質及び気候を反映して、源流域から河口に至るまで豊かである。上流域はミズナラなどの落葉広葉樹林、木曽地方等ではヒノキなどの人工林が広がり、渓谷の岩肌には、ナメラダイモンジソウ等の岩上植物が生息、渓流にはアマゴ等の渓流魚、オオサンショウウオ等の山地渓流性の水生生物が生息する。中流域の砂礫河床の瀬はアユの産卵床、砂礫河原にはカワラハハコ等の河原植物が生息し、コアジサシ等が繁殖地としている。下流域にはワンド等の湿地が点在し、ヤリタナゴ等の魚類やカワジシャ等の湿性植物が生息、生育している。下流域から河口域に広がるヨシ原には、オオヨシキリ等の鳥類、カヤネズミ等のほ乳類が生息、干潟にはヤマトシジミ等が生息しており、シギ・チドリ類の渡りの中継地となっている。
 国際的なものづくり拠点である中京圏を支える木曽川水系では、生命財産の安全はもとより、産業、経済、社会、文化の発展とともに環境共生型を目指している我が国にとってきわめて重要な河川である。

■木曽川
 木曽川は、長野県木曽郡木祖村の鉢盛山(標高2,446メートル)を源とし、中山道沿いに南南西に下り、途中、王滝川、落合川、中津川、付知川、阿木川、飛騨川等の支川を合わせながら、濃尾平野に入った後は、北派川、南派川に分派した後、再び合流し、一宮市西側を南下して、長良川と背割堤を挟んで並行して流れ伊勢湾に注ぐ、幹川流路延長229キロメートル、流域面積5,275平方キロメートル、河床勾配1/500から1/5,000程度の一級河川である。

■長良川
 長良川は、岐阜県郡上市の大日ヶ岳(標高1,709メートル)を源とし、南東に下り、吉田川、亀尾島川、板取川、武儀川、津保川等の支川を合わせ、濃尾平野に入った後は岐阜市内を貫流し、伊自良川、犀川等の支川を合わせて南下し、木曽川及び揖斐川と背割堤を挟んで並行して流れ、三重県桑名市で揖斐川に合流する、幹川流路延長166キロメートル、流域面積1,985平方キロメートル、河床勾配1/500から1/5,000程度の一級河川である。

■揖斐川
 揖斐川は、岐阜県揖斐郡揖斐川町の冠山(標高1,257メートル)を源とし、山間渓谷を流下して坂内川等の支川を合わせ、濃尾平野に入った後は、粕川や根尾川等の支川を合わせ大垣市の東側を南下し、さらに牧田川、津屋川、多度川、肱江川等の支川を合わせ、長良川と背割堤を挟んで並行して流れ、三重県桑名市で長良川と合流して伊勢湾に注ぐ、幹川流路延長121キロメートル、流路面積1,840平方キロメートル、河床勾配1/300から1/7,000程度の一級河川である。
 
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