近年1(伊勢湾台風、地盤沈下)
■伊勢湾台風

伊勢湾台風被害状況
伊勢湾台風被害状況
   昭和34年9月26日、和歌山県潮岬に上陸した台風15号は、低気圧と激しい風による海面上昇が驚異的な高潮を発生させ伊勢湾一帯を襲いました。
 愛知・岐阜・三重の東海三県において死者・行方不明者4,645人、被災者数120万人に達する未曾有の大惨事をもたらしました。
 特に大きな被害を受けたのは人家の密集している名古屋市南部および西部・愛知県海部郡一帯・三重県北部の木曽三川河口部付近で、異常潮位のため、いたるところで堤防がきれ堤内地は一瞬にして泥水の下となりました。
 海水の浸水は310平方キロメートルの地域にも及びそのうち230平方キロメートルは浸水期間が2ヶ月以上も続きました。
 台風の大きさ、災害の多さから、気象庁は「伊勢湾台風」と呼ぶことに決めました。
 
海抜0メートルを示す表示盤
海抜0メートルを示す表示盤
   台風の規模としては、昭和9年9月の「室戸台風」、昭和20年9月の「枕崎台風」に次ぎ3番目に数えられていますが、被害は他に例をみない非常に激しい台風として昭和の歴史に残っています。
 昭和の時代に入り相次いで大型台風が上陸しましたが、昭和28年9月に上陸した台風13号においては、三重県や三河湾で破堤を伴う大きな被害を受けました。
 この被害を契機に「海岸災害防止事業」がおこなわれ、昭和33年12月には「海岸保全施設築造基準」が策定されました。
 昭和28年9月から6年後に発生した伊勢湾台風による未曾有の高潮災害は海岸堤防の築造工法の確定を促すとともに高潮対策工法に大きな方向転換をもたらすことになりました。
 
■地盤沈下
地盤沈下  濃尾平野の地盤沈下は、昭和30〜40年代に著しく進行しました。
海抜0m以下の地域は274平方キロメートルにも及んでいます。
近年でも地盤沈下は停止したわけではなく、わずかな沈下量が記録されています。
地盤の沈下により、高潮堤防をはじめとする治水施設の機能が低下したり、低い平地の小河川の水の流れが悪くなったり、構造物が破損したり、さらに地下水の利用が規制されるなど、この地域の大きな社会問題となっています。
 

← 明治改修2 ↑ トップへ → 近年2
 
国土交通省 中部地方整備局 木曽川下流河川事務所
〒511-0002 三重県桑名市大字福島465  TEL:0594-24-5711(代表) FAX:0594-21-4061(代表)

copyright c 2013 国土交通省 中部地方整備局 木曽川下流河川事務所. all rights reserved.