河川改修の優先順位はどの様に決めているのですか。



◆治水事業の意義
 我が国は、欧米に比べて厳しい国土条件にあります。国土のほぼ中央を縦走している急峻な山地部に、台風や梅雨時に集中して雨が降るため、ひとたび大雨になれば大量の雨が一気に河川に流れ出し洪水が起こるからです。国土面積の約10%しかない洪水の氾濫する地域に、人口の約50%、資産の約75%が集中しているため、洪水被害も大きなものになります。昨年の東海豪雨では、約6,700億円に及ぶ甚大な被害が発生しました。このため、治水事業は、災害を防ぎ国民の生命と財産を守り、安全・安心な社会を構築する最も根幹的な社会資本整備なのです。

◆河川改修について
 河川改修は、「健康で豊かな生活環境と美しい自然環境の調和した安全で個性を育む活力ある社会の実現」に向けて、信頼感ある安全で安心できる国土の形成(安全)、自然と調和した健康な暮らしと健全な環境の創出(環境)、個性あふれる活力ある地域社会の形成(活力)を目標に実施しています。河川改修の優先順位については、流域及び氾濫域の状況(重要度)、洪水被害の状況、河道の流下能力、河川堤防の状況、地域からの要望、費用と効果などを総合的に考慮しながら定めているところです。また、同一河川内においては、下流側より順次実施することが原則となります。

◆河川整備の計画の策定方法
 河川整備は、平成9年の河川法の一部改正により、水系に係る総合的な保全と利用に関する長期的な基本方針や河川整備の基本となるべき事項を定める「河川整備基本方針」と、河川整備基本方針に沿った当面の河川整備の具体的な内容に関する事項を定める「河川整備計画」に基づき実施することになりました。「河川整備計画」の策定に際しては、治水、利水及び環境の調和のとれた河川整備を推進し、地域の実情に応じた河川整備を進めるため、関係地方公共団体の長や関係住民等の意見を反映する手続きを導入することになりました。この河川整備計画の策定プロセスにおいては、透明性を確保しつつ、治水事業の今後の見通しや効果をわかりやすく説明するように努めていきます。



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