はじめに

9月11日から12日にかけて東海地方を襲った集中豪雨は、愛知県下に大きな被害をもたらしました。
特に、名古屋市北部を庄内川に沿って流れる一級河川新川では、河口から16km上流地点の名古屋市西区地内で、左岸堤防が100mにわたり破堤しました。また、他の区域においてもポンプの排水能力を上回る洪水の流出により内水氾濫が発生し、沿川では氾濫面積19km2におよぶ深刻な浸水被害を出しました。この水害によって、約2万9千人の住民の方々が避難を強いられた他、18,000戸を超える住家が被災、事業所の浸水被害を加えると約6,700億円におよぶ甚大な被害となり、流域に深刻な傷跡を残しました。
これに対し、建設省中部地方建設局と愛知県 は、本年度から概ね5年間で総額610億円の緊急的な治水対策を「河川激甚災害対策特別緊急事業(『激特』)」により実施します。この対策により、庄内川と新川の一体的な整備を図り、再度、同様な降雨に見舞われても、洪水を安全に流下させるとともに、内水浸水被害を最小限にとどめます。

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