土砂災害を防ぐ~ 富士山スラッシュ雪崩に対する砂防施設の効果 ~

 平成27年4月20日、富士山大沢崩(おおさわくず)れからスラッシュ雪崩による土石流が発生しました。
土石流は、大沢崩(おおさわくず)れの下流にある扇状地(せんじょうち)に流れ出ましたが、富士砂防事務所で設置した砂防施設「大沢扇状地(おおさわせんじょうち)(第7上流床固工)上流」にて捕捉をし、その効果を発揮しました。
大沢扇状地 図

 気象状況 ※画像をクリックすると大きくなります。
4月20日大雨が発生したことと、南よりの風により気温が上昇したことから、大沢崩れでスラッシュ雪崩が発生し土石流となって流れ下りました。
20日の大沢川上流(御中道(おちゅうどう))では、午前11時過ぎ頃から雨が降り始め、午後3時には時間17mmを観測。降り終わりの21日午前3時の時点で累計129mmの降雨を観測しました。
一方、気温は、20日午前8時頃に4℃であったのに対し、スラッシュ雪崩発生時の午後5時過ぎは9℃であり、9時間で5℃上昇していました。

4月20日グラフ
 スラッ シュ発生時の対応経過 スラッシュ 雪崩とは
富士砂防事務所では、監視体制を強化しており、20日17時頃に土石流(スラッシュ雪崩)を監視カメラで確認しました。

4月20日
9:36
富士山南西   大雨注意報発令
10:21
富士五湖   なだれ注意報発令
監視カメラにより監視を開始
17:0
御中道雨量観測所にて連続雨量
50mm超過
土石流(スラッシュ雪崩)を確認
17:15
富士砂防事務所    注意態勢発令

スラッシュ雪崩とは、大量の水分を含んだ雪が山の斜面を下る雪崩のことで、下流へ下るにつれ周辺の土砂を巻き込み、土石流化するものです。
富士山に積雪があるとき、急激な気温上昇やまとまった雨が降った場合に発生しやすく、春先や冬のはじめに多く発生します。
また、富士山周辺では、このスラッシュ雪崩が雪代と呼ばれており、古くから恐れられている現象です。

平成19年3月 富士スカイライン被災状況


もどる ホーム つぎ FUJISABO 通信 平成27年11月27日 第95号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221