フォーカス 旬な現場 ~ 見えない場所でつくる大事なモノ ~

 富士砂防事務所で現在行っている工事は、主に大きく2つあります。富士山山麓の「砂防工事」と由比(ゆい)地区の「地すべり対策工事」です。
 これらの工事では、私たちの人命、財産を守る上でとても大事なモノをつくっていますが、工事期間中はもちろん、完成後も一般の方の目に留まることが少ない場所にあります。
 今回、「風祭(かざまつり)第1砂防えん堤工事」と「地すべり対策工事」にフォーカスをあてて、普段見ることのない工事を紹介します。

由比地区地すべり対策工事
1 深礎杭のコンクリート打設
コンクリートの杭 を作ることにより、地すべりにより移動しようとする斜面を押さえ込みます
 由比(ゆい)地区地すべり対策工事は、土の中にコンクリート杭を作る「深礎杭(しんそぐい)」やトンネル内での工事(「排水トンネル」、「集水ボーリング」など)があります。
現在、施工している工事は、全て土の中で行われている工事であり、普段、見る機会がありません。
 由比(ゆい)(サッタ峠)から望む景色は、歌川広重(うたがわひろしげ)の「東海道五十三次 由井(ゆい)(薩埵嶺(さったみね))」にも描かれるほどの絶景ですが、過去に地すべり災害が発生したことがあります。
今後、同様な地すべりが発生した場合、国道1号、東名高速、JR東海道本線といった東西を結ぶ重要交通網に大きな被害を与えてしまいます。
 そのため、平成17年度から、豪雨や地震に伴う大規模な地すべりによる災害を未然に防ぐため、地すべり対策事業を実施しています。

地すべり対策事業図
2 集水ボーリングの削孔
地下水が地すべりの原因となるため、トンネル内から穴を掘り、地すべり内の地下水を集めます。
3 ③排水トンネルの掘削

地すべりの原因となる地下水を排水するトンネル。 集水ボーリングにより集めた地下水を地表へ排水します。

もどる ホーム つぎ FUJISABO 通信 平成27年9月28日 第94号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221