ふじあざみ 第37号(1)
ふじあざみ タイトル
 
本栖湖より仰ぎ見る富士山

神秘の湖・本栖湖
■日本の高山植物
 富士山の高山植物の種類や分布状態は、まわりの南アルプスや北アルプスのものとは、だいぶ違っています。
 現在日本の高山で見られる高山植物は、約1万5000年前、ウルム氷期という氷河期に、平地で分布していたものです。当時の気候から、現在の南極や北極のように大地が氷河で覆われていました。やがて、地球の気候が暖かくなると、平地で繁栄していた植物は温度のより低い高地に逃れるようになったのです。
 ところが、日本の代表的な高山植物のほとんどは富士山では生育していません。
 富士山が現在の姿になったのは約1万年前のこと。植物が高山に逃れた後で、富士山では独自の高山植物が生育しました。したがって、他の高山植物と富士山の高山植物は生い立ちが異なります。特に富士山に多く見られる植物には「フジアザミ」、「フジイバラ」、「フジザクラ」、「フジマツ」など名前に「フジ」がつけられています。

■御中道を彩る自然
 富士山の中腹を、標高2,300m~2,900mの等高線に沿ってぐるりと一周する道を御中道といいます。(現在は崩落等のため、一周できません。)
 御中道の沿道では、荒れ地からの植物の遷移、足元の可憐な花々等、様々な自然が見られます。
 中でも、カラマツの林では、木漏れ日が多く、木々の間にはたくさんの下草が生えています。春から秋にかけては、その時々の彩りの花に出会えます。

ホーム次ページ