山梨県・静岡県・建設省富士砂防工事事務所では、富士山の火山防災の重要性から平成5年度から富士山火山砂防基本計画を検討してきました。
平成11年10月には富士宮市において、富士山周辺の山梨・静岡両県の関係市町村を対象に火山防災講習会を開催し、火山防災ハンドブックとその解説用ビデオを作成しました。
最近、有珠山・三宅島などで火山噴火による被害が続いている現状をふまえ、富士山の火山防災の重要性が再認識され、特に山梨県では地元富士吉田市長らの積極的な対応の動きがあり、山梨県では3月21日に防災ハンドブックを用い、市町村説明会を開催しました。天野知事は、防災計画書の見直しの推進や総合防災訓練の実施、さらに市町村や消防機関などを対象にした火山防災セミナーなどを開催することを表明しました。今年度は、11月に山梨県において、山梨、静岡両県と富士砂防工事事務所共催による富士山火山防災講習会を予定しています。
氏原建設監督官が「スコリア層侵食防止について」
発表し、優秀論文賞を受賞しました。
富士山は溶岩層と脆弱なスコリア層が互層になっています。平成11年度源頭部調査工事で、スコリア層の侵食を防止する試験工事を行いました。今年度の事業研究会で、昭和58年度に行った工法はコンクリートを打設するのみでしたが、昨年度は、1.現地材料を使う=運搬を減少2.モルタルの吹付=安全性を高める3.顔料を混入=景観に配慮、などの改善が図られました。これらをさらに比較検討を行い、当面
の改善点を指摘しました。
平成11年度スコリア層侵食防止工は、運搬の軽減や安全性の確保など評価が得られました。現地は落石・土石流の恐れ、急勾配が狭あいな上、巨礫が多数存在し、厳しい条件下にあり、より一層安全性を高めるために、作業の機械化・遠隔化に取り組んでいます。また、洗掘穴埋込工、斜面
の安全対策、なども実施する予定です。(写真は平成10年度に用いた遠隔化可能な小型バックホー)