【特集】 熱海市逢初川の国交省緊急砂防事業における
無人化施工とデジタル技術の活用

■無人化施工とデジタル技術の活用

 工事現場となる逢初川では、不安定な土砂がいつ流出するか分からない中での作業となります。
 そこで、安全対策として無人化施工を採用するとともに、デジタル技術を積極的に活用しました。

無人化施工

 既設堰堤に堆積した土砂の撤去作業にあたり、作業員の安全を確保するため、バックホウを遠隔操作して土砂撤去を行いました。また、当初は既設堰堤への道路が通れなかったため、ヘリコプターでバックホウを搬入し、掘削した土砂もヘリコプターで搬出しました。
無人化バックホウによる既設砂防堰堤の除石作業 無人化バックホウによる
既設砂防堰堤の除石作業

デジタル技術の活用

 まず現場全域の電気通信基盤を整備の上、クラウドカメラを複数台設置し、昼夜作業時の安全確認や、工事進捗等がパソコン・スマホなどでいつでもわかるようにしました。これにより、作業員の安全意識の向上が期待できるとともに、豪雨で危険な際でも遠隔で現場確認ができます。
 次に、GNSS※1を内蔵した専用デバイスを使用し建設機械や工事関係者の位置や稼働状況を、タブレットや PCの専用アプリをもとにデジタルツイン※2で可視化することにより、受発注者および他の工事関係者が現場内の稼働状況を、リアルタイムで共有する事が可能になるととも に、緊急時の迅速な避難誘導を可能としました。
無人化バックホウによる既設砂防堰堤の除石作業 クラウドカメラ

※1 Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム

※2 デジタルツイン:点群データなど膨大な情報をもとに、現実の世界をコンピュータ上で再構築する技術のこと
本現場におけるデジタル技術活用システムは受注者の大成建設(株)が開発

重機・作業員等稼働状況の可視化重機・作業員等稼働状況の可視化クラウドカメラによる現場状況の把握クラウドカメラによる現場状況の把握
令和4年度内の完成を目指し、地域の一日も早い安全・安心のため、今後とも整備を進めてまいりますので、
引き続きご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、最新の工事状況はこちらからご覧いただけます。
重機・作業員等稼働状況の可視化
 
もどる ホーム つぎ FUJISABO通信 令和4年10月 第123号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221