【特集】土石流の被害を防ぐ
〜富士山 スラッシュ雪崩に対する大沢川遊砂地の効果〜

今回の降雨で捕捉した土砂の量

 土石流発生後の3月22日から26日にかけてドローンを活用した計測を行い土石流の堆積状況を調査しました。 今回の出水で大沢川遊砂地で捕捉した土砂量は約47万m3※となりました。この土砂量は扇状地を設置して以降1回の降雨による土砂捕捉量としては過去最大です。

※この値は速報値であり今後詳細な調査を行い、最終的な数値を算出します。

ドローンによる写真撮影

大沢川遊砂地の体積状況図

■スラッシュ雪崩とは

 スラッシュ雪崩とは、大量の水分を含んだ雪が山の斜面を下る雪崩のことで、下流に下るにつれ周りの土砂を巻き込み、土石流化するものです。富士山では積雪があるとき急激な気温上昇やまとまった雨が降った場合に発生しやすく、春先や冬の初めに多く発生します。また、富士山周辺では、このスラッシュ雪崩が雪代と呼ばれており、古くから恐れられています。

スラッシュ雪崩のイメージ

 上は、富士山の源頭部の様子です。降雨前と後では、雪が溶けているのが分かります。このことから降雨以上の水量が富士山を流下し、今回の最大規模のスラッシュ雪崩発生の要因となったと考えられます。


もどる ホーム つぎ FUJISABO通信 令和3年8月 第118号
発行:国土交通省中部地方整備局 富士砂防事務所
静岡県富士宮市三園平1100 電話 0544-27-5221