矢作ダムの異常出水対応

 矢作ダムの上流域では、9月11日未明から400mmを越す大量の大雨が降り続き、流域の多くの観測所で日雨量が過去最高を記録しました。
 矢作ダムでは、ダムへの流入量が基本高水の最大流量である2,300m³/sを上回る最大3,218m³/sの出水となり、ダム貯水量が洪水調節の限界に達しました。このため、管理を始めて以来初の非常用ゲート操作で流入量を超えない範囲で下流に放流しました。
 また、矢作ダムには大量の水とともに約280万m³の土砂や、約3万5千m³の流木が流れ込みました。これらを、ダム内にとどめることで下流への被害を少なくしました。
●矢作ダム
昭和46 年に完成したアーチ式コンクリートダム。洪水調節と農業用水・水道・工業用水、発電に必要な水を供給する多目的ダムで、高さ100.0m、長さ323.1m、総貯水容量は約8,000万m³。堤体の曲線に放物線の形状を日本で初めて採用したダムとして知られています。
●矢作ダム最大流入量
●矢作ダム洪水調節図

 土砂及び流木の流出
 異常な洪水は、山崩れや河床の土砂を運び、矢作ダムに約280万m³の土砂を堆積させました。この量は、ダム管理を始めて以来最大のものとなりました。
 また、山崩れなどによって倒れた木が流木となって矢作ダムに堆積しました。
●矢作ダム貯水池堆砂量の経年変化


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