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流域オンライン


地域と連携した活動システムが継続の秘けつ
 「“この河合でもホタルが見れなくなってきた”“昔の環境に少しずつでも戻していこう”と、当時、天然記念物に指定されていた美合町から幼虫を分けてもらい飼育をスタートしたのが昭和41年です。しかし、ホタル飼育に関する知識や技術など全くなく、分けてもらった幼虫は10日間程で全滅。最初は失敗の連続だったようです」
 飼育が軌道にのった5年後ぐらいから、1〜1・5センチ程まで育てた幼虫を近くの男川、乙川(両方『おとがわ』と呼びます)へ毎年交互に放流し続けています。
 「飼育を始めた後、しばらくして各支川などに自然発生的に保存会ができ、学校では飼育と放流まで、その後は各地区の保存会で育てていくという“システム”が生まれてきました。
 天然記念物の指定は全国で3番目ですが、すでに先の2箇所はホタルの発生が見られず、現在ではホタルの棲む一番古い指定地がこの河合地区。学校の活動だけに止まらず、地域との『連携』があったからこそ、ここまで活動を続けることができたのでしょうね」
ホタルのエサになるカワニナの飼育、家庭排水をなるべく流さないようにすること、学区内全戸がホタルの『保存会員』となるなど、河合中学校から始まったホタルの保存活動は、地域ぐるみの活動として広がり、根付いています。

少子化で現在活動メンバーは3名
 「部活動のひとつですから、今までは卒業までまったくホタルの世話をしない生徒も正直いました。でも、せっかく河合中学校に来たのにホタルのことを何も知らないではもったいない。今年度(平成17年度)から、1年生は1週間ずつ交代で全員ホタルの世話を経験しています。また、自宅近く、すぐ目の前の川にホタルがいるかどうかも知らない生徒も大勢いた。当たり前のことで気にもとめないのでしょう。これも今年度から、全校生徒に数取器を持たせてホタルの数を数えています」
“ホタル、ホタルと騒いでいるけど本当にたくさんいた”と再認識する子供もいたようです。
 「冬は水が冷たくて大変。でもみんなと一緒だから楽しい」
ご多分にもれず少子化による生徒数減少が悩みの河合中学校。3年生が卒業し現在の活動メンバーは3名です。もっと楽しい活動になるよう4月にはたくさんの新部員が集まると良いですね。

自然科学部が飼育を担当
現在メンバーは3名。放課後の部活動として幼虫の飼育、川の水質調査などを行っています。写真は水換え作業。筒の中で幼虫は育てられています。
エサのカワニナも飼育
エサになるカワニナもこのプールで育てています。毎年9月には『供養の会』も行っています。
手作り看板でホタル愛護をPR
ホタルの飛翔時期を控えた5月には、ホタル愛護を呼び掛ける手作り看板を設置しています。
岡崎市立河合中学校
TEL.0564-47-2012

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