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流域オンライン


 岡崎市内、国道1号近くの矢作川右岸河川敷には、毎年春、目を見張るような大きさの『砂の彫刻』が出現し、人々の目を楽しませています。
 矢作川の自然を活用し、砂で大芸術を制作しているのは岡崎市立矢作中学校の生徒たち。『アースワーク』と呼ばれるこの芸術活動は、昭和44年から始まり、現在まで36年間続けられています。

アースワークはクラスの協調性や団結を図る場
 現在、矢作中学校の生徒数は752名。アースワークは全生徒が参加して行われています。春休みの宿題で描いたアイデアスケッチを1クラス4点ほど選び、グループに分かれて制作。今年は80点の作品が制作されました。
「授業の美術は苦手だけど、みんなと一緒にひとつの作品を創っていくことが楽しい」。
「力の強い男子生徒はシャベルなどで砂を盛り上げ、女子生徒は細かい作業をと分担は自然に決まっていきます」。
アースワークは新しいクラスになって初めて行う共同作業。協調性や団結を図る場としても活かされているのだそうです。

環境保全の心を育成
 作品を制作した後に、河川敷のゴミ拾いを行っている生徒たち。アースワークを行うもう一つの目的は、『矢作川を身近に感じることから、自然を愛し、環境を保護する心を育成する』ことにあるのだそうです。
 親から子へとすでに世代を越えて行われ、砂だらけで学校から帰ると『今日、アースワークだったの?』と、近所の人が声を掛けてくれるほど地域に定着したアースワーク。『魅力的な芸術を作り出す生徒たちの創造力』とともに、『矢作川の美化活動に汗を流す生徒たちの姿』が地域の大きな共感を得たことに、36年間活動を続けることのできた大きな理由があるのかもしれません。
 作品は、そのまま河川敷に残され、川の水や風雨が元の砂地に戻すまで見ることができます。まさに文字通りのアースワーク。生徒たちの力作、一見の価値有りですよ。

制作の終わった後の、こんな遊びもアースワークの楽しみのひとつ。 今回お話をうかがった、畔柳とも子先生(左)、神谷昌憲君(中央)、竹口一也君(右)


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