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参考資料−2




 

第2回矢作川流域委員会資料
参考資料−2
 
 

矢作川流域委員会 用語集

平成15年9月29日
 


【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】

【あ】

愛知高原国定公園 あいちこうげんこくていこうえん
 愛知高原国定公園は、昭和44年に構想された、東海自然歩道を骨格として当時の7つの県立自然公園(入鹿池(いるかいけ)道樹山定光寺(どうじゅやまじょうこうじ)猿投山岩屋堂(さなげやまいわやどう)、奥矢作及び加茂(かも)本宮山(ほんぐうさん)及び段戸高原(だんどこうげん)の一部)を取り入れて昭和45年に指定された。
 この公園は、木曽山地の南端に位置し、愛知県北部の山岳地帯である三河山地の一部と、その西に連なる三河高原及び尾張北東部にある愛岐丘陵南部を含めた高原景観と、矢作川上流部及びその支流の巴川(ともえがわ)を含めた地域の河川景観が大きな特色となっている。
 
アースワーク
 矢作川の砂と広い河原を利用して、地元中学校により毎年5月に行われている「砂の芸術」(砂の造形)で、1969年に始まる。
 
網状河川 あみじょうかせん
 砂州が発達し、川の流れが網の目状の流れをしている河川。
 
一級河川 いっきゅうかせん
 国土保全上または国民経済上特に重要な水系で、政令で指定したものに関わる河川で国土交通大臣が指定したもの。一級河川の管理は原則として国土交通大臣が行うが、国土交通大臣があらかじめ都道府県知事の意見を聞いた上で指定する区間については、都道府県知事に管理の一部を行わせることとしている。
 
岩津発電所 いわづはつでんしょ
 矢作川水系の水を発電用として最初に利用された発電所。矢作川支川巴川(ともえがわ)に流入する郡界川(ぐんかいがわ)の水を利用した発電で、最大出力130kWである。中部地方最初の水力発電でもある。
 
右岸・左岸 うがん・さがん
 河川を上流から下流に向かって眺めたとき、右側を右岸、左側を左岸と呼ぶ。
 
鵜の首狭窄部 うのくびきょうさくぶ
 明治用水頭首工より約2km上流、河口から37km付近に位置し、両岸ともに丘陵地となっている狭窄部である。
 
SS(浮遊物) えすえす(ふゆうぶつ)
 粒径2mm以下の、水に溶けない懸濁性の物質をいう。SS(suspended solids)又は懸濁物質といわれている。水中に浮遊する不溶性の物質は単に水質汚濁の因となるだけでなく、河川に汚泥床を形成したり、また浮遊物が有機質の場合腐敗し、水中の溶存酸素を消費する。
 
越水 えっすい
 増水した河川の水が堤防の高さを越えて溢れ出す状態のこと。溢れた水が堤防の裏法を削り、破堤を引き起こすことがある。
 
塩害 えんがい
 塩水侵入や潮風のために作物・施設などが受ける被害。
 
塩水そ上 えんすいそじょう
 塩分を含んだ水が、流れを遡っていくこと。
 
岡崎市水道 おかざきしすいどう
 昭和8年に岡崎市街の飲料水として利用するためにつくられた。矢作川の水を飲料水として用いることになった始まりである。
 
乙川頭首工 おとがわとうしゅこう
 農業用水を安定して送るため、乙川下流部に昭和48年完成。堰上高3.1m,堤長 61.0m,農業用水として9.81m3/sの取水が行われている。

【か】

開発水量 かいはつすいりょう
 水資源開発によって新たに利用可能となる量。
 
確率規模 かくりつきぼ
 洪水が生起する確率の大きさをいう。例えば、50年に1度の割合で生起する場合は、確率1/50,100年に1度は1/100年など。
 
花崗岩 かこうがん
 石英(せきえい)正長石(せいちょうせき)斜長石(しゃちょうせき)雲母(うんも)などを主成分とする岩石。完晶質粒状の組織をなし、質が堅牢・美麗なので、建築・土木用材として商用、また、分解したものは陶器製造の材料。御影石(みかげいし),グラニットなど。
 
河川環境 かせんかんきょう
 河川に関わるすべての環境をいい、[1]河川の自然環境(河川の流水に生息・繁茂する水生動植物、流水を囲む水辺等に生息・繁茂する陸生動植物の多様な生態系)及び[2]河川と人との関わりにおける生活環境(流水の水質(底質を含む)、河川にかかる緑の景観、河川空間のアメニティ等)をいう。
 
河川環境管理基本計画 かせんかんきょうかんりきほんけいかく
 河川環境の保全と創造に関わる施策を総合的かつ計画的に実施するための基本事項を定めた管理の基本計画。水環境の管理と河川空間の管理から構成される。
 
河川管理 かせんかんり
 河川について洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、及び流水の正常な機能が維持されるとともに河川環境の整備と保全を行うための河川についての総合的な管理。国土の保全と開発に寄与し、公共の安全を保持し、かつ公共の福祉を増進することを目的とする。具体的には河川台帳の調整保管、河川工事、河川管理施設の操作等の事実行為、河川区域等の指定、河川使用および河川に関する規制、費用負担命令、公共負担等の行政処分等、河川の保全および改良ならびにこれらに付随して行われるいっさいの行為を言う。
 
河川管理施設 かせんかんりしせつ
 「河川管理施設」とは、ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯(堤防又はダム貯水池に沿つて設置された国土交通省令で定める帯状の樹林で堤防又はダム貯水池の治水上又は利水上の機能を維持し、又は増進する効用を有するものをいう。)その他河川の流水によって生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし、河川管理者以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて河川管理者が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。
 
河川空間管理計画 かせんくうかんかんりけいかく
 河川環境管理基本計画に基づき、河川空間の保全と利用が地域社会の重要な課題となっている地域における河川への多様な要望に応えるべく、治水・利水等河川機能に関する歴史的経緯を踏まえ、また、地域社会の意向や将来動向に基づく長期的視野から策定したもの。河川空間管理計画は、河川空間の管理方針を示す「河川空間配置計画」と河川空間の整備方針を示す「施設整備計画」から構成されるものである。
 
河川整備基本方針 かせんせいびきほんほうしん
 河川法第16条に基づき、河川管理者がその管理する河川について、計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持についての基本となるべき方針に関する事項について定めたもの。一級河川は社会資本整備審議会の意見を聞いて国土交通大臣が、二級河川は当該都道府県知事が総括する都道府県に都道府県河川審議会が置かれているときには当該都道府県河川審議会の意見を聞いて都道府県知事が、水系毎に定めることになっている。また、河川管理者は、河川整備基本方針を定めたときは遅滞なくこれを公表しなければならない。
 
河川整備計画 かせんせいびけいかく
 河川法第16条の2に基づき、河川整備基本方針に沿って、計画的に河川の整備を実施すべき区間について、ダム、堤防等の具体的な河川工事、河川の維持の内容に関する事項について定めたもの。河川整備基本方針が長期的な方針について定めるものであるのに対して、河川整備計画は当面の具体的な河川整備の計画について定めるものである。策定手続きとして、学識経験者の意見聴取、公聴会の開催等関係住民の意見の反映、地方公共団体の長の意見聴取が河川法に定められている。また、河川管理者は、河川整備計画を定めたときは遅滞なくこれを公表しなければならない。
 
河川水辺の国勢調査 かせんみずべのこくせいちょうさ
 環境の観点から捉えた河川に関する基礎情報を収集、整備するための定期的、継続的な調査。河川の瀬と淵等の河川調査、河川内の魚介類や植物、鳥類等の生物調査及び河川空間の利用者数などの河川空間利用実態調査から構成される。
 
渇水 かっすい
 一般的には、水資源としての河川の流量が減少あるいは枯渇した状態。自然現象としては、流域の降水量が相当程度の期間にわたって継続して少なくなり、河川への流出量が減少したため、河川の流量が水資源開発施設により確保すべき流量より少ない流量が継続する状態。従来、概ね10年に1回程度発生すると想定される規模の渇水を対象に、安定した取水を行えるよう水資源開発施設が計画されている。
 
河道 かどう
 地表に降った雨水が重力の作用のもとに主として河床の摩擦抵抗を受けながら集中して流下する部分。地形学的に山地河道、扇状地河道、中間地河道、デルタ河道に分類される。
 
河道計画 かどうけいかく
 決められた流量(計画高水流量)を安全に流下させ、かつ河床変動の少ない安定した河道の維持・形成を計画すること。
 
河道浚渫 かどうしゅんせつ
 河川の川底に堆積したゴミ,土砂,底泥などをさらい、元来の深さを維持するのがもともとの意味。近年ではさらに深くするために掘り下げる作業(水中掘削)であっても、それが水中で行われる場合には、浚渫船をはじめ送泥用ポンプなど種々の浚渫機械を用いて行われるので、浚渫といわれる。
 
河道整備 かどうせいび
 洪水時に流水を円滑に低下させるために行う高水敷や低水路河床、堤防・低水路法線の整正や草木の伐採、張芝等のこと。また、河川環境整備の一つとして行う環境護岸、高水敷、せせらぎ水路、散策路等の整備のこと。
 
河畔林 かはんりん
 河川に沿って存在する帯状の樹木群。近年、洪水時の越水による洗堀の防止及び氾濫流による破堤部の拡大の防止等、災害の発生を防止・軽減する効果が注目されている。
 
上矢作ダム かみやはぎだむ
 洪水調節と流水の正常な機能の維持、及び発電の目的を持つ多目的ダムとして、平成5年から実施計画調査に着手した。
 
川表・川裏 かわおもて・かわうら
 堤防を境にして、水が流れている方を川表、住居や農地などがある方を川裏と呼ぶ。
 
川と海のクリーン大作戦 かわとうみのくりーんだいさくせん
 平成11年の集中豪雨により出水した長良川において、NPOの自主的活動として高水敷を清掃したことに始まり、平成13年は木曽3川、三重4川、庄内川において取り組まれ、平成14年は、矢作川、豊川まで範囲を広げ、10月27日を中心に豊川7箇所、矢作川33箇所、海岸1箇所で実施。豊橋河川事務所管内だけでも延べ7,500人が参加した。
 平成15年は10月26日の日曜日を基準日とし、昨年を上回る約10,000人の参加者を予定し取り組んでいる。
 
川の通信簿 かわのつうしんぼ
 河川空間の親しみやすさを、市民との共同作業によるアンケート調査により評価するとともに、その結果から、良い点・悪い点を把握し、河川整備や日常の維持管理に反映し、良好な河川空間の保全、整備を図っていくための基礎資料とするものである。
 
かんがい用水 かんがいようすい
 農作物を生育させるために必要な水が自然の降雨だけでは不足する場合、人為的に河川、湖沼(こしょう)湧水(ゆうすい)等から水を引いてきて農地に供給することを「かんがい」といい、その引いてきた水を「かんがい用水」という。
 
環境基準 かんきょうきじゅん
 環境基本法(1993年制定)に基づき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準として、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に関する環境上の条件についてそれぞれ環境基準を定めることになっており、矢作川水系においても水質の汚濁に関わる基準が定められている。
 
慣行水利 かんこうすいり
 旧河川法の制定前あるいは河川法指定前から、長期にわたり継続、かつ反復して水を利用してきたという事実があって、その排他的支配が社会通念によって承認されて権利化したものをいう。主にかんがい用水であるが、飲水使用等にもある。
 
幹川流路延長 かんせんりゅうろえんちょう
 河川の本川(流)の長さをいい、水源から河口に至るまでの総延長。矢作川の幹線流路延長は117km。
 
基準地点 きじゅんちてん
 氾濫区域ににおける人口及び資産の分布を考慮し、その水系において最も重要な市街地等の直上流もしくはその近傍に設定する治水計画の目標となる流量を定める地点。その基準地点における計画規模に対応する確率流量をそのピーク値とする洪水ハイドログラフを基本高水とする。矢作川では岩津が基準地点とされている。
 
汽水域 きすいいき
 海水と淡水の混合によって生じた低塩分の海水がある区域。
 
基本高水流量 きほんこうすいりゅうりょう
 洪水処理計画を策定する上で基本となるハイドログラフを基本高水といい、計画規模に対応した計画降雨もしくは計画流量を基に、既往洪水、計画対象施設の性質等を総合的に考慮して決定される。なお、基準地点における基本高水のピーク流量を基本高水流量という。矢作川水系では、昭和49年3月策定の工事実施基本計画において、基準地点岩津における基本高水流量を8,100m3/sと定めている。
 
供給土砂 きょうきゅうどしゃ
 山地部等の土砂が、河川や海に流れ込むこと。
 
許可水利権 きょかすいりけん
 河川法第23条において、「河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。」とされており、この規定により許可された流水の占用の権利を許可水利権という。
 
計画横断形 けいかくおうだんけい
 計画高水流量が流下できるように定められる計画河道の基本的な横断面形状。小河川や扇状地河川では単断面が、大河川では複断面が選ばれることが多い。
 
計画規模 けいかくきぼ
 洪水を防ぐための計画を作成する時、対象となる地域の洪水に対する安全の度合い(治水安全度と呼ぶ)を表すもので、この計画の目標とする値である。計画の規模は、一般的には、計画降雨の年超過確率で評価し、その決定にあたっては、河川の重要度を重視するとともに、既往洪水による被害の実態、経済効果等を総合的に考慮して定めている。大臣管理区間においては100年〜200年に1度の割合で発生する降雨量を目標に整備される。
 
計画高水位 けいかくこうすいい
 治水計画で基本となる洪水の水位であり、既往の災害の実績等から河川毎に定められており、計画高水流量をこの水位以下で流すことができるよう河道計画を策定する。ハイ・ウォター(・レベル)ということもある。図面上で、H.W.LまたはP.H.W.Lと表示される。
 
計画高水流量 けいかくこうすいりゅうりょう
 洪水処理計画のための河川改修計画を立てる際に基礎とする流量であり、基本高水流量を地形条件、他の目的との調整、経済便益等を配慮しながら、洪水調節施設等に配分した後の河道で流すべき計画流量をいう。
 
黒田ダム くろだだむ
 名倉川(なぐらかわ)の支川黒田川(くろだかわ)北設楽郡稲武町(きたしたらぐんいなぶちょう))に設置された奥矢作揚水発電(おくやはぎようすいはつでん)の上池として使用されている。矢作ダム貯水池と管路で結び、標高差約600mの間に中間調整池を介して奥矢作第一,第二発電所を設けた、我が国初の2段式揚水発電である。
 
県管理区間 けんかんりくかん
 一級水系以外の水系で、公共の利害に重要な関係がある河川を知事が二級河川として指定し、その指定をされた区間を県管理区間という。
 
工業用水 こうぎょうようすい
 製品の製造、加工等のために使用される水。冷却水、製品処理・洗浄用水、温調用水、ボイラー用水、原料用水等が含まれる。
 
工事実施基本計画 こうじじっしきほんけいかく
 昭和39年に制定された河川法に基づき、各水系毎に決定された計画。平成9年の河川法改正により「河川整備基本方針」と「河川整備計画」を定めることに改められた。
 
高水敷 こうすいじき
 低水時と高水時の流路を分けている複断面河道において、大雨等による高水時のみ流水が流れる部分。低水と高水の差が大きい我が国の河川によく採用されている。
 
洪水調節 こうずいちょうせつ
 ダム、湖沼、遊水池(ゆうすいち)などによって洪水を計画的に貯留し、洪水流量を低減させる洪水処理方式である。ダム等による洪水調節方式は、堤防、河道拡幅(かわどうかくふく)河道浚渫(かわどうしゅんせつ)等の河道改修方式が洪水疎通能力(こうずいそつうのうりょく)を高めることを目的にするのに対し、ダム等に洪水を一時的に貯留して流量を低減させるという点で対照的な洪水処理方式である。我が国の河川は一般的に勾配が急で、洪水時には急激に流量が増大するが、ピーク時の流量は短時間しか続かず、ピーク時の総流量は比較的少ないことが多い。このためピーク時の流量をダムに貯留することにより、比較的少ない洪水調節容量で大きな洪水流量低減効果が得られるので、河道改修方式と組み合わせることにより有効な洪水処理方式となる。
 
洪水吐き こうずいばき
 ダムに流入した洪水流量を調節してダム下流の河道に流下させるため、ダムに設けられる放流設備である。
 
洪水予報(警報) こうずいよほう(けいほう)
 大雨などにより災害が発生する恐れがある場合に出されるもので、気象台から発表される洪水予報と、国土交通省または都道府県と気象台が共同して発表する洪水予警報がある。
 
黄金堤 こがねづつみ
 広田川(こうたかわ)等の氾濫が丘陵の間を通って吉良町へ流入するのを防ぐ目的で、吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)が、吉良町瀬戸〜岡山間に長さ182m、高さ4mの堤防を築いた。
 
護岸 ごがん
 河川を流れる水の作用(浸食作用など)から河岸や堤防を守るために、それらの表法面(おもてのりめん)(川を流れる水があたる堤防などの斜面)に設けられる施設で、コンクリートなど覆うような構造の物。ブロックや自然石を張ったり、(じゃ)かごや布団(ふとん)かごを設置する。
 
越戸ダム こしどだむ
 豊田市平戸橋町(ひらとばしちょう)に昭和4年に建設された越戸発電所のためのダム。周辺は勘八狭(かんぱちきょう)と呼ばれ市内有数の景勝地である。越戸発電所は最高出力9,200kWで現在も稼動している。
 
痕跡水位 こんせきすいい
 洪水発生時に、河川内や浸水が起きたところに残る洪水の形跡。

【さ】

西郷弾正左衛門による築堤 さいごうだんざえもんによるちくてい
 亨徳年代(1452〜1455)に岡崎城築城のため、城西の矢作川を部分的に築堤した。
 
砂州 さす
 河川、河口あるいは、砂浜海岸等で砂や砂れきが集まり高くなった場所。
 
猿投山 さなげやま
 豊田市の北端瀬戸市との境にある標高629mの山で、美濃三河高原の一部をなし、岐阜県三国山(みくにやま)(701m)とは尾根続きとなっている。
 
サーチャージ水位 さーちゃーじすいい
 ダムの計画において、洪水時にダムによって一時的に貯留することとした流水の最高水位。
 
COD(化学的酸素要求量) しーおーでぃー(かがくてきさんそようきゅうりょう)
 海域や湖沼の水質を表す代表的な指標。酸化剤(過マンガン酸カリュウム)を用いて水中の有機物を酸化分解する際に消費される酸素の量をmg/リットルで表したもの。CODの値が大きいほど、水質の汚濁が進んでいることを意味する。
 
地震防災対策強化地域 じしんぼうさいたいさくきょうかちいき
 大震法は「大地震発生で著しい災害が生じるおそれがあり、事前に防災対策を強化する必要がある地域」を指定することになっている。政府の中央防災会議が専門委員会を設けて検討し、昭和54年(1979年)に「東海地震」で激しい揺れに見舞われたり、津波被害の恐れがあると推定される地域を指定した。指定地域は静岡県全域と、山梨、神奈川、長野、岐阜、愛知県の一部の合わせて6県167市町村。
 
自然調節方式 しぜんちょうせつほうしき
 ダムによる洪水調節の方式であり、人為的な操作を伴わないもの。一般には、調節ゲートのない放流管または越流堤により放流量が規定され、洪水調節が自然に行われる。一定率一定量調節方式とともにもっとも一般的な洪水調節方式である。
 
枝下用水 しだれようすい
 越戸ダムから取水し、豊田市を中心とした農地約2,400haをかんがいしている。明治用水に次いで明治23年に完成。
 
取水制限 しゅすいせいげん
1.水利使用の許可の条件の一つであり、河川の流量が正常流量その他基準地点における一定
  流量(取水制限流量という)を越える場合のみ、その超える部分の範囲内において取水できる
  旨の制限を加えることをいう。
2.渇水時において、関係利水者間の調整等に基づき、河川からの取水量を減少させることをいう。
 
樹林帯 じゅりんたい
 河川あるいはダム貯水池に沿って存在する帯状の樹木群(河畔林(かはんりん)、ダム湖畔林(こはんりん))のうち、堤防の破堤の防止や氾濫被害軽減の機能、あるいはダム貯水池の堆砂(たいしゃ)の防止や貯留水の汚濁の防止の機能をもつ河川管理施設。
 
常時満水位 じょうじまんすいい
 ダムの計画において、非洪水時に貯留することとした流水の最高の水位。
 
浸水 しんすい
 水が入りこむこと。水に浸ること。また、その水。
 
浸水想定区域図 しんすいそうていくいきず
 浸水想定区域図は、国土交通省が管理する区間において、河川改修の長期的整備目標
である計画規模(矢作川では1/150)の洪水が到来し、堤防が破堤(概ね2〜3kmに1箇所)した場合の洪水はん濫状況(想定される浸水区域・想定される浸水深)を表示したもの。平成13年に改正された水防法の規定に基づき、浸水想定区域図を関係する市町村に通知するとされており、市町村は、地域防災計画の見直しや洪水ハザードマップの作成・公表・普及を行う。
 
水系 すいけい
 同じ流域内にある本川、支川、派川及びこれらに関連する湖沼を総称して「水系」という。その名称は本川名をとって「矢作川水系」などという呼び方が用いられている。
 
水質 すいしつ
 種々な目的に利用するための適合性の判定の基礎としての水の性質。物理的、科学的、生物学的及び細菌学的な性質を表す種々な指標によって評価する。水利用の適否、人間の健康への影響、生態系への影響は水質により定まるので、環境基準及び排水基準が設けられている。
 
水衝部 すいしょうぶ
 河道が湾曲しているところで、特に水の流れが激しく衝突する部分。
 
水制 すいせい
 普段の川筋(低水路)を安定させることや、洪水時に流水を川岸や堤防に衝突しないように川の中央部に追いやり、堤防沿いに土砂を沈殿させて高水敷きを造成することなどを目的に、川岸・堤防から川の中心部に向けて突出させて設けられる工作物。河道法線に平行な水制を縦工、直角なものを横工という。
 
水道用水 すいどうようすい
 水道用水は、飲料水、入浴、洗濯等の生活用水。事務所、商業施設、病院、公共施設等の都市活動で使用される。都市活動用水も水道用水に含まれる。
 
水防活動 すいぼうかつどう
 川が大雨により増水した場合、堤防の状態を見回り、堤防などに危険なところが見つかれば、壊れないうちに杭を打ったり土のうを積んだりして堤防を守り、被害を未然に防止・軽減する必要がある。このような、河川などの巡視、土のう積みなどの活動を水防活動という。
 水防に関しては、「水防法」(昭和24年制定施行)で国、県、市町村、住民の役割が決められており、その中で、市町村はその区域における水防を十分に果たす責任があるとされている。
 
水防警報 すいぼうけいほう
 水防警報は、国土交通大臣または都道府県知事が、水防管理団体の水防活動に対して、待機、準備、出動などの指示を与えることを目的して発令されるもので、関係機関に通知される。
 水防警報は、川ごとにあらかじめ決めておいた水位観測所(水防警報対象水位観測所)の水位に対して、指定水位、警戒水位、計画高水位など水防活動の目安となるような水位を決めておき、川の水かさがその水位あるいは水位近くまで上昇すると発令される。
 
水利権 すいりけん
 水を使用する権利。歴史的、社会的に発生した権利であり、現在では、河川法第23条で河川の流水の占用権を国土交通省令によって認められたものを許可水利権といい、それ以前において認められていたものは慣行水利権という。用水権、水利使用権、流水使用権、流水占用権ともいう。
 
瀬 せ
 河床の浅瀬、とくに砂利・砂が堆積して浅くなり歩いて渡れるような場所をいう。
 
制限流量 せいいげんりゅうりょう
 水利使用許可条件の一つであり、河川からの取水やダムへの貯留により、その地点より下流の河川環境の保全や他の水利使用に支障を与えないよう設定する流量。
 河川からの取水やダムへの貯留においては、河川流量がこの制限流量を超える場合のみ、その超える範囲内において取水や貯留ができ、取水量が不足する分はダム等の施設から補給を受ける必要がある。
 
正常流量 セイジョウリュウリョウ
 正常流量とは、河川の流水の正常な機能を維持するために必要な流量のことであり、舟運、漁業、景観、塩害防止、河口閉塞(かこうへいそく)防止、河川管理施設の保護、地下水位の維持、動植物の保護、流水の清潔の保持等を総合的に考慮し、渇水時において維持すべきであるとして定められた流量(河川維持流量)およびそれが定められた地点より下流における流水の占用のために必要な流量の双方を満足する流量であって、適正な河川管理のために定めるものをいう。
 
洗掘 せんくつ
 激しい川の流れや波浪などにより、堤防の表法面(おもてのりめん)の土が削り取られる状態のこと。削られた箇所がどんどん広がると破堤を引き起こすことがある。
 
潜在自然植生 せんざいしぜんしょくせい
 現存植生・原植生に対する新しい第三の植生概念。今、人間の影響を一切停止したとき、その立地に生じると判定される自然植生。
 
扇状地 せんじょうち
 河川が山間部から平野部に出る場所に形成されるもので、谷の出口を扇頂(頂点)として扇状に発達する。主に砂礫からなる半円錐形の堆積地形。砂礫円錐ともいう。

【た】

大規模地震対策特別措置法 だいきぼじしんたいさくとくべつそちほう
 世界で初めて大規模地震の予知を前提に、その対応を中心に据えた法律。昭和53年(1978年)6月に公布された。事前に対策強化地域を指定して予知観測態勢の強化と防災体制の整備を進め、首相が「警戒宣言」を発した場合はあらかじめ計画した応急対策を関係機関が一斉に実施して、被害の軽減を図ることを目的としている。
 
堆砂 たいしゃ
 自然の河川では土砂も水の流れに伴って流送されているが、ダムや堰によって貯留堆積されることとなった土砂を堆砂という。ただし、ダム管理上「堆砂量」という場合、総貯水容量内に堆積したもののみを特に指す場合がある。ダムの建設にあっては、通常100年間の堆砂量を予測し、あらかじめダム計画の中に組み込んでいる。
 
代償植物(植生) だいしょうしょくぶつ(しょくせい)
 人間の影響によって、立地本来の自然植生が様々な人為植生に置き代わったもの。
   例:路上のオオバコ群落、耕作畑のニシキソウ、カラスビシャク群集など。
 
大臣管理区間 だいじんかんりくかん
 河川の状況を踏まえ、洪水氾濫が発生した場合の資産の被害等や水の利用面等、国土保全上または、国民経済上、特に重要であると判断された区間を国土交通大臣が管理することとしている。
 
高潮(堤防) たかしお(ていぼう)
 高潮とは、強風や気圧の急変などの気象上の原因で港や湾の海水面が著しく高まる現象をいい、高潮堤防は高潮に備えて通常より強化された堤防のこと。
 
濁度 だくど
 水の濁りの程度を表すもの。粘土鉱物であるカオリンが1mg/l含まれた水を1度としている。濁りの原因となっている物質には、粘土性物質、プランクトン、有機物質等があり、濁りとなる粒子の粒径は、0.1から数百ミクロンメートル。
 
田中吉政の築堤 たなかよしまさのちくてい
 矢作川をほぼ現在の形に造り上げたのは、1590年〜1600年の間、岡崎城主であった田中吉政で、その後はひとつに連なった堤防となり洪水を防いだ。
 
段戸高原県立自然公園 だんどこうげんけんりつしぜんこうえん
 段戸高原県立自然公園は、出来山(できやま)および段戸山(だんどさん)に連なる標高1,000m余りの高原地帯で、周辺山岳の寧比曽岳(ねびそだけ)筈が岳(はずがだけ)の山々と一体となって、愛知県の屋根ともいわれる山岳景観を呈した公園。
 
段丘 だんきゅう
 過去の河川の河道が平坦面として現河床より高い位置に一段あるいは数段残されてるものをいう。平坦面は岩盤で構成されている場合もあるが、砂礫をのせている場合が多い。なお、このような河岸段丘のほかに、海岸に形成された海岸段丘がある。
 
湛水 たんすい
 水を貯めること、または水が貯まっている状態。
 
治水安全度 ちすいあんぜんど
 河川が、何年に一度の割合で生じる洪水に対してまでは安全であるかという指標。
 
治水計画 ちすいけいかく
 河川の洪水による災害を防止または軽減するため、計画の基準地点において計画の基本となる基本高水を設定し、この基本高水に対して、計画の目的とする洪水防御効果が確保されるよう策定する。
 
治水容量 ちすいようりょう
 洪水調節計画で対象としているダム地点における計画高水(ハイドログラフ)のピーク流量を所定の調節方式でカットして得られる容量に、通常2割程度の余裕を見込んだ容量。必要洪水調節容量ともいう。
 
中央構造線 ちゅうおうこうぞうせん
 日本列島の中央部から九州に至る大断層線。片麻岩類(へんまがんるい)領家変成岩(りょうけへんせいがん))と結晶片岩類(けっしょうへんがんるい)三波川変成岩(さんばがわへんせいがん))の断層の境界をなす構造線。諏訪湖の西から天竜川の東側に沿い、豊川の谷を通って紀伊半島に入り、四国から九州に及ぶ。これより北側を内帯、南側を外帯という。
 
直轄河川 ちょっかつかせん
 一級河川のうち国土交通大臣が直接、維持管轄している河川。
 
注水水利 ちゅうすいすいり
 一度取水した河川の流水を直ちに取水目的に供さず、河川の別地点で取水するため一旦河川へ放流(注水)すること。
 
貯水池 ちょすいち
 水を貯めておく人工の池。上水道やかんがい用水・水力発電用の水を河川・渓流などから取って渇水時の水不足を補給する目的で設ける。
 
低水路 ていすいろ
 河道の中で一段と低くなっていて低水が流れる水路状の部分を「低水路」という。
 
堤内地・堤外地 ていないち・ていがいち
 堤防によって洪水氾濫から守られている住居や農地のある側を堤内地、堤防に挟まれて水が流れている側を堤外地と呼ぶ。昔、日本の低平地では、輪中堤(わじゅうてい)(ある特定の区域を洪水の氾濫から守るために、その周囲を囲むようにつくられた堤防)によって洪水という外的から守られているという感覚があり、自分の住んでいるところを堤防の内側と考えていたといわれている。
 
堤防 ていぼう
 流水を一定の流路内に制限し、氾濫を防ぐことを目的として主に土で築造される工作物。
 
堤防整備率 ていぼうせいびりつ
 大臣管理区間における、堤防必要区間延長に対する完成堤防延長の割合。
  =完成堤防延長/堤防必要区間延長
 
テレメーター
 テレメーターは、雨量データ・河川流量,水位などの遠隔地で取得したデータを通信回線を利用して遠隔地からデータを転送するための装置。データを取得すると同時に専用線を用いてリアルタイムでデータ転送する方式が広く用いられてる。
 
天井川 てんじょうがわ
 上流から流送されてきた土砂が河川内に堆積して、河床が周囲の平野面より一段と高くなった河川。
 
天端(高・幅) てんば(だか・はば)
 堤防などの堤頂面を天端といい、東京湾平均海面高(T.P)を基準とした天端の標高を表したものを天端高、幅員を天端幅という。
 
天竜奥三河国定公園 てんりゅうおくみかわこくていこうえん
 天竜川の中流部を中心にして、その交流を含む河川渓谷と、茶臼山(ちゃうすやま)鳳来寺山(ほうらいじさん)などの山岳地帯からなる公園。
 天竜峡(てんりゅうきょう)は花崗岩の谷壁とそれを修飾するマツ林の醸しだす風景が美しいところ。また、天竜川の支流の万古川(まんごがわ)振草川(ふりくさがわ)大入川(おおいりがわ)気田川(けたがわ)などにも、それぞれ特徴のある渓谷があり、探勝、釣魚などに利用されている。
 名刹、鳳来寺(ほうらいじ)のある鳳来寺山(ほうらいじさん)(695m)には、スギ、ヒノキの老木がうっそうと立ち、モミ、ツガ、シイ、ヤブニッケイなどの自然林も見られる。
 長野との県境の茶臼山(ちゃうすやま)(1,425m)は、愛知県の最高峰であり、キャンプ、ハイキングなどに盛んに利用されている。
 
東海環状自動車道 とうかいかんじょうじどうしゃどう
 名古屋市の30〜40km圏に位置し、名古屋市を取り巻く周辺都市を結ぶ道路。
 高次都市機能の強化と研究開発拠点の整備を支援する道路。
 
東海(恵南)豪雨 とうかい(けいなん)ごうう
 2000年9月11〜12日にかけて東海地方を中心に広範囲で発生した豪雨。東海豪雨は、日本付近に停滞する秋雨前線に向かって南海上にあった台風14号から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定な中で発生した。このような場において、尾張東部では総雨量500mmを超える観測史上最大の雨量を記録し、ピーク時の1時間だけをとっても名古屋市と東海市でそれぞれ93mm、114mmの猛烈な雨が観測された。この降水の集中により、名古屋市及びその周辺では堤防の決壊、河川の氾濫が相次ぎ、広範囲に渡って浸水や土砂災害も発生した。
 一般的には、東海豪雨と呼ばれているが、岐阜県恵南地方で大きな被害が生じたことから、恵南豪雨とも呼ばれれている。

(中央防災会議 資料)
1.降雨量
  9月11日 愛知県東海市で1時間雨量114ミリを観測
  9月11日 名古屋市で1日降水量428ミリを観測(これまでの最高記録の約2倍)
2.被害概況
  ・死者10名、負傷者115名、全壊31棟、半壊172棟、
     床上浸水22,894棟、床下浸水46,943棟
  ・最大時 約22万世帯 約58万人に避難勧告・指示
   ※避難所における避難者の最大値 約6万5千人
  ・建設省(現国土交通省)発表の被害額の試算値によると、被害額は約8,500億円
   今回の災害では、一般資産等の被害額が大きかったのが特徴.

 
東海地震 とうかいじしん
 駿河湾(するがわん)の海底に、駿河(するが)トラフと呼ばれる海溝が走っている。
 これは、日本列島の南側にあり伊豆半島を乗せた「フィリピン海プレート」が、その西側の日本列島を乗せている「ユーラシアプレート」の下に向かって潜り込むプレート境界だと考えられている。このプレート境界を震源域として、近い将来大規模な(マグニチュード8程度)地震が発生すると考えられており、これが「東海地震」である。
 ひとたび東海地震が発生すると、その周辺では大変な被害が生じると予想されます。そこで、東海地震の発生によって著しい被害が予想される地域が「地震防災対策強化地域」として指定され、数々の防災対策の強化が図られている。
 東海地震は、その発生メカニズムや予想震源域・歴史的資料がある程度判明していることから、現在日本で唯一予知の可能性が高いとされている地震である。東海地震の予知のため、東海及びその周辺地域の地震・地殻変動などの各種観測データを気象庁に集中することにより、24時間体制で前兆現象の監視を行っている。

(愛知県内の指定市町村)21市31町6村、58市町村
 新城市、名古屋市、豊橋市、岡崎市、半田市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、
 安城市、西尾市、蒲郡市、常滑市、東海市、大府市、知多市、知立市、高浜市、豊明市、
 日進市、東郷町、長久手町、七宝町、美和町、甚目寺町、大治町、蟹江町、十四山村、
 飛島村、弥富町、佐屋町、立田村、八開村、佐織町、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、
 武豊町、一色町、吉良町、幡豆町、幸田町、額田町、三好町、設楽町、東栄町、津具村、
 鳳来町、作手村、音羽町、一宮町、小坂井町、御津町、田原町、赤羽根町、渥美町

 
頭首工 とうしゅこう
 湖沼・河川などから用水路へ必要な用水を引き入れるための施設。普通取水位を調節するための取水堰と取入れ口及びそれらの付帯施設から構成される。
 
特殊堤 とくしゅてい
 堤防に要求される特殊の目的に応じて特別の構造を持つものを普通の土砂堤防と区別して特殊堤と呼ぶ。胸壁堤(きょうへきてい)石積堤(いしづみてい)越流堤(えつりゅうてい)締切堤(しめきりつづみ)などがあり、コンクリートや石積を用い、矢板を打ったり、根固工を施す。
 
特定かんがい とくていかんがい
 特定かんがいは流量を地域限定で行ったり、ある特定の利水者のために期間限定で行われるかんがいのこと。
 
都市用水 としようすい
 水道用水と工業用水を総称して都市用水という。なお、都市部における事務所、宿泊施設、官公庁、商業施設、病院、公共施設等における種々の都市活動で使用される水は、都市活動用水と呼ばれ、水道用水の用途の一部。

【な】

内水 ないすい
 本川の流水を外水と呼ぶのに対する、堤防に囲まれた堤内地の流水の呼称。
 
内水氾濫 ないすいはんらん
 洪水時に本川水位が上昇し、内水の排除が困難になって生じる湛水のこと。洪水が長引き湛水深が大きくなると浸水による被害が発生する。その被害は、本川の破堤氾濫による災害に比べ、人命の損傷を伴うことは少ないが、発生頻度が高い。
 
西三河地域 にしみかわちいき
 8市10町2村の合計20市町村
  岡崎市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、高浜市、
  知立市、一色町、吉良町、幡豆町、幸田町、額田町、三好町、
  藤岡町、足助町、旭町、稲武町、小原村、下山村
 
根固め工 ねがためこう
 洪水時に河床(川底)の洗掘(川を流れる水により川底や堤防が削られること)が、著しい場所において、護岸基礎工全面の河床の洗掘を防止するために設ける構造物。捨石工(すていしこう)沈床工(ちんしょうこう)、かご工等が用いられるが、最近はコンクリートブロックを使った沈床工(ちんしょうこう)乱積み工(らんづみこう)が多い。
 
年間降水量 ねんかんこうすいりょう
 降水量とは雨や雪などとして降った水の量をいい、単位は水の深さ(mm)で表す。その1年間の降水量の合計を年間降水量という。
 
年超過確率 ねんちょうかかくりつ
 水位・流量・降水量等の水文量について、ある値を超える値の生起する確率が何年に1回であるか、各年にとっては何分の1であるかの値。

【は】

ハザードマップ
 ある災害に対して危険地域が示された地図をいう。地すべり、山崩れ、土石流、洪水、高潮、雪崩、液状化等の現象に対しておのおのハザードマップが作成されている。 ハザードマップの作成には、過去に発生した災害の種類、物的・人的被害等の災害履歴情報と、地形、地質、地盤高、植生等の土地情報の解析が必要である。
 洪水を対象とした洪水ハザードマップを作成する場合、数十年前の水害時と現在では、流域の都市開発、河川の堤防等の条件が異なるため、過去の水害記録をそのまま利用することはできない。このため、前述の災害履歴情報に最新の土地情報と、建物、道路、堤防等の施設情報に基づき、コンピュータを用いたシミュレーション解析によってハザードマップが作成される。
 
破堤(決壊) はてい(けっかい)
 洪水などの作用によって堤防が破壊されること。破堤は原因によって以下のように大別される。[1]越水によるもの [2]水漏れによるもの [3]法崩れによるもの [4]水圧によって押し抜かれる場合 [5]川表の法先の洗掘から始まるもの。破堤(決壊)は堤防の全部の損壊を意味する用語であり、堤防の部分的な浸食や法崩れは欠壊といい、区別する。
 
羽布ダム はぶだむ
 枝下・明治用水の取水によって、下流の農業用水の不足が生じてきたため、昭和38年巴川上流に農業用水専用ダムとして完成。重力式コンクリートダムで堤長398.5m、堤高62.5m貯水量1,846万m3/sである。
 
はん{氾}濫原 はんらんげん
 洪水時に、はん濫水に覆われる川の両側の比較的平坦で低い土地。地盤の隆起や河床の低下によって、現在は洪水時でも覆われなくなった土地もある。わが国では堤防等によって自然状態のはん濫原はほとんどみられない。
 
光ファイバー・ケーブル ひかりふぁいばー・けーぶる
 光ファイバーは、とても細いガラスまたはプラスチックの線。見た目は釣り糸(テグス)のような感じで、黒いカバーに覆われている。そして、それが何本も束になった状態で設置されてる。光ケーブルは、高速で情報を送受信できる通信ケーブル。電話局と電話局をむすぶ主要な通信回線(基幹回線)や海外との通信回線などに使われている。光ファイバーを使った通信ケーブルを、一般に光ケーブルと呼んでいる。
 
BOD びーおーでぃー
 生物化学的酸素要求量。好気性微生物の増殖および呼吸作用により、水中の有機物質が酸化分解される(自浄作用)とともに溶存酸素が消費される。この自浄作用の過程で消費される酸素量がBODである。BODは20℃で5日間に消費される酸素量を標準としている。BOD値が高くなると、分解性の有機物(その他還元性の無機物)が多いことを示し、水中の溶存酸素(DO)は減少しやすく、水生生物に悪影響を与える。さらにBDO値が高くなるとDOがなくなり、嫌気性分解が起こり、メタン、硫化水素などが発生する。
 
引堤 ひきてい
 川幅が狭い場合、これを広げるために、堤防を堤内地の方に移動させて造りかえること。
 
樋門(樋管) ひもん(ひかん)
 堤内地の雨水や水田の水などが川や水路を流れ、より大きな川に合流する場合、合流する川の水位が洪水などで高くなった時に、その水が堤内地側に逆流しないように設ける施設である。
 このような施設のなかで、堤防の中にコンクリートの水路を通し、そこにゲート設置する場合、樋門または樋管と呼ぶ。樋門と樋管の明確な区別はなく、機能は同じである。
 
淵 ふち
 河川、湖沼などのよどんで深い所。
 
不特定かんがい ふとくていかんがい
 不特定かんがいは、慣行に基づく農業水利権などの不特定多数に行われるかんがいである。
 
不法占拠 ふほうせんきょ
 法に背いてある場所を占有したり、他人の入ることを許さないこと。
 
不法投棄 ふほうとうき
 法に背いてゴミなどを投げ捨てること。
 
防災ステーション ぼうさいすてーしょん
 洪水時に水防活動の基地、ヘリポート、避難場所としての機能をもつもので、平常時はレクリェーションの場などとして活用できる河川防災の拠点のこと。
 
北部・南部幹線水路 ほくぶ・なんぶかんせんすいろ
 明治用水地域では、昭和45年から国営事業で「矢作川総合農業水利事業」がスタートした。この事業は名称が示すように都市用水との協同事業で、矢作川の岩倉頭首工から取水する北部幹線、および明治用水頭首工から取水する南部幹線、それに従前の水路を改修する明治幹線の延べ76.8kmの水路の新設および既設水路の改修を行うもので、受益面積は豊田市ほか11市町、約10,190haに及び、取水量は農業用水32.98m3/s、水道用水は4.43m3/s、工業用水は6.69m3/sの事業である。
 
細川頭首工 ほそかわとうしゅこう
 農業用水を安定して送るため巴川(ともえがわ)に昭和43年完成。水源を巴川(ともえがわ)上流の羽布(はぶ)ダムに求め、水位を27mに保っている。長さは63.5mあり、西側には、幅2mの魚道がある。一部、西三河水道も取水している。
 
本宮山県立自然公園 ほんぐうさんしぜんこうえん
 本宮山県立自然公園は、東三河山地の山岳地帯が始まる最南端の名山である本宮山(ほんぐうさん)の山地景観を中心とし、闇苅渓谷(くらがりけいこく)巴山(ともえやま)雁峯山(かんぽうざん)等の山々及び巴川(ともえがわ)寒狭川(かんさがわ)の河川景観からなる公園。
 
本川 ほんせん
 流量、長さ、流域の大きさなどが、最も重要と考えられる、あるいは最長の河川。

【ま】

三河高原 みかわこうげん
 矢作川流域の東部に広がる山地が「美濃三河高原」と呼ばれている。平野のように平らではなく、なだらかで、高さの揃った山並みが続いている。山々の大部分の地質は花崗岩。
 
水環境 みずかんきょう
 水を構成要素の中心とした環境の総称。大気や土壌など他の環境メディアと比較して、水は汚濁物の滞留、移送、物質変化と生態系の関係が理解しやすく、また景観文化的な表現も豊かであることから、環境の快適性を評価する重要な対象になっている。
 
水環境管理計画 みずかんきょうかんりけいかく
 水量、水質の管理目標とその管理計画及び施策に係わる事業計画を骨子として、環境管理基本計画による水環境の方針を踏まえ、水環境の管理及び整備のための具体的な計画のこと。
 
水資源開発 みずしげんかいはつ
 水の貯留や用途の振り替え、関連施設の効率的な運用により、新たに利用可能な水量を開発すること。近年、ダム建設適地の不足や社会的背景による工期と工事費の増大から、水資源開発手法の多様化が進められている。
 
六ツ名堤 むつなてい
 現存する文献の中で、一番古い治水に関する記録である。現在の占部川(うらべかわ)沿いにあった川筋を締め切ったと思われる。(「百姓伝記」17世紀末ごろ)
 
明治用水頭首工 めいじようすいとうしゅこう
 明治14年に開かれた明治用水の取水のために造られとものを改築し、昭和33年に完成した本格的な取水堰堤。堤体は重力式コンクリート造りで、可動堰7門。水位を30mに保ち、右岸からは明治用水の水を、左岸からは西三河水道水を取水している。

【や】

矢作川河口堰 やはぎがわかこうぜき
 河道浚渫とあいまって塩害を防止し、流水の正常な機能の維持と増進を図る治水の目的と、愛知県西三河地域及びその周辺地域の工業用水を新規開発する利水の目的をもった施設として計画され、昭和46年に実施計画調査に着手し、昭和48年から建設事業着手した。
 その後、平成10年8月の矢作川河口堰建設事業審議委員会(全8回開催)で、利水参画返上を尊重し事業休止の答申がなされ、平成12年9月の事業評価監視委員会は事業中止の対応方針を了承し、平成12年11月に矢作川河口堰建設事業の中止が決定された。
 
矢作川豊田防災ステーション やはぎがわとよたぼうさいすてーしょん
 矢作川水系の洪水時の水防活動拠点として、平成9年度に着手し、平成14年度に完成。
 この施設は、国土交通省の河川防災ステーション整備計画にもとづき実施した事業で、用地取得及び粗造成を国土交通省が、敷地整備及び水防センターの建設を豊田市がそれぞれ実施した。
 
矢作ダム やはぎだむ
 洪水調節と不特定かんがい、利水(農業用水、水道用水、工業用水、発電)の目的を持つ多目的ダムとして昭和41年に工事着手され、昭和46年に完成。ダム型式はアーチダム、ダムの右岸は岐阜県串原村、左岸が愛知県旭町。
 
矢作川流域圏 やはぎがわりゅういきけん
 矢作川流域の市町村と矢作川の水の恩恵を受ける利水供給地域の市町村、及び矢作川の洪水により被害が想定される地域の市町村を包含した区域を「矢作川流域圏」という。

 (矢作川流域圏内市町村)8市12町8村の合計28市町村
   岡崎市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、高浜市、
   知立市、一色町、吉良町、幡豆町、幸田町、額田町、三好町、
   藤岡町、足助町、旭町、稲武町、上矢作町 設楽町、小原村、
   下山村、明智村 串原村 平谷村 根羽村 津具村 作手村
 
有効雨量 ゆうこううりょう
 雨量のうちの表面流出を構成する分。これに対して、雨量のうち有効雨量以外の分を損失雨量という。
 
揚水発電(揚水式水力発電)ヨウスイハツデン(ヨウスイシキスイリョクハツデン)
 ダム下流の貯水を、電力の余裕時にその電力を使ってふたたびポンプで揚水し、電力不足時にその水を流下させて発電するしくみ。

【ら】

利水安全度 りすいあんぜんど
 利水安全度とは、河川水を利用する場合における渇水に対する取水の安全性を示す指標であり、一般に何年に1度の規模の渇水に対してまで安定的に取水可能かを意味する。我が国ではダム等水資源開発施設の計画にあたっては、一般におおむね10年に1回程度発生すると想定される規模の渇水を対象に安定した取水が行えるよう計画されている。
 
利水施設 りすいしせつ
 水道用水や工業用水、農業用水、発電等を利用又は行うためにつくられた施設。
 
利水容量 りすいようりょう
 利水計画に基づいて貯水池に設定される用水補給のための容量。
 
流域(流域面積) りゅういき(りゅういきめんせき)
 ある河川の流水の供給源となる降水の降下範囲。単に流域もしくは集水区域ともいい、その面積を流域面積という。上流山地においては、一河川の流域と他河川のそれとは山脈によって区画され、これを分水界と呼んでいる。矢作水系の流域面積は1,830km2
 
流域下水道 りゅういきげすいどう
 多数の都市が隣接している地域では、各市町村が単独で公共下水道を設置して排水の処理をするよりも、複数の市町村の下水を広域的に集め、一括処理した方が、建設費、維持管理費が軽減され、しかも公共用水域の水質が保全されることになる。こうした地域に設置されるのが流域下水道という。これらの流域下水道は、2市町村以上にまたがるため、設置や維持管理などは、原則として都道府県が行う。
 
柳枝工 りゅうしこう
 柳枝工とは、河川河岸を安定させるための法覆工(のりおおいこう)の一工法である。一般的には、法面(のりめん)粗朶(そだ)()(なら)し、その上に数列の木杭をマス状に打ち込み、柳の枝をもって柵状(しがらじょう)に編み込む。そのマスの中に雑石を敷き並べ、柳の木を挿し木するものである。この工法はくっとう性がよく堤防法面(ていぼうのりめん)と馴染みのよい工法である。また編み込んだ柳が目を出し成長すれば、根張りも強固になり、雑石と一体化され、より強固な法覆工(のりおおいこう)となる。
 矢作川の柳枝工は、昭和28年頃から現在まで継続的に施工されてきている。
 矢作川における柳枝工の構造は、法面工と根固工で構成されており、法面工(のりめんこう)柵工(しがらこう)
主とし、中に割栗石(わりぐりいし)をつめる工法で実施され、根固め工は粗朶単床(そだたんしょう)で構成されている。
 
流水の正常な機能の維持 りゅうすいのせいじょうなきのうのいじ
 既得かんがい用水等の確保、舟運、漁業、観光、塩害防止、地下水位の維持、河口閉塞(かこうへいそく)の防止、河川管理施設の保護、動植物の保護、流水の清潔の保持などの機能を維持すること。
 
流量配分 りゅうりょうはいぶん
 基本高水流量を河道やダム、放水路(ほうすいろ)遊水池(ゆうすいち)等、各種洪水調節施設に分配すること。
 
領家帯変成岩 りょうけたいへんせいがん
 流域の東部と南部の一部に見られる。古い時代にできた堆積岩(たいせきがん)が、下から上がってきた花崗岩(かこうがん)マグマからの圧力と熱によって、質が変わったもの。
 
漏水 ろうすい
 河川の水位が上がることにより、その水圧で河川の水が堤防を浸透し、堤防の裏法面(うらのりめん)などに吹き出すこと。水が浸透することで堤防が弱くなり、破堤(はてい)を引き起こすことがある。

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