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第2回議事概要

矢作川流域委員会事務局
  平成15年9月29日(月)13:30〜17:04
場所:名鉄岡崎ホテル 12F 葵の間

1.開会挨拶(中部地方整備局河川部河川計画課長)

2.第1回流域委員会議事概要及び委員会資料修正箇所の確認
 第1回流域委員会の議事概要について、配布された(案)のとおり確認された。
引き続き、第1回流域委員会で審議された資料の修正箇所について、配布された資料のとおり確認された。その際、委員から出た意見と事務局からの説明は次のとおり。
1) 資料の公開場所は、自治体の協力も得てはどうか。
今後、関係自治体の協力を得ながら対応していく。当面、国土交通省の関係窓口を公開場所とする。

3.矢作川流域委員会の役割について
 矢作川流域委員会の役割について、配布した資料に基づき、事務局より説明した。
その際、委員から出た意見と事務局からの説明があり、今後、流域委員会で議論することとした。
1) 河川管理あるいは水行政の仕組みが非常に複雑になっているが、矢作川には水質の監視制度がない。現状を直視した水系一貫の河川管理体制が必要である。
流域委員会も、国と岐阜県や愛知県、長野県と一本化したものができないか。
ご指摘のとおり、河川整備・管理は水系一貫で進めるべきであり、この流域委員会においても、規約で「河川整備計画の作成段階において、河川と流域の視点から課題解決が図られるよう助言を行う」としており、そのような視点で河川整備計画を策定していきたい。

4.議事
(1) 矢作川流域の現状と課題について
 矢作川流域の現状と課題について、配布した資料及びそのパワーポイントに基づき事務局から説明した。審議の中で委員から出た意見、質問と事務局からの説明は次のとおり。
1) 矢作川河口堰建設中止後の治水対策はどうなっているのか。
矢作川河口堰建設中止後の治水対策については、従来の計画どおり河床掘削するのか、その際、塩水の遡上による影響をどうするのか、また他の方法でこの地点の流量をカットするのか、現在、具体的な対策案はなく、今後、流域委員会の中で議論していきたい。
2) 東海豪雨時の水位の状況と堤防を比べてみて、下流は余裕があるが、豊田市は非常に厳しい。出水時の流量と計画流量や、河床をもっと低くするべきという関係はどうなっているのか。また、東海豪雨時の洪水位は、下流部で十分余裕があったのに、まだ河口付近で掘削が必要なのか。計画における出発水位と東海豪雨時の河口潮位や、掘削箇所による水位低下効果も含めて、関連を整理してはどうか。
現況では、明治用水頭首工から上流は河床高が高く、下流は河床が低いため、上流に比べて下流では水位に余裕があった。しかし、現在の計画では、上流も下流も河床を現況よりも掘削することになっているため、東海豪雨時の流量規模や河口潮位による河川水位との関係を整理し、後日、説明したい。
3) 現在の河川断面が計画断面に対して、幅が足りないのか、河床を掘削しなければならないのか、堤防の高さが足りないのか、整理していただきたい。
4) 過去の洪水被害については、本川のみでなく、支川の県管理部分の洪水被害も整理していただきたい。
5) 資料6のP19のグラフで過去の流量を示す際に、ダム調整戻し、氾濫戻しの流量も整理していただきたい。
6) 資料6のP28で矢作ダムの堆砂状況を示すグラフで、計算が変わることによる流入量の変化はどういうことか。計算方法が2種類あるならば、それぞれ方法を統一して2種類の折れ線グラフを策定して次回、差し替えて欲しい。
昭和63年までと平成元年からの矢作ダムの堆砂量の変化は、細かく測量したことと考え方の違いによるものである。資料についてはご指摘のとおり作成して、次回、差し替える。
7) 東海豪雨時の豊田市の氾濫には、明治用水頭首工とその上流の鵜の首狭窄部が影響しているが、鵜の首狭窄部は全然改修できない場所なのか。
鵜の首狭窄部については、計画上、開削する計画であるが、今後、矢作川の河川整備を進めていく上で、どのようにしたら良いのか、今後、流域委員会でも議論していただきたいと考えている。
8) 矢作川水系工事実施基本計画に基づいて、これまで何をどのようにやってきて、現在どこに、どのような問題があるのか、どこを見直さなくてはならないのか、その問題点がつかみにくい。これまでの河川整備(河道、ダム)について、どのような順番でどのように実施してきたのか、時系列にまとめ、その効果があったのか、それでも問題点が残っているのか、課題の整理をしてほしい。
これまで実施してきた河川整備について、時系列でまとめ、現在の課題を再整理する。
9) 工事実施基本計画の目標が達成されていないのに、どうして新しいシステム(河川整備基本方針や河川整備計画の策定手続き)に移った理由を説明して欲しい。
10) 東海豪雨の実態から見て、治水に関して矢作ダムや利水ダムの運用を議論するという視点を持ってほしい。
流域委員会でダムの運用についても議論していただく。
11) 森林の整備まで議論するか否かは、委員会で判断して必要があれば議論していく。森林整備について、河川管理者はどのような考え方を持っているのか。
森林の荒廃やその整備は、非常に重要な課題であると認識しており、今後、流域委員会でご意見を伺いながら検討を深めていきたい。
12) 矢作ダムにより岩津地点でどれくらい洪水調節できるか、計画されている上矢作ダムでどれだけ洪水調節できるか。
工事実施基本計画を決めた昭和34年9月型洪水では、洪水調節量毎秒1,700トンのうち、1,000トンを矢作ダム、300トンを上矢作ダム、残る400トンを他の洪水調節施設に期待している。
13) 東海豪雨については、洪水だけでなく、流木や山の崩壊による流出土砂についても考えていかなければならない。治山はとても重要であり、水源涵養の森をつくるようなことを並行して考えるべきである。
14) 矢作ダム建設により水利用が安定化したとの説明があったが、矢作川の水が流域外へ利用され、矢作川の下流は水なし川になり、いつも水不足の川となる。また、生物が生息するという本来、河川の機能としてあるべき河川環境が破壊されてしまうという状況にあるにもかかわらず何の対策もなされていない。矢作川に水がないから上矢作ダムをつくるというのは、実に安易な考え方である。矢作ダムによる河川環境が無視された状態での運用や設備改善を議論せずに上矢作ダム建設の必要性だけを議論するようならば、この流域委員会には参加したくない。
 木曽川の水を矢作川へ利用すれば、水不足にならずにすむ。国として水利用に対して公平な、そして環境に配慮した政策を打ち出すべきである。
15) 水源涵養は重大な問題であり、治水、利水、環境という全ての面にかかわってくる。水源涵養を進める上で、中下流の人々も負担すべきであるが、上流域でも何らかの負担をするようなことも考えないと、中下流域の人々の合意が得られないのではないか。
16) 資料3のP43で利水については、矢作川の水が流域外へ供給されている区域が示されているが、愛知用水等で水道用水や農業用水が流域外から矢作川の流域へ供給されており、これらの水の行き来の関係も整理してもらいたい。
17) 資料3のP44で水利権については、直轄区間だけが記載されているが、支川の水利用もあるので、これらも含めて水利権を整理してほしい。
18) 資料3のP56で三河湾の水質について説明してある部分で、「山村から汚濁負荷の供給が多い」という記述があるが、山村においても水質の浄化に努めているので表現を改めてほしい。
・記述内容については、見直す。
19) 資料3のP90で利水の課題については、広域利水の問題も流域委員会で議論する対象となると考える。
20) 矢作川の水利用率は限界で、毎年のように渇水になるのは現状では避けられない状況である。このため、平常時の河川流量を確保するために、降った雨を流域内に少し滞留させながら流すようなルールをつくるとか、内水処理と河川環境をどのように整合させるかということも議論する機会が欲しい。
21) 水源涵養については、下流域の人々が、上流の水源涵養の現場を見て学習しながら、地域に帰り、その状況を広めてもらい、矢作川の水をお互いに分かち合って使うべきであるということを認識してもらうようなことが、将来の市民運動になっていくのだろうと思う。
(2)次回以降の予定について
次回は、年内に現地見学を行い、さらに課題を現地で確認することとした。

5.閉会
以上

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