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第22回豊川の明日を考える流域委員会 議事概要

豊川の明日を考える流域委員会事務局

日時:平成13年9月11日(火)午後4時00分〜7時00分
場所:ホテル白豊 5階「鳳凰の間」

1. 流域委員会委員長宛に「豊川を守る住民連絡会議」から「設楽ダム抜きで「原案」再審議を早急に求める要望書」が556名の署名付で提出されるとともに、流域委員会委員に「設楽ダムと環境を考える東三河の会」から「申し入れ書」が提出されたことを報告した。
2. 前回の委員会以降寄せられた、河川整備計画原案に対する関係住民からの意見の概要について、配布した資料に基づき事務局から説明した。
3. 審議の中で委員から出た意見、質問と事務局からの説明は次のとおり。
(1) 関係住民からの意見の中に「東三河受益地域の住民の1日の水消費量は、東京のそれと比べて高い数値で示されており・・・」とあるが、実際に東京と比べて高い数値となっているのか。
 
「平成10年度水道統計」などによれば、東京都の1人1日最大給水量の実績は471gであるが、東三河地域では豊橋市が415g、豊川市が416g、音羽町が524g、小坂井町が339g、渥美町が576g、赤羽根町が332gとなっており、東京都よりも多いところがあるのは事実であるが、一概に東三河の水消費量が多いとは思っていない。
(2) 東京と比べて多いところもあれば少ないところもあるでは答えにならないと思う。
  結局は上下流問題に戻ってしまい、水が足りないという事で下流の犠牲になって、設楽町などにご理解いただきつつあると思っているが、今の数字では無駄使いしているのではないかということが感覚的に否めないと思う。なぜそんなに高いのかその辺の分析結果を示すべきである。
 
東三河全体でどうなっているのかとか、上下流でどうなっているかというものもできる範囲内で具体の数値を示すようにしたいと思う。
(3) 設楽ダム計画に疑問を持っている人と、水需要予測に対して不信感を持っている人とはほぼ重なっていると思う。水需要予測について分かりやすい説明が必要であると思われる。
 
水需要の算出方法や算定根拠などについて出来る限り分かり易く意見提出者に説明できるよう整理してみたいと思っている。
(4) 封書等で寄せられた環境関係の意見に、「歴史と文化を持つ牛川の渡しの景観を破壊し・・・」とあるが事実か。
 
河川整備計画原案では、牛川渡しよりも下流部で樹木伐採を伴う低水路拡幅を予定しているが、それに伴い牛川渡しの機能がなくなるとは考えていない。
  この意見は、名古屋市の方からいただいたが、河川整備計画原案に対する関係住民の意見としては、豊川流域及び利水地域などの住民方を対象と考えている。
4. 河川整備計画原案に対する委員からの意見として出た意見と事務局からの説明などは次のとおり。
(1) 河川法が改正されて流域の人の要望に応えた市民主役型の整備計画に変えていこうという趣旨から考えると、原案自体あるいは整備計画の文書自体の性格を変えていかなければいけないと思う。主役である住民の人が読みやすく、計画の内容、その根拠、その他重要な部分が理解し易い、ストーリー性を持ったものでないといけないと思う。
 いろいろな議論の中で、重要な事項の一つであったと思う森林保全、あるいは森林の水源涵養機能の強化や三河湾の浄化という二つの項目は、かなり重要な項目として議論されたと思うが、取り上げ方がややあっさりし過ぎているので、格上げした取り上げ方をしていただきたい。
 
河川整備計画の文章については、できるだけ趣旨に沿うように努力させていただくが、足りない部分についてはパンフレットなどで補うことも検討させていただきたい。
(2) 今までの文章の枠からはみ出て思い切ったことを記述するという観点からすれば、例えば三河湾の浄化とか、山の資源保護など国土交通省の担当分野以外のことでも他省庁に対する要望というような意味で記述することが必要ではないかと思う。
(3) 環境関係の記述内容から見ると、現状と課題については上流から下流の三河湾まで言及し総括的に記述されているが、目標以降での記述は尻つぼみになっているように思う。
(4) ストーリー性という面から言えば、原案の記述は前段で固有名詞が抜けており、突然設楽ダムが出ているので、前段から設楽ダムという固有名詞を使うことによって、文章も分かりやすくなってくると思う。
 森林の現状の記述について、林業の低迷は従事者の減少、高齢化のみではなく、国産材の需要の低迷、価格の低下なども背景にあるので、この記述をもう少し分かりやすくしていただきたい。例えば、「人工林化しているので、水源涵養機能、保水機能の保全を図るために森林の適正な管理が必要である」としたらいかがか。
(5) 設楽ダム建設の中で、水需要の必要性、なぜ1億m3になったかの説明について、一般の住民にはまだ分からない点があると感じている。設楽ダムという問題をとらえる上では、その必要性の中で設楽ダムの規模や利水容量の根拠について、十分な説明がなされても良いのではないかと感じている。
 森林の保全や水源地域の整備さらには環境への配慮ということが記述されているが、具体的にどうするかということについては記述されていない感じがする。例えば、森林交付税などの新しい税を創出して、森林を整備していこうとする全国的な運動があるが、森林を整備するために何をすべきかというような具体なものが意見としてあっても良いのではないか感じる。
(6) ダムの必要性について、幾つかの代替案の中からなぜダム建設案になったかというようなことが分かるようになっていない。そのような経過がちゃんと分かるような形の記述にしていただきたい。
(7) 霞堤の対応についても非常に大きな問題だと思うので、何故霞堤を残すのかとか、洪水が起きた場合の対応などについても記述していただきたい。ダムが完成するのは、当分先のことであり、その間は洪水の危険にさらされるわけであり、霞の必要性ということにも触れてもらった方が良いと思う。
(8) 流域委員会で議論した内容などを整備計画とセットで整理した方が分かり易いものになると考えている。
 
整備計画とセットの参考資料という位置付けであれば、可能ではないかと思っている。
(9) ダムの必要性については、一般の方が見ても理解できるような分かりやすいストーリー性を考えていただきたい。
 河川整備計画は長期的なものとなるが、この計画の見直しがなされるものなのか心配している。
(10) 原案の目次が非常に不明瞭で抽象的であるため、もう少し具体的な文言でもって表示された方が良いと思う。例えば三河湾の浄化に関しても、どこを見て良いか分からない。この種の原案、文書は抽象的で非常に難しいことは分かるが、説得力に少し欠けると思う。
(11) 原案は一部の字句修正や、ダムの必要性など少々の追加説明だけではなく、全面書き直しをする必要があると認識している。
 
素案から原案にする過程の中で提言をいただき、その提言を基本として原案を作っている。現時点ではこの原案で足りない部分についてご意見をいただいているものであり、これから全面改訂というのは非常に難しいと考えている。
(12) 上下流一体という言葉がよく使われるが、中流という言葉が出てこないのはどうしてか。中流は一方では水を醸し出すし、一方では水を使うという微妙な立場であり、上下流のみでは中流は置いておかれそうな気がするとの意見もある。
 豊川流域一体という言葉を使う場合、そういうところをどこかニュアンスとして載せていかないと、片手落ちだという意見もある。
(13) 共存共栄するためにどう連携を図るかが問題であり、流域一体観への取り組みが重要である。その具体化に向けては省庁の枠を越えるが別途の組織造りを約束することによって、その組織の中で知恵を絞って、具体化に向け連携を図るということがないとただの美辞麗句だと思う。
(14) 東三河18市町村で組織している豊川水源基金制度が20年位前からあり、下流域が中心に基金を出して森林整備のために使用している既存の制度があるので、そういう活用も現在検討している。
5. 河川整備計画原案に対する委員会としての意見項目などについて、欠席委員の意見を委員長が紹介するとともに、委員長が各委員の意見を整理しホワイトボードに列挙した。
6. 意見項目を審議する中で、各委員から出た意見などは次のとおり。
(1) 原案に対して委員会がいろいろ議論を重ねた結果を意見として述べることになるが、その場合には、きちっと文章化された意見書が必要であると思う。
 意見書案の文章化は流域委員会自体で行い、委員全員で確認する必要があると思う。
(2) 30年間という計画に対し、現段階では不明の点も多く、これらの条件変化に対して柔軟な態度で対応することを願いたい。計画というのはローリングかけながら、チェックしながら進めていくべきであると思う。
(3) 基本高水流量7,100m3/sも整備計画のベースになる数値であるが、その値の再検討の実施についても意見として入れていただきたい。
(4) 意見書の文案については、委員長の責任のもとにおいて提案してもらうことで良いと思う。
(5) 調査経過、議論経過など、資料の整理は事務局で実施すべきであると思う。
(6) 意見書の最終確認のためには流域委員会を開催し、細かいところも含めて公開の場で意見を交わすことに意味があると思う。
7. 流域委員会からの意見書の文案については委員長に一任し、次回委員会で審議して決定することとした。
8. 愛知県が管理している区間の整備計画については、管理延長も非常に長いことから、委員会で審議するまで調査熟度が十分上がっていないこと。並びに非常に広い地域となり関係機関も変わってくる可能性もあることから、別途の対応をさせていただきたい旨の報告が愛知県よりなされ、委員会としても了承した。
 
以上

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