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TOPページ豊川の明日を考える流域委員会委員会資料第16回流域委員会資料 > 資料6-2
資料6-2 各代替施設の概要

1. 牟呂松原遊水地
遊水地は、牟呂松原頭首工上流右岸(25.0K〜26.0K付近)の水田地帯を対象区域とした。
遊水地容量:約90万m
湛水面積:約50ha
図−1 牟呂松原遊水地位置図
図−1 牟呂松原遊水地位置図

図−2 牟呂松原遊水地貯水位−容量曲線図
図−2 牟呂松原遊水地貯水位−容量曲線図

(牟呂松原遊水地による河道改修代替案の検討)
(1) 検討方法
戦後最大の洪水である昭和44年8月洪水を設楽ダムによって調節した後の流量(石田地点4,100m3/s)を対象に、牟呂松原遊水地を設置することにより整備計画(素案)で計画している牟呂松原頭首工左岸下流の低水路拡幅(樹木伐採)を、どの程度低減できるか検討を行った。

(2) 検討結果
1) 遊水地設置による流量低減効果は図−3に示すとおりであり、遊水地直下流区間で約150m3/s、放水路分派点下流では、約50m3/sとなった。
2) 同じく洪水時の水位は、設置前(素案)に対して、遊水地直下流で最大0.1mの水位低下となった。
3) 上記結果をもとに、遊水地の設置によって生じた水位の低下分(0.1m)を活用して、頭首工左岸下流の低水路拡幅(樹木伐採)を減少させることとした。この結果、水位がHWLを超えることなく実現できる低水路拡幅の減少幅は、約20mとなった。(図−4 平面図参照)

図−3 牟呂松原遊水地による流量低減効果(設楽ダムあり)
図−3 牟呂松原遊水地による流量低減効果(設楽ダムあり)

図−4 牟呂松原遊水地設置による河道改修規模の縮小効果
図−4 牟呂松原遊水地設置による河道改修規模の縮小効果


2. 放水路浚渫
 河道浚渫は、現況放水路分派点から河口域までとし、その浚渫深は安全性等を考慮して計画河床高より2mとした。
 また、浚渫とともに現況分派堰の改築も想定した。
図−5 放水路掘削横断形イメージ図
図−5 放水路掘削横断形イメージ図

(放水路浚渫による最大分派量の検討)
(1) 検討方法
河道浚渫後の河道断面をもとに、種々の流量ケース毎の水位を不等流計算により算定し、HWL以下での最大洪水処理能力を検討した。
(2) 検討結果
河道浚渫をすることにより、現況分派量1,800m3/sから600m3/s増加し、最大2,400m3/sまでの分派が可能となった。


3. 大村遊水地
放水路分派点下流右岸(10.8k〜11.6k)の高水敷のうち洪水時に淀みとなって、早い流れが発生しない区域を遊水地対象区域とした。
遊水地容量:約50万m
湛水面積:約10ha
図−6 大村遊水地位置図
図−6 大村遊水地位置図

図−7 大村遊水地貯水位−容量曲線図
図−7 大村遊水地貯水位−容量曲線図

(大村遊水地による下条霞締切り検討)
(1) 検討方法
戦後最大の洪水である昭和44年8月洪水を設楽ダムによって調節した後の流量(石田地点4,100m3/s)を対象に、大村遊水地を設置することにより下条霞を締切る事の可能性の検討を行った。
(2) 検討結果
1) 遊水地設置による流量低減効果は図−8に示すとおりであり、遊水地直下流区間で最大150m3/sとなった。
2) 遊水地設置に伴い、下条霞を締切った場合「整備計画(素案)」の流量配分に対し250〜300m3/sの流量増加となり、11k付近でHWLを超える結果となった。
図−8 大村遊水地による下条霞代替検討の流量配分(設楽ダムあり)
図−8 大村遊水地による下条霞代替検討の流量配分(設楽ダムあり)




豊川河川整備計画素案の修正・代替改修メニューの比較検討
1. 検討の主旨
豊川の洪水処理対策について、各種のメニューを組み合わせた場合に可能となる洪水処理能力を比較検討する。

2. 検討方法と条件
1) 河道改修メニュー
以下の改修メニューを「河川整備計画素案」の河道改修と組み合わせて、可能となる洪水処理能力を算定した。
(1) 現況
(2) 豊川河川整備計画素案:以下、「素案」と記述
(3) 修正・代替案B1:素案河道+放水路浚渫(1,800m3/s→2,400m3/s)
(4) 修正・代替案B2:素案河道+放水路浚渫(同上)+牟呂松原遊水地
(5) 修正・代替案B3:素案河道+放水路浚渫(同上)+牟呂松原遊水地+大村遊水地
(6) 修正・代替案B4:素案河道+樹木全体伐採
(7) 修正・代替案B5:素案河道+低水路全体拡幅
2) 霞の扱い
「現況霞」の状態での洪水処理能力及び「牛川霞+下条霞締め切り」とした場合の洪水処理能力をそれぞれ算定した。
3) 検討方法
改修メニュー実施後の洪水処理能力
 最初に、昭和43年8月洪水をもとにした洪水流量波形を石田地点(27.6km)に与え、支川流入量や霞堤・遊水地による流量増減を踏まえて、河口から石田地点までの流量配分を不定流計算によって設定した。
 次に、不等流計算により上記で設定した流量配分における河口から石田地点までの水位を計算して、HWLとの比較によって改修メニュー別の“洪水処理能力”を算定した。
昭和43年8月洪水:河川整備基本方針の基本高水流量対象洪水
洪水流量波形:実績降雨を区切りとなる確率雨量に引伸ばし、流出計算によって算定
流量規模:3,100m3/s〜7,100m3/sまでの5流量規模(石田地点)
洪水流量の評価地点:石田基準地点
河畔林面積
各改修メニュー実施後の残存河畔林面積を算定した。

3. 検討結果
(1) 改修メニュー別の流下能力と河畔林面積
検討結果は、下表のとおりとなった。
表−1 改修メニュー別の洪水処理能力(m3/s)
No. 改修メニューの組合せ 現況霞 牛川霞、下条霞
締め切り
河道内河畔林
面積(ha)
(1) 現況 3,600 3,600 130
(2) 素案 4,300 4,000 110
(3)B1 素案河道+放水路浚渫 4,400 4,400 110
(4)B2 素案河道+放水路浚渫+牟呂松原遊水地 4,550 4,550 110
(5)B3 素案河道+放水路浚渫+牟呂松原遊水地
+大村遊水地
4,550 4,550 110
(6)B4 素案河道+樹木全伐採 4,950 4,950 0
(7)B5 低水路最大拡幅 6,550 5,600 0

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