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第25回豊川の明日を考える流域委員会議事概要

豊川の明日を考える流域委員会事務局
 
日時:平成15年10月10日(金)10:00〜12:00
場所:ホテルアソシア豊橋 5階 天翔の間
 
1. 現在までの経過と台風10号による出水状況について、配付した資料及びビデオに基づき事務局から説明した。
2. 引き続き、河川整備計画に基づく河川整備の実施状況について、配付した資料及びそのパワーポイントに基づき事務局から説明した。審議の中で委員から出た意見、質問と事務局からの説明は次のとおり。
  (1) 河川整備計画では牛川の霞堤だけを締め切ることになっているが、今年の台風10号の出水時に牛川の霞堤だけを閉め切った場合、洪水が堤防をオーバーフローするようなことはないのか。
    河川整備計画は、戦後最大洪水の昭和44年8月洪水を目標としている。この目標に対して、牛川の霞堤は現況でも、締め切った場合でも、計画高水位を下回る計算結果となり、流域委員会の審議の中でも牛川の霞堤を締め切ってよいという判断を頂いている。台風10号においても、計画高水位を超えるような水位にはならないと考える。
  (2) 新聞によれば、記者発表された台風10号における設楽ダムの効果について、きちんとしたシミュレーション結果を示せという意見があった。設楽ダムや霞堤の効果について、専門的にどのような計算をしたのかなど、もう少し詳しく公開しないと、公開したことにならないのではないか。
    今回の出水では避難勧告が出るなど、戦後第5位に相当する洪水だったために、地域の方々の意識向上や情報を早く発信するということも含めて、出水の10日後にパンフレットなどをつけて記者発表を行った。今日の説明資料は、雨量や流量の速報値を用いた現段階での試算値として、水位縦断図などを用意させていただいた。今後、詳細な検討も必要であり、リバーカウンセラーの中村先生にもご相談していきたい。
  (3) 牛川を閉めた場合、その影響は上流と下流のどちらに大きく出るのか。また、今回浸水した霞堤地区の浸水時間はどれくらいか。
    牛川の霞堤を締め切った場合、厳密に計算すれば、1〜2ミリの水位上昇の影響はあるが、全体として計画高水位を上回るような水位にはならないので、河川整備計画上は牛川の霞を閉め切ってもよいと判断した。
また、今回浸水した霞堤地区の浸水時間については、霞ごとの明確な湛水時間は整理できていないが、配布した出水状況図に各地区の道路の通行規制が行われた時間を示しており、概ね霞堤地区が浸水している時間帯と考えられる。
  (4) 不法投棄のごみ袋について、地域別に袋の色分けがしてあるので、単にごみ処理するだけでなく、その市町村へ通達できないか。水質事故について原因者へは連絡がいくのか。また、事務所のホームページを見たが、原因が「不明」とか「調査中」というものについては、結果がわかれば内容を更新してほしい。
    ごみ袋の中身から捨てた人がわかれば、連絡して撤去してもらうが、わからない場合は国土交通省が処理しているのが現実である。不法投棄をさせないということで、地域住民の方々も一緒になって不法投棄を監視していただくのが一番よいことと考えている。
水質事故の場合も、原因者がわかれば、その方に対策費用を負担してもらうが、わからないことが多いので、「不明」とか「調査中」と公表している。原因がわかったものについては、ホームページに後日記載するなど情報を更新する。
  (5) 台風10号で霞地区が浸水しており、ダム問題と関連すると思うが、霞堤の問題の早 期解決をお願いしたい。
    本日の委員会意見も踏まえ、もう少し詳細な検討をしつつ、必要に応じて情報発信しながら計画的に対応したいと考えている。
  (6) 夜間パトロールについては、時間帯を決めずに上手に頻度を高めて監視してほしい。
    もう少し工夫して夜間パトロールに当たりたい。また、不法投棄がなくなるような活動をあわせて実施したいと考えている。
  (7) 豊川放水路は、老朽化が進んでいるが、地震の関係で大丈夫か。これからどのような取り組みを考えているのか。
    放水路護岸、分派堰のゲート、管理設備等について、危機管理の視点で診断しつつ、対策を考えたい。耐震対策は、阪神・淡路大震災を契機に耐震診断を行い、地域の重要度も勘案して放水路左岸側の豊橋市清須地区を実施している。また、東南海・南海地震も含めた耐震対策については、新たな知見がまだ出ていないので、当面は今の耐震対策を進めていくことを考えている。
  (8) 中山水道の掘削土で覆砂干潟をつくっているが、16年度の掘削終了後、三河湾浄化のためにどんな考え方をもっているのか。
    中山水道航路の事業が完了した後の三河湾浄化について、平成14年度に地元の方々にアンケートを行ったところ、引き続きこのような環境事業をやってほしいとの回答を頂いており、現在、水産試験場と連携して検討中である。「取り戻そうあのころの三河湾を」をテーマに、引き続き、三河湾の環境事業を実施して参りたいと考えている。
  (9) 2005年に環境をテーマとした万博が始まるが、万博との関連で、豊川でイベントや取り組みは考えているか。
    豊川流域圏一体化に向けた取り組みの中で一緒に活動している団体の一つに「穂の国森林祭2005実行委員会」があり、万博に関連した活動をやっている。国土交通省の豊橋河川事務所が中心となっていないが、メンバーの一員としてこのような活動に協力していきたいと考えている。万博を県全体で盛り上げていこうという方向性の中で、私どもの最大限できることをやっていきたいと考えている。
  (10) 豊川の河川整備にあたっては、適切な対応をしており、大変結構だと思う。これからも、これらの情報をホームページなどを通じて地元市町村やNPO、市民団体に十分周知徹底して、河川整備を進めてほしい。
  (11) 北設楽郡において市町村合併等が進展しようとしており、市町村合併の場合には必ず地域づくりに貢献できる地域活性化施策が前提になる。設楽ダムに関連した地域活性化計画をどういう形で進めるのか。
    現在、設楽ダムの建設に向けて地元と調整している。昨年度、設楽町で水源地域再建計画という構想をつくられている。国土交通省では、これからこの再建計画を具体化していくことになると考えており、水源地域対策特別措置法に関連した事業や水源基金などの活用も含めて、事業者が対応できるところは対応していきたい。
  (12) 豊橋市をはじめ、自治体と技術科学大学で設立された防災研究所が設立されたと聞いている。河川整備を進めていくうえで、このような研究所に加わって対策の向上を考えていくことが必要ではないか。防災光ファイバーについては、日常的な利用があって初めて緊急時の利用につながるので、奥三河まで含めた民間的なCATVとか防災以外での利用面についても検討してもらいたい。
  (13) 大学は、研究、教育を中心としてきたが、今後は、地域との連携、地域へのサービスが大学の三本柱の一つになる。国土交通省で刈草の利用など意欲的な取り組みをしているが、産・学・官連携で流域全体の研究所みたいなものができるとすばらしい。
    国土交通省として、大学、自治体を含めた連携や橋渡しができると思うので、今後、さらに検討していきたい。
    防災光ファイバーは、沿川自治体の方に豊川の様子をリアルタイムで見ていただけるシステムになっている。事務所のホームページにおいてリアルタイムの画像は難しいが、直近の画像を見られるよう、システムを考えている。
  (14) 「穂の国森づくりの会」では、2005年に万博連携事業として「穂の国世界森林祭」を提案しており、地域の大きなイベントの一つとして進めていきたいと考えている。国土交通省にも協力してほしい。
  (15) 出水時あるいは台風時における生徒の危機管理の面から、状況判断が非常に大事になるので、関連の学校へ洪水等の情報を入れていただきたい。また、「豊川流域圏こども会議」に多くの子供たちをかかわらせていきたいという意味から、ネットワークづくりを国土交通省からお願いしたい。
    どういう形で情報を伝え、ネットワークをつくっていくのがいいか、地元の市町を含めて話をさせていただきたい。
    また、出水時に堤防が壊れたり、放水路が壊れた場合に、浸水する区域などを示したハザードマップを豊橋市等でも地区別に作成されているので、活用して頂きたい。出水時の状況は、豊川沿川の市町にはリアルタイムで情報が入るようになっているが、学校に対する情報提供については検討していきたい。
  (16) 設楽ダムの地権者の方々の生活再建や、地域整備について、関係する方々のご協力をお願いしたい。
矢作川では東海豪雨で大量の流木がダムへ流れ込んだが、ダムの下流へ流木が流れ出していたら大変なことになったと思う。また洪水によりダム直下流の保育園や小学校では大きな被害を受けた。設楽ダムを建設するにあたって、ダム直下流の対策を大きな一つの課題として取り上げていかなければならないと思う。
  (17) 台風10号によって我々は多くのことを学び、同時に、国土交通省が今までとってきた対策を立証した。今後、今回の台風によって被害を受けた地区に対する対策計画も進んでいくのではないかということで、我々に何か与えたということが明確になったと思う。
  (18) 外資系企業進出の条件は、インフラ整備である。今月から新幹線は豊橋駅に停車する本数が大幅に増えたが、慢性的な水不足というものが企業の進出に対して大きな打撃となる。設楽ダム計画が、慢性的水不足に対して、新たな企業誘致の際に説得力のある朗報となるのではないかと感じた。
  (19) 本日は、霞堤、ダム問題を含め、いろいろな観点から意見が出されたが、さらにきちんと情報公開していくべきであるという意見が底流にあると思う。
 
以上

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