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第16回豊川の明日を考える流域委員会議事概要

豊川の明日を考える流域委員会事務局
 
日時:平成13年2月21日(火)午前9時〜午後0時17分
場所:ホテル白豊 5階「鳳凰の間」
 
1. 第15回流域委員会の議事概要について、配布した(案)のとおり確認された。また、中間報告書について、第15回流域委員会で出された各委員の意見を踏まえて若干修正し、委員長の確認をいただいた上で豊橋工事事務所のホームページに掲載してあることを報告した。
2. 環境関係の専門家からの意見聴取に先立ち、次のとおり事務局から2人の専門家を紹介した。
設楽ダム調査事務所では、以前から個別にいろいろな先生からアドバイスを受けながら環境調査をしてきたが、今後の環境アセスメントを考え、平成11年3月から資料−2に示す設楽ダム環境委員会を設置して調査をしている。第13回流域委員会では設楽ダムの環境調査概要について事務局から説明したが、その中で特に貴重な鳥と魚について、設楽ダム環境委員会委員の小笠原先生と森先生に来ていただいた。
3. 鳥類関係の専門家から特に猛禽類について、次のとおり説明を受けた。
設楽ダムの事業予定地周辺に、環境省の絶滅危惧種に指定されているクマタカとオオタカが生息し繁殖している。これらは積年の調査が必要で、平成9年から調査をしている。
クマタカは、ワシのように大きなタカで翼を広げると140cmから165cmぐらいあり、翼の幅が広く非常に壮大な感じのする鳥である。クマタカは、里から少し離れた山の斜面の深く繁った森を生息場所としている森林性のタカで、イヌワシはもっと高い山の少し開けたところ、オオタカはもう少し低いところで里の近くに棲んでいる。クマタカの餌は、山鳥とかキジ、ウサギなどであるが、地域によって非常に差がある。この地域ではまだ餌の詳しい調査までは進んでいない。クマタカは、日本が繁殖の北限で、東南アジアからインドにかけて分布している。アメリカにもヨーロッパにもいないこともあり、イヌワシやオオタカに比べて生態が詳しくわかっていないという難点がある。
調査の結果、設楽ダムの事業予定地周辺には、クマタカ3ペア、オオタカが少なくとも1ペア生息している。クマタカのA、B2ペア(第13回資料2−2)については、ダムの工事中及び供用後に何らかの影響を受けることはまず間違いない。ただ、生息出来なくなるほど深刻なものか、それとも対応の仕方によりゼロに近づけることができるのかは、現段階では判っていない。今後、さらにクマタカの餌や行動圏の内部構造の調査など、引き続き調査が必要である。
現地で調査している12名の調査員は皆、猛禽類のベテランで、遠くを単独で飛んでいる鳥の雄雌の区別ができるほど能力が高い。他の鳥類に比べてクマタカは絶滅危惧の度合いが高いため、クマタカ調査を優先している。
今までの調査により行動圏はある程度わかっているが、行動圏の中でどういう生活をしているかは、まだわかっていない。今後はクマタカの行動圏の内部構造の解析をして、中心になるエリア、繁殖テリトリー、幼鳥の行動状況などを詳しく調べる必要がある。なお、この地域にはイヌワシはいない。
4. 鳥類関係の専門家との質疑の中で委員から出た質問と、専門家からの説明は次のとおり。
(1) 昭和20年代の後半から30年代末までに、森林が雑木林から一斉林に切り替わり、現在、80%〜90%がスギ、ヒノキの一斉林になっている。そういう森林の変化とクマタカの生息の変化はどういう具合になっていくのか。
北半球に広く生息し、欧米で研究が進んでいるイヌワシやオオタカに比べ、アジアにしか生息しないクマタカの研究は、緒についたばかりでありまだよくわかっていない。全国的にクマタカは減少傾向にあるといわれるが、現段階ではまだ科学的な資料はない。
クマタカは森林に生息する鳥なので、森林が減ればクマタカも減るだろう。ただ、営巣する樹木と餌が得られ、安全が保たれれば、林相は少しくらい変わっても対応していけるかと思われる。
(2) 日本列島全体における分布のうち、ここはどのような割合になっているのか。また、日本はアメリカやヨーロッパと違って、大半が山岳地帯で森林があり気候も温暖で、どこにでも棲めるような感じがする。クマタカの数が少ないことは理解できるが、全体の掌握はまだあまりされていないということか。
今のところ詳しいことは判らない。環境省などによる分布、生態調査5箇年計画が1997年から実施されているので、まもなく全国レベルでの生息状況の概略が把握できるであろう。
近いところでは、徳山ダムに13つがい、鈴鹿山脈全体では30つがい(繁殖確認は13つがい)ほどいる。イヌワシは、徳山ダムでは2〜3つがい、鈴鹿山脈には6つがいがいると聞いている。
クマタカは、イヌワシよりは多くオオタカよりは少ないと推定される。
(3) つがいはずっと同じ巣を使うのか。また、1世代の年数はどのくらいか。
ずっとつがいのままではいない。繁殖期が終われば、ペアは別れて生活する。12月頃に次の繁殖期に入ると再びペアを形成するが、一方が死なない限り前と同じ雄雌がペアになる可能性が高いと思われる。
猛禽類の巣はどこにでも作るものではなく、クマタカの場合は大きな木で適当に枝が分かれ、上昇気流がすぐにつかめるところであり、環境条件は限られるので、繰り返し同じ巣を使うことが多い。1つの巣を別のタカが使い廻しすることもある。クマタカは必ずしも毎年続けて繁殖はしない。間隔を1年空けたりする。1回に1卵しか産まず繁殖率は高くない。
寿命には生態的寿命と生理的寿命がある。クマタカの生理的寿命は、他の鳥類の例から類推して20年から30年くらいだろうが、生態的寿命は恐らくそれよりはるかに短いだろう。
(4) AペアとBペアとCペアがそこに棲んでいる要因として、上昇気流や大きな木に適当な枝分かれがあるということ以外に、気温や雨量なども関係しているのか。
気温、雨量は生息に直接影響はしない。1番の要因は営巣できる場所と餌が確保されることと、天敵が少なく安全なことである。そのため、クマタカは、深く繁った森があることが必要である。
(5) 人為的な影響として、例えば、道路や人家からどれくらい離れないと棲めないのか。
一番知りたい情報であるが、まだ判断するための資料が十分でない。あるダムの周辺では、クマタカの巣の近くに道路が計画された。それ以前、巣の存在を知らずに巣から200m位離れた場所に林道をつくったことがある。その時はたまたま繁殖に障害はなかった。しかし新しい道路はクマタカ保護のため、営巣地周辺を迂回することとなった。
クマタカの行動圏には個体差があり、クマタカへの影響は場所場所により違い決まった条件はなく、今後情報を蓄積するしかない。
(6) 巣を作るときに好む木の種類というのは特にあるのか。また、巣は地上どのくらいの高さに作るのか。
特定の樹種を好むわけではない。林の樹冠から突き出た高い木で、幹の一箇所から2〜3本横枝がでていて、その上に巣がつくりやすいような大木であることが条件である。また、山の斜面の中腹に巣をつくるが、巣から飛び出した時に上昇気流に乗りやすいという地理的条件も必要である。
餌の捕り方は鳥の種類によってまちまちだが、クマタカは待ち伏せして捕ることが多い。
クマタカの天敵の一つはカラスであり、卵や雛が狙われる。ある研究者によれば、イヌワシの巣にクマタカの骨があったり、クマタカの巣にノスリ、オオタカの骨があったりしたともいう。
巣の高さは15m〜20mのことが多く、30mの場所に巣があったこともあるが、10m以下はほとんどない。
(7) AペアやBペアは豊川より西側であるが、東側には田口の町もあり、そちらにいる可能性はないのか。
田口の町中にはたぶんいない。オオタカは人里近くにいる。
(8) ダムの建設等をする場合の国として定めた制約はないのか。
特にないが、環境省などはクマタカ、オオタカが見つかった場合の調査方法は出している。その調査結果を尊重し、繁殖に悪影響を及ぼさないよう細心の注意を払えとはあるが、これをやってはいけないというような細かな規制はない。
5. 魚類関係の専門家から特にネコギギについて、次のとおり説明を受けた。
 これまでの建設省の調査は、合理的なデータを体系的に蓄積されたものと評価している。今後のネコギギの保全を科学的に考慮する上で、基礎的な資料になると思う。
 淡水魚で国の天然記念物に指定されているのは4種類で、ネコギギはそのうちの一つであり、絶滅危惧種にも選定されている。国の天然記念物が豊川にいることは、豊川の河川環境の将来を考えるうえで重要な位置付けとなる。国の天然記念物といえば文化財でいう国宝である。
 ネコギギは、ナマズの親戚で体長が15cmぐらいの小さい魚である。東海3県の伊勢湾、三河湾に流入する河川にのみ生息する日本固有種であり、東海地方の固有種である。豊川はネコギギ生息域の東端にあり意味があると思う。生態的には夜行性で、昼間は空隙に潜んでおり、土砂等で空隙がなくなると生息環境が侵される。
 今回、豊川水系全体で調査したことにより、設楽ダムの事業予定地には個体数が多く、ネコギギにとって良好な生息地であることが分かった。ダムによりこの良好な環境を失うことは、ネコギギにとって劣悪な環境になると断定できると思う。ダム湖の深い水深はネコギギの生息に好ましくない。ネコギギがすぐに絶滅しなくても、ダム湖に入ったバスやギギにより駆逐される。ギギは本来東海三県にはいない魚で、アユの放流に混じって琵琶湖から入ってきたもので、繁殖もしている。また、ダムにより上下流の集団交流が分断されて小集団化し、遺伝的劣化を生じることになる。
 ネコギギの保全を考えるには、遺伝学的、生態学的な調査を進める必要がある。ダムを造るに当たっての配慮としては、ミティゲーション、生息空間の復元、ダム管理の仕方の工夫等について調査する必要がある。大量に生息するネコギギをどこかへ持っていく必要があるが、復元するにしても、今いる場所の生息環境を十分に把握し、それに見合った場所を見つけるか、人間が土木的な工事により、その環境に近付けることも必要である。また、ネコギギを保全するために、ダムを造らないという選択肢もある。
 ダムを造らなくても現状はネコギギが減っている。また、豊川の魚類相は大きく変わっている。確認された90種のうち、淡水魚は65種とこの規模の川では多い方だが、移入種が30%近くを占めており、水の中ではドラスティックな変化が起きている。ネコギギの生息環境の把握は徐々にできつつあるが、影響予測ができるまでには至っていない。
6. 魚類関係の専門家との質疑の中で委員から出た質問と、専門家からの説明は次のとおり。
(1) どの程度の水質まで棲めるのか。また、豊川水系にいくつかの生息域があるが、その間で交配はないのか。
水質の限界は分からないが、少なくともコイに比べると清流性の魚であり、下流域には棲まず、中・上流域にしか棲まない。交流については、10年や20年に1回でも、1匹でも混じれば遺伝的な交流が広がっていく。DNA解析により生息域間の遺伝的な類似度がわかる。
(2) 産卵場と生育場とはそんなに離れていないと思われるが、産卵生態はどのような形で行われるのか。また、餌は雑食性か。
現地での確認は難しいが、実験水槽下では、オスがなわばりである石等の空隙の中にメスを誘い入れ、メスが産卵してオスが育児活動をする。4日〜1週間で孵化し、1週間は親と一緒にいる。好みの餌は、石にへばりついている水生昆虫である。
(3) 生息数自体が分かりにくく、通常でも魚は長い期間で変動する中で、あえて減少傾向にあるというには、相当顕著な証拠があると思うが、その主たる原因はどこにあると考えているのか。
減少傾向は豊川という意味ではなく、伊勢平野においてネコギギが非常に減少している。河川改修によって空隙がなくなり、生息繁殖環境が速い速度で失われている。
(4) 一番上流には昔からアカザがたくさんいたが、ネコギギはそれより5〜6km下流の清崎の付近に多かった。例えば、ネコギギを保存する場合に、その上流ではだめなのか。それには水質や水温の影響があるのか。また、河川環境との関わりでなぜネコギギが大きな問題になるのか。
上流側が生息環境に適さないからいないのであり、ネコギギが生息している環境と似たものをつくることにより、上流側での生息もあり得るかも知れない。水質による影響はわからないが、ギギ科はもともと南方系の魚であるため冷たい水はむしろ好まない。
 ネコギギの重要性については、魚類生態学の立場から言えば、国の天然記念物であり減少傾向にあるが、豊川は他河川に比べてネコギギの生息数が多く、良好な自然環境が残されており、そういう場所にダムが造られることが問題である。また、生息範囲が限られ、生物地理学的に興味深い魚であり、豊川に限らず守るべき魚である。ダム予定地が豊川水系の中で最も生息数の多い場所であり、その個体群を残す必要があり、対策を十分に考えなければならない。
(5) 設楽ダムの予定地が今最も良い生息場所だということであるが、他の場所との生息量の比率等、量的な重要度を聞きたい。また、ネコギギの人工的な飼育や移殖は可能なのか。
人工飼育や繁殖はそれほど難しくないが、その前にそこの環境を守ることが重要である。ダム予定地の量的な重要度は、全域的な調査結果と個体数の推定が必要である。
(6) 河川工事によって減少していると言われたが、水質や外からの魚の移入も関係していると思う。また、ネコギギが棲みやすくなるよう、人工的に空隙を造って移動させるといった工事方法はどうか。
伊勢平野の中小河川に生息していたネコギギが、河川工事により全くいなくなった。水質の問題に関しては農業排水が流入しており、はっきりした根拠はないが河床の石に膜がはり、餌である水生昆虫が減少することがある。
 魚類相は豊川に関しては大きな問題であり、意識的な放流によりバスが増えたり、意識しない放流により琵琶湖産の稚アユにギギが混入して、生態系がかなり変化していると考えている。
 生息環境の復元は可能であるが、それを前提とするべきかはもう少し議論が必要である。ネコギギが生息している場所に移殖することには、遺伝的な多様性を残すために控えるべきだと思う。また、餌の確保の問題も絡んでくる。生息していない場所への放流は、うまくいく保証はなにもない。人為的な生息環境の復元は可能ではあるが、その費用は莫大なものになるかも知れない。未知の部分が多くあるので、継続的な調査が必要である。
(7) 矢作川のように上流にダムができたところの状況はどうか。また、他に集中的に見られる河川はあるか。
矢作川本川は砂っぽく、ネコギギは多くない。矢作川支川の男川には多くいる。この川の上流の、ダムがなく空隙の発達した場所にはまだいたので、もっと調査すれば出てくると思う。三重県の宮川、岐阜県の長良川の中・上流にも比較的生息している。
7. 河道内樹木の関係についても、次回以降の流域委員会で専門家の意見を聴く予定とした。
8. 豊川を勉強する会の松倉代表から1月26日付けで寄せられた流域委員会委員長宛の質問書については、配布した回答案のとおり回答することとした。また、事務局が答えた方が良い項目については事務局が対応することとした。
9. 今後の進め方について、配付した資料に基づき準備部会長及び事務局から説明した。審議の中で委員が発言された内容は次のとおり。
(1) 委員会で原案を作成した後に、住民意見交換会、公聴会、行政懇談会等があり、そこでのいろいろな意見でまた変更もあり得ると考えている。原案がそのまま整備計画案になる訳ではないので、できるだけ早く原案を作成すべきである。河川管理者が基本的な責任者ではあるが、住民の意見を反映する責任も委員会にはあると思っており、今後も委員会を継続することが必要であると思う。
(2) 素案に対して委員会が議論し、意見を述べ、それを参考に中部地方整備局が原案を作成するものであり、委員会が原案を作成する権限もないし義務もないという意味か。
(3) 素案ないし原案に対して意見を述べるという役割をどう解釈するかである。いろいろな修正意見を出して、それが収斂するとある種の案の形を持つだろうが、行政的な意味での案にするための細かい部分については、当然、河川管理者が行うと解釈している。
10. 設楽ダムが下流の生態系に及ぼす影響について、配付した資料に基づき準備部会長から説明された。審議の中で委員が発言された内容と一部事務局から説明した内容は次のとおり。
(1) 大野頭首工より上流では、底生魚については現状より将来の方が生息場面積が減っているが、これは大島ダムの影響か。
将来では施設の効率を高めるため、既設の宇連ダム等も含めて流域全体で総合的な運用を行うこととしており、基本的には回転率の高い宇連ダムから先に放流する。そのため、渇水が長引くと宇連ダムからの放流が先に止まり、この区間の流量が少なくなるためと考えている。
(2) 生態系を構成するいろいろな要素があり、例えば、水質や水温等の流量以外のファクターを変数としたモデルというのもあるのか
(3) このIFIMでは、取りあえず流量の関数として表現できるものだけを対象としており、水温とか水質も流量の関数として表現できるので加味されている。例えば、魚の棲み分けや天敵など流量の関数として表現できないものについては、専門的判断というもので加えていくしかない。
(4) 宇連川と寒狭川と本流だけを対象とし、それ以外の支流は省いているのか。
(5) 計算結果を出す対象として省いているだけで、流量の変化等では全ての支流が加味されている。
(6) 寒狭川頭首工の下流については、遊泳魚も底生魚も同じということか。
(7) 寒狭川頭首工からトンネルを抜けて大野頭首工へ導水される分だけ流量が減るので、寒狭川頭首工の直下に生息場面積が減る区間が出るということである。
(8) 設楽ダムから放流しても、寒狭川頭首工から大野頭首工に導水されるので、寒狭川頭首工より下流の維持流量は減るということか。
(9) ある年の流量時系列に対して、将来、総合的な運用が行われたときに、寒狭川頭首工の下流に流量が減る部分が出てきて、このような計算結果になっている。大野頭首工に導水されることによって、寒狭川頭首工直下で発電用に流水がバイパスされている区間に、その影響が出ていると思うが、寒狭川頭首工直下にも維持流量は設定されている。
寒狭川頭首工の直下流には3.3m3/sの制限流量を設定しており、ある程度の流量は流されるので、現状より極端に生息場面積が減るということではない。
(10) 今後、ダムの放流に当たっては、コンピューターを駆使して、魚類の生存を前提とした運用を行う計画となっているということか。
(11) 今までのように、単に渇水がなるべく起きないように操作規程等を設定してシミュレーションするというだけではなく、少なくとも魚の生息場面積がどう変わるかということまで踏まえたシミュレーションが一応できるようになったということである。
(12) 宇連ダムより下流の生息場面積が減る部分については、ネコギギの分布図を見ても丸(第13回資料2−2の生息域)となっており、板敷川で観光資源としても重要である。操作規程を少し変えて生息場面積が減らないようにするにはどうしたらよいのか。
(13) それは難しいが、折角こういうツールができたので、実際の操作規程がどう変わっていくかが、これからの課題だと思う。ただ、流量時系列の年を変えると全然違う話になり、非常に渇水であった年は豊川用水の確保が目一杯行われ、生態系には一番シビアな状況になると想定して計算する年を選んだ。
(14) ネコギギを対象にして評価することはできるのか。
(15) ネコギギもやりたかったが、適性基準を満足できる形で作るためのデータがまだそろっていない。全国の水産試験場の人に集まってもらい、日本の代表的な川魚について、ある程度納得できる形で適性基準を作ろうとしており、それがそろえばもっと対象となる魚種も増える。
11. 河川整備計画案(素案および修正・代替案)について、配付した資料に基づき準備部会長から説明された。審議の中で委員が発言された内容は次のとおり。
(1) 代替案には、設楽ダムの規模を変更する案を入れていない。これは、仮にダム規模を変更した整備計画案ができると地元の調整に時間がかかり、整備計画が想定しているタイムスケールからはずれてしまうと考えた。
(2) 牛川と下条の霞を締め切るのは大前提か。
(3) 牛川の霞については、委員会の中で締め切る話が出ていたが、下条の霞については、それを締め切るために、それとほぼ同じ役割を果たす放水路浚渫を考えている。
(4) ダム規模の縮小については、具体的な話が全然出ていないのでコメントできないが、地元としては一つの選択肢としてあり得る話である。いくつかの案の中でどれが良いかは地元とも話をしなければならないが、そういう選択肢も踏まえた上で考えていただきたい。
12. 河川整備計画案(素案および修正・代替案)については、次回の流域委員会で継続して審議することとし、次回は3月6日午前中に開催することとした。
以上

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