豊川の明日を考える流域委員会事務局 |
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日時:平成11年4月7日(水)午後2時〜4時40分
場所:豊橋市職員会館 5階会議室 |
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1. |
第2回、第3回流域委員会の議事概要について、配布された(案)のとおり確認された。 |
2. |
発言者の名前を付けて報道することについては、認めることとされた。 |
3. |
河川整備の現状と課題(治水)について、資料−1に基づいて追加説明した内容は次のとおり。 |
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(1) |
昭和13年の計画では、基準地点石田における計画高水流量を3,800m3/sとし、そのうち放水路に1,500m3/sを流すこととした。 |
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(2) |
昭和33年8月と昭和34年9月の出水を契機に昭和38年に改定した計画では、計画規模を100分の1(年超過確率)とし、石田地点における基本高水のピーク流量を4,700m3/sとして、そのうち上流ダムで600m3/sを調節し、計画高水流量を4,100m3/sとした。また、放水路には1,800m3/sを流すこととした。 |
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(3) |
昭和44年8月に当時の計画を上回る出水があり、昭和46年に改定した計画(現在の工事実施基本計画)では、計画規模を150分の1とし、石田地点における基本高水のピーク流量を7,100m3/sとして、そのうち上流ダムで3,000m3/sを調節し、計画高水流量はそれまでと同じ4,100m3/sとした。 |
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(4) |
工事実施基本計画における基本高水設定の考え方は、まず目標とする計画規模を150分の1にすることを決め、明治26年から昭和44年の観測雨量を基に統計解析を行って計画規模に相当する計画降水量315.5mmを決定する。次に過去の代表的な五つの洪水について、それぞれ実際の雨を計画降水量にまで引き伸ばし、流出計算によりハイドログラフを作成し、そのうちピーク流量が最大となる昭和43年8月型の結果から基本高水のピーク流量を7,100m3/sとした。 |
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(5) |
計画高水流量は、河道で分担可能な流量として石田地点で4,100m3/sとし、基本高水のピーク流量との差3,000m3/sは上流ダム群で調節することとした。設楽ダムは、上流ダム群の一つとして調査を進めている多目的ダムで、3,000m3/sのうちの1,000m3/sを調節するため、1,900万m3の洪水調節容量を確保する計画となっている。 |
4. |
審議の中で委員から出た質問と事務局からの説明は次のとおり。 |
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(1) |
年超過確率が前計画の100分の1から現計画の150分の1に変わっただけで、なぜ基本高水のピーク流量が4,700m3/sから7,100m3/sに増えるのか。また、実績最大流量と計算最大流量の差が大きいなど、計算結果だけの説明では疑問がある。現在の基本高水のピーク流量7,100m3/sの根拠について、正確な計算プロセスを説明してもらいたい。 |
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次回以降に説明したい。 |
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(2) |
昭和44年8月の洪水があったために計画を改定したとの説明であるが、基本高水のピーク流量の根拠となった昭和43年8月の洪水があったために改定したと見る方が自然ではないか。 |
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計画を改定するに当たっては、過去のデータを使って解析し直しており、改定の契機となった洪水のみで新しい計画を策定しているわけではない。 |
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(3) |
全国の河川における計画規模を見ると、重要度等だけでは理解できない。 |
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各河川の計画規模は、同一時点で決められたものではなく、各々の河川で計画を改定した時点において重要度等により評価したものである。ただ、今後策定する河川の計画の中では、必要な計画規模での整備ができないときに、できる範囲の計画規模に下げるべきであるとの議論はあり、地域での議論を踏まえて考えていきたい。 |
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(4) |
現時点で計画規模の議論をするなら、近年までのデータを基に整理した計画規模とそれに対する流量の説明が必要である。 |
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必要なことであり、整理して説明したい。 |
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(5) |
日本のダムは数十年すると土砂で埋まってしまうと言われており、100年とか150年という時間単位での計算に意味があるのか。また、計画規模を大きくすれば、ダムも大きくなる。 |
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ダムの容量には、堆砂容量として100年分の堆砂量を見込んであり、他の堆砂対策を行うことにより、ダムをさらに長く機能させることができる。また、計画規模の洪水が今年発生する確率が1/150ということであり、そのような洪水は今年発生するかもしれない。ある年にある規模の洪水が発生する確率とその想定被害額から算出される期待値(年平均被害軽減額)が100年間続くと考えて費用便益分析を行い、事業化の意思決定をしている。 |
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(6) |
計画上の数値を理解するため、部会などにより科学的、技術的な資料を分かりやすくする必要がある。なるべく早急にそういう機会をつくってもらわないと十分な意見の開陳ができない。また、流域委員会での議論の内容を委員自らの言葉で伝え得ることが必要である。 |
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委員の方に十分時間を取ってもらって説明するか、部会などで専門家の方に説明するか、どういう方法がいいか検討させていただきたい。 |
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(7) |
流域委員会は、河川整備計画の原案に対して意見を述べることになっているが、原案の作成段階で意見を述べ、原案に反映されるべきではないか。 |
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委員会の意見をできる限り河川整備計画の原案に反映し、その原案についてまた意見を伺いたい。そのために、河川整備基本方針が河川審議会にかかる前から、この流域委員会を設置している。計画規模や基本高水、計画高水流量等は河川審議会の意見を聞いて定めることになっているが、地域での議論を踏まえて具申しなければならないと思っている。 |
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(8) |
今日の説明の中で、基本高水のピーク流量や計画規模については、常識的に見て適正ではないかと判断している。 |
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(9) |
設楽ダムの問題もあり、政策決定するためにはいろいろな手続きも必要なことから、早く納得できるようにしてもらいたい。 |
5. |
豊川の河川整備に関する住民アンケートについて(資料−2)、豊川水系における河川整備の現状の課題と将来方向について(資料−3)、第9次治水事業五箇年計画の策定に向けて(資料−4)、河川審議会答申「新たな水循環・国土管理に向けた総合行政のあり方について」(資料−5)、河川審議会答申「21世紀を展望した河川に関する政策の基本的方向について」(パンフレット)に基づき、事務局より説明した。 |
6. |
市民団体から、東三河環境講座の案内があり、委員長から紹介された。 |
7. |
次回は、5月24日に開催を予定している。 |
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以上 |