村の姿

 

36災害の前年、筆者は、それまでの研究を教職員研究として発表しました。それは、筆者の研究活動の契機となった、生田地区の地質と崩壊の関係でした。その調査の結果として、花崗岩の風化した表土は雨に弱く、一度豪雨にあうとたちまち大災害となることを書きました。この村は小高い山の上に家があり、その周辺の斜面は、全て畑になっていました。旧生田中学校の校歌に、「耕して天にいたるは、わが村の生きる姿」という一節がありますが、このような村の姿がまさに災害に結びついてしまいました。

あれから50年経った今、当時の面影はなくなって、平和で静かな農山村が蘇っています。再び災害にあわないことを祈りたいと思います。


  1. 耕して天にいたるは わが村の生ける姿
    山国に山国の幸あれば われら歌う若きいのち
    りんどうの花のむらさき みどり濃き三つ葉の柏
    楽し 楽し生田 生田中学校

  2. 天竜の水に磨きて わが知恵は澄みてまどか
    朝焼けに夕焼けに彩られ われら歌う若きいのち
    白鳥の寄りてさえずり 学び舎に光は通う
    楽し 楽し生田 生田中学校

  3. .尾根つたい天につらなる 
    わが道は越えて遥か
    山国に山国の幸あれば 
    われら歌う若きいのち
    雪がつづく日本アルプス 伊那の山赤石岳よ
    楽し 楽し生田 生田中学校

旧生田中学校校歌 薮田義雄作詞、松本民之助作曲
(昭和31年3月3日校歌制定)

村の姿
写真 生田地区の平均的な生活基盤(柄山)