辰野町赤羽

低い尾根の直下30m地点より崩壊しました。緩い斜面にシャモジ型の崩壊があり、古い山崩れの跡地(凹地)に約40年生のカラマツ人工林があり、このカラマツ林内で発生していました。周辺は約50年生のアカマツ林で、崩壊の頭部に2〜3本倒れていました。土砂が流動した途中50m地点からは、約100m程度の間に崩積土下部にローム様難透水層(山中式土壌硬度計が17mmを示した)があり、ここで土砂流を加速していました。被災した人家までの距離が200m程度ですが、土塊上に樹木が立ったまま流動した形跡が、カラマツのクローネの枝の痕跡からわかりました。

赤羽土石流の位置
図-1 赤羽土石流の位置
(出典: 1/25,000地形図「辰野」国土地理院に加筆)

民家を破壊した土石流
写真-1 民家を破壊した土石流
土石流が運んだカラマツと破壊した民家
写真-2 土石流が運んだカラマツと破壊された民家
崩壊の冠頭部
写真-3 崩壊の冠頭部
速度を増した中間部(下部にすべリ面)
写真-4 速度を増した中間部(下部にすべリ面)

斜面崩壊地の崩積土の含有鉱物を写真-5〜8に示します。

崩積土上部層
写真-5 崩積土上部層
塩嶺累層マトリックス
写真-6 塩嶺累層マトリックス(※)
崩積土下部層
写真-7 崩積土下部層
御岳第1テフラ
写真-8 御岳第1テフラ
(提供:寺平 宏)


※塩嶺累層を構成する礫の間を埋めている土を採取