人間には2つの目があり、その2つの目の間隔は約7cmです。左右の目が離れていることにより、左右それぞれの目に映る景色には、見え方に微妙な違いを生じます。この見え方の違いにより、立体感を認識しているのです。
通常の写真やTV映像では、一枚の画像を左右の目で見ていますので、左右の目に写る画像のずれはなく、立体的に認識することは難しいといえます。
ステレオ写真の撮影には、専用のステレオカメラを用いる方法と2台のカメラを用いる方法がありますが、ここでは2台のカメラで撮影する場合を考えてみましょう。2台のカメラを人間の目の間隔くらい離し、同じ被写体を同時に撮影します。すると左右のカメラには、人間が目で見たときと同様に、僅かに左右にずれた画像が写ることになります。こうして撮影した左側のカメラの画像を左目で、右側のカメラの画像を右目で見ます。すると、あたかも撮影場所に立って見ているような臨場感を感じることができるのです。
この原理を用いたステレオ写真は、古くから利用されており、地図の作成などに使われてきました。また、カメラをビデオカメラに変えることにより、ステレオ映画を撮影することも可能になります。
平行法によるステレオ写真の見方を順を追って説明します。慣れるまでは、なかなか立体に見えないかもしれませんが、何回か試して見ることで、きっとステレオ写真として見えてくるはずです。
交差法によるステレオ写真の見方を順を追って説明します。「平行法」がうまくできなかった方も「交差法」ならできる場合がありますので、何回か試してください。
アナグリフ画像は、赤と青のフィルター(メガネ)を通して見ることで、ステレオ写真として鑑賞することができます。この方法では、専用の「赤青メガネ」を必要としますが、「平行法」や「交差法」のような訓練は必要ではありません。
アナグリフ専用の「赤青メガネ」を用いると綺麗に鑑賞することができますが、赤と青のセロファンを用意していただき、左目からは「赤のセロファン」を、右目からは「青のセロファン」を通してアナグリフ画像を見ることで、手軽に楽しむことができます。