9.12災害の概要

等雨量線図(総雨量)H12.9.12洪水

平成12年9月11日から12日にかけて名古屋市および周辺地域を襲った集中豪雨は、年間総雨量の1/3にも及ぶ567mmを記録し、名古屋市北部を流れる庄内川・新川の沿川に大きな被害をもたらしました。
庄内川の越水、新川の破堤、内水氾濫による氾濫面積は19km2に達しました。この水害によって約29,000人の住民が避難を強いられ、18,000戸を超える住家が被災。
事業所の浸水被害を加えた被害総額は約6,700億円に及び、流域に深刻な傷跡を残しました。
国土交通省中部地方整備局庄内川工事事務所では、愛知県と連携を図り、9.12豪雨被害を克服して災害に強いまちづくりを進めるために、各種の緊急事業を行っています。

 

降雨と出水の概要

庄内川

 

名古屋地方気象台では、11日19:00に時間最大雨量93mmを記録しました。庄内川の枇杷島地点(河口から約15km)では、11日20:20に T.P.5.70m警戒水位を超え、同21;00に出動水位、12日2:20に計画高水位、同4:30には過去の最高水位を2m近く上回る T.P.9.46mを記録しました。国道1号一色大橋の下流右岸では越水が発生し、JR関西本線橋から国道19号勝川橋付近までの約15kmの区間では長時間にわたり計画高水位を超過した状態が続きました。

庄内川の降雨と出水のグラフ

八田川

八田川春日井観測所(庄内川合流点から約2.4km )では、11日19:00に時間最大雨量72mmを記録。11日未明から12日までの総雨量は450mmとなり、昭和58年度からの観測開始以来最大の観測値となりました。11日17:30に警戒水位(T.P.14.50m)、同19:50に計画高水位(T.P.15.92m)を上回りました。その後、一時は計画高水位を下回りましたが、12日3:50に再び計画高水位を上回り、最高水位(T.P.16.45m)に達しました。

八田川の降雨と出水のグラフ

新川

新川の久地野地点(河口から約21km)では、11日17:50に警戒水位、18:30に出動水位、19:40に計画高水位を次々に超過。21:00には過去の最高水位を上回る第1ピーク(T.P.6.90m)に達しました。その後、一時低下傾向を見せましたが、21:00から22:00に洗堰を越流した庄内川からの洪水が流入し始め、水位は再び上昇。12日2:50に最高水位T.P.7.32mに達しました。このように9.12の出水では、新川流域の洪水流出と洗堰からの流入洪水が重なり、久地野地点では計画高水位を約13時間にわたって超過し続けました。

新川の降雨と出水のグラフ