地域みんなで水防災を考える、新しい社会実験~第3回水防災ワークショップを開催!!~

 平成12年の東海豪雨や平成20年8月末豪雨など、全国各地で風水害による被害が多発している中、名古屋では水防災に向けた取り組みの検討と新しい社会 実験を行っています。国土交通省や名古屋地方気象台、愛知県、名古屋市などの自治体、報道機関、情報通信事業者、NPO、有識者などが連携して「名古屋水 防災情報共有推進連携会議」を設立し、市民の暮らしや生命を守るための取り組みを推進する仕組みです。
 平成22年11月20日(土)に、名古屋市北区の川中学区で、第3回水防災ワークショップを開催しました。川中学区で将来起きるかもしれない水災害に備 え、水防災について考える場として、地域のリーダーとなる町内会役員や女性会などの方々30名程度と、名古屋市、名古屋地方気象台、NPO、当事務所など の担当者が川中学区集会所に集まりました。

 まず、川中学区連絡協議会長の神野氏から「前回のワークショップでの参加者の積極的な意見交換をうれしく思う、今日はとてもよく晴れているが災害はいつ 起こるか分からない、災害が起こってから検討していては遅く、今後この気持ちをいかに地域で共有していけるかが大切だと思う。」と挨拶があり、その後、 10月16日(土)に開催された第2回ワークショップの報告を行いました。 

  つづいて、参加者全員に携帯電話が手渡されました。これは、緊急時に避難情報の提供を携帯電話のメール機能によって配信する「エリアメール」というシステムを実際に体験してもらおうというもので、今回はワークショップ中に試験的にメール配信を行う旨の説明がありました。

 その後、自主防災行動について様々な議論が交わされました。参加者は前回と同じように3つの班に分かれ、大正、昭和、平成のそれぞれの地図 を見ながら、自分たちの住む川中学区の特徴を再度確認しました。外水氾濫が起きた場合、安全な避難場所はどこか、いつ、誰と避難するのか、内水氾濫の場合 はどうかなど、透明シートに書き込んだ浸水想定区域を地図に重ね合わせて、実際に災害が起きた場合の自分たちの行動について「安全と分かっていても川の方 向に非難す るのは抵抗がある」「避難の際は声かけが大事だが深夜であったりマンションなどでは難しいのでは」「浅い内水氾濫でも段差や水路などは見えなくなるのでと ても怖い」など次々に意見が出され議論が重ねられました。 

 そのとき、先ほど参加者に手渡された携帯電話から一斉にエリアメール着信の音が鳴ります。携帯電話のメールを始めて使う参加者も多く、 はじめはどうしたらいいのか戸惑う様子も見られましたが、実際に体験した参加者からは「初めてさわったが便利だと思う」「テレビやラジオなどの情報がない 場所にいるときは大変ありがたい」「緊急情報の音は同じ音に統一したほうが音に対して敏感になれるのでは」などの声が聞かれました。

3回にわたるワークショップは今回が最後で、集められた意見などは取りまとめ、地域の方々にご覧いただけるよう予定しています。