地域みんなで水防災を考える、新しい社会実験~第2回水防災ワークショップを開催!!~

  平成12年の東海豪雨や平成20年8月末豪雨など、全国各地で風水害による被害が多発している中、名古屋では水防災に向けた取り組みの検討と新しい社会実 験を行っています。国土交通省や名古屋地方気象台、愛知県、名古屋市などの自治体、報道機関、情報通信事業者、NPO、有識者などが連携して「名古屋水防 災情報共有推進連携会議」を設立し、市民の暮らしや生命を守るための取り組みを推進する仕組みです。
 平成22年10月16日(土)には、その社会実験の舞台となっている名古屋市北区の川中学区で、第2回水防災ワークショップを開催しました。川中学区で 将来起きるかもしれない水災害に備え、水防災について考える場として、地域のリーダーとなる町内会役員や女性会などの方々30名程度と、名古屋市、名古屋 地方気象台、NPO、当事務所などの担当者が川中学区集会所に集まりました。

イザという時のための、訓練と情報入手
 まず、さる平成22年7月17日(土)~18日(日)川中学区防災安心まちづくり委員会主催によって開催された「東海豪雨10年川中学区水防災訓練」 の報告を当事務所が行い、名古屋地方気象台からは「最近の豪雨の特徴と発信する防災情報について」の説明がありました。こうした訓練や防災情報の入 手はイザというときの備えとして非常に重要であることをみんなで確認しました。
 次に、「図上訓練」に移ります。これは川中学区の水災害の歴史や弱所など地域の特徴を確認し、避難経路や避難所など、避難に関する地域の課題を整理するための演習です。

水防災ワークショップ

水防災ワークショップ

熱気に満ちた図上訓練
 参加者は3つの班に分かれ、大正、昭和、平成時代それぞれ3枚の地図を囲んで演習に取り組みます。はじめに、現代の地図に透明シートを重ね、川や水路の 位置、町内会や避難所の位置、主な道路などをマジックで色付けします。次にその透明シートを、昭和や大正時代の地図に重ね、川の位置や町並みがどのように 変化してきたか、もし洪水が起きたらどう行動したらいいかなどをみんなで語り合います。そして気がついたことを付箋紙に書き込み、透明シートに貼っていき ます。
 「川の位置がずいぶん変わっているな。」「昔、川や水田だったところに、今は住宅が立ち並んでいるぞ。」「神社の位置は昔から変わらないな。」「避難所へ行くとき、この道路を通ると危険だ」など、次から次へと意見を出し合い、地図は付箋紙でいっぱいになっていきました。
 最後に班ごとに内容発表が行われ、予定時間をオーバーするほど熱心な意見交換が終了しました。今回の図上演習の成果は次回の会議で意見の取りまとめが行われる予定です。

水防災ワークショップ

水防災ワークショップ