河川敷は、増水時に河川の流水を安全に流下させ、川の氾濫を防ぐ大切な役割を果たしています。しかし通常時には、自然が豊かで貴重なオープンスペースとなっており、安らぎや憩いの場として利用されています。
庄内川河川敷においては、占用の許可を得て整備された公園やグランドなどがあります。こうした施設では、洪水時に設置物が水の流れを妨げたり、流出することで堤防を損傷することがないように、大雨等により洪水の発生が予測される際には、設置物は搬出するか転倒させることが義務付けられています。
このため毎年、施設管理者の方々により、それぞれの施設点検や撤去順序の確認等を兼ねた占用施設の搬出・転倒訓練が行われます。この地域では、梅雨や台風シーズンの川が増水しやすい出水期の前に訓練が行われています。
訓練は自主的に行われていますが事務所職員が立ち会う施設もあります。訓練結果は検証し、必要であれば撤去計画の見直しを求め、場合によっては施設の改善を求めるなど、適切な河川敷利用を推進しています。
《庄内川幸心健康公園での訓練状況》
●庄内川幸心健康公園【占用者:公益財団法人 河川財団】
場所:名古屋市守山区幸心(矢田川左岸河川敷)
日時:平成26年5月14日(水) 午前10時00分から
5月ながら夏日となった青空の下、占用施設の搬出・転倒訓練には、河川財団名古屋事務所の職員をはじめ、ボランティアで参加した名古屋北リトルリーグの父兄、ソフトボール代表のみなさんほか、50名以上が参加しました。
ゴルフ練習場とグランドに、それぞれ設置されたユニットハウスとトイレは、クレーン車で持ち上げられてトラックに積み込まれて搬出。分解された日除けの東屋やベンチなどの設置施設も、次々と手際よく撤去され、約1時間かけて撤去作業は終了しました。
参加したリトルリーグの父兄からは、「撤去訓練は大変ですが、練習の場所を提供してもらっているので、当然なことだと思っています。年に一度のことなので、みなさんがお父さんに有給休暇をとってもらって夫婦で参加しています。こうした訓練のおかげで、昨年9月の大雨時にも早い撤去ができて、やはり訓練は大切だと思いました。」との意見が聞かれました。
河川財団名古屋事務所長から安全な作業に
努めるよう挨拶がありました
作業の様子を取材するNHKとテレビ愛知の報道関係者
グランドのバックネットはネットをはずしてポールを倒せるようになっています
クレーン車によって持ち上げられたユニットハウス
トイレもクレーン車で持ち上げられてトラックに
ネットやグランド整備の道具などもトラックに積み込んで搬出
最後に、当事務所の遠山副所長から訓練の検証報告がありました
バックネットがはずされたグランド
看板やベンチ、ネットなどが搬出されたゴルフ練習場