建設業の課題解決に向けた取り組み
担い手確保・育成
- 建設業において高齢化等により技能労働者が大量に離職することが見込まれることから、将来を担う若者の 入職・定着を促し、人材を確保することが重要。
- 様々なイベントを通して地域や関係機関と協働して建設業をPRすることで担い手確保の取り組みを展開。
- 自治体と合同でのインフラ点検や若手技術者研修などの継続した実施に加え、災害時の迅速な情報収集体制構築に向けたOFF-JT※2によるドローン操縦士資格者育成など担い手育成の取り組みを推進。
担い手確保
- イベントなどを通して建設業に興味をもってもらえるよう、自治体と協働して「どぼく」をPR。
- 車両出動や事業ブースでのPRを通して、 親子連れに建設業を身近に体感
- 道路メンテナンスサイクルの確立に向けた必要な技術力を身に着けた職員採用のため、土木系学生が各自治体の採用情報へアクセスし易くなるよう「静岡県道路メンテナンス会議」※1を通して、学生向け採用案内パンフの作成や県内道路管理者の採用情報ポータルサイトの改良、採用情報の定期的な更新・合同発信を展開。
担い手育成
- 自治体・国職員が参加して双方の技術力向上に向けたインフラ点検の講習会を開催。
- 国若手職員の技術継承のため直轄工事の施工現場を活用した「施工技術研修」を年間を通して実施。
- 災害に備えて、若手職員を対象にした災害対策用機械や遮断機の操作訓練、ドローン飛行訓練を実施。
- ドローンによるICT技術講習(災害復旧時の3次元測量/モデル化)を若手職員(自治体・国)で受講。
- 大規模災害に備えた若手職員のOFF-JT※2 (教習受講)によるドローン操縦士資格者育成を推進。
ドローンICT技術講習会
中部インフラDXセンター 研修・講習 DX講習(中級)集合 DX講習(中級)は、主に施工者等の技術者向けの研修です。発注者(地方公共団体の職員)も受講できます。
インフラ分野のDX、BIM/CIMおよびICT施工について、最新の技術や活動事例を学び、生産性の向上等に向けた課題解決や効果的な活用について理解を深めることを目的としたものです。講義名 UAVによる災害復旧による航空測量、および3次元モデル化 学習内容 UAVによる3次元測量、点群データの高速自動処理、自動処理データに基づく3次元設計(土工形状の生成)などの技術を用いた、災害状況の早期把握、応急対策方法の立案、3次元設計データと連携したMC・MGをはじめとするICT機械施工など、災害時に活用できる最新技術を学びます。
※1. 静岡県道路メンテナンス会議: 静岡県の持続可能な発展を実現するために、静岡県と県下の35自治体が参加して、道路インフラを維持する活動に取り組む組織。
※2. OFF-JT(Off the Job Training): 職場や業務から離れて行われる指導で、講師を招きセミナーの開催、会場に赴いて研修を受講するなど、人材育成手法のひとつ
DX・新技術の活用(Digital Transformation)
- 労働力人口が減少する中、社会資本の効果的な整備を図るため生産性向上が不可欠。
- DX・新技術・新工法の活用で省人化・安全確保や長時間労働抑制・休日確保など働き方改革に取り組む。
- さらに低炭素で持続可能な道路交通実現のため、CO2削減などによる省エネルギー化の推進やカーボンニュートラル(炭素中立)実現に向けた道路交通のグリーン化(EVの普及推進)などの取り組みを推進。
3次元点群データを活用した立体マップ作製(SfM技術の活用)
SfM(Structure from Motion)技術とは、移動するカメラから得られる画像から対象地物の形状を復元する方法。これにより撮影した3次元点群データから高度な画像処理によって作成された「立体地質マップ」と「立体支保工マップ」をトンネル断面の計測管理に活用。
切羽断面観察から図面作成・修正の作業を軽減、省人化に繋がり工事中の安全が確保し生産性が向上する。さらに、建設当時の「立体地質マップ」のデータがあれば、維持管理面での生産性も向上する。
BIM/CIMの活用による建設生産管理システムの効率化
BIM/CIMとは、設計や工事において、3次元モデルを作成・ 活用することにより、詳細な検討や現地の分かり易い説明が可能になり、作業の効率化や安全性の確保・向上を図る。 現地状況を3次元化して、道路利用者目線での工事規制形態の検討・検証にも活用する。
遠隔臨場(工事等の監督・検査業務における効率化)
監督・検査業務に対して、ウェアラブルカメラやタブレット等の活用によりリモートの「段階確認・材料確認・立会」を実施する。複数の現場でも日程調整し易く、工場製作工程を止めず、臨場に要する労働時間の抑制に寄与し、継続して取り組んでいく。
照明灯のLED化等で省エネルギー化を推進
消費電力が少ない道路・トンネル照明灯のLED化等で省エネルギー化を推進し、CO2排出削減を図る。
(R5:99灯、R6:172灯予定)
「道の駅」におけるEV急速充電器の設置促進
電気自動車・燃料電池自動車等の次世代自動車の普及環境を整備、後押しし低炭素で持続可能な道路交通を実現するため、直轄一体型の「道の駅」において、充電ニーズの高い箇所を中心に急速充電器の設置促進を図る。
【設置済】
・道の駅 宇津ノ谷峠(上:静岡側))
・道の駅 朝霧高原
働き方改革
- 建設産業における働き方改革については、長時間労働の是正や週休2日の確保が必要であり、国土交通省として週休2日モデル工事の拡大等を推進。
- 現場レベルでの働き方改革を進めるため、受注者が作成する書類の削減や受注者との意見交換、ウィークリースタンスなどに取り組む。
- 事務所若手職員が働き方改革について検討し、オフィスリノベーションをはじめとする執務環境の改善、業務効率化やコミュニケーションの活性化を図るための取り組みを実施。今後も誰もが働きやすく、働きたいと思える魅力的な職場とするため、事務所全体で多様性を意識した働き方改革を推進。
現場レベルでの建設産業の働き方改革の取り組み
- 受注者の負担軽減を図る書類削減の定着のために、受発注者双方の実務レベルで実施状況を確認
- 現場での具体的な改善策等に関し、受注企業・監理技術者等と意見交換
- ウィークリースタンスを推進するため、受発注者双方で確認し、計画を策定
静岡国道事務所における魅力的な職場づくり
- 若手職員の提案による働き方改革施策の実現
- 若手職員や女性職員の意見を取り入れた『オフィスリノベーション』
- 就業時間の意識づけのための『終業5分前BGM』
安全の確保
- 労働災害の撲滅を目指して、日々の安全活動に加えて、労働基準監督署との合同安全パトロールや事務所全体の安全協議会の開催など、事務所及び工事関係者が一丸となって、安全確保の取り組みを推進。
- 国道1号清水立体尾羽第2高架橋事故のような痛ましい事故を二度と起こさないという決意とそれを決して忘れないために、7月6日を「しずこく安全の日」と制定。工事における作業員等の安全のみならず、道路を利用するドライバーや歩行者、沿道住民、事務所で働く職員や関係者の安全など、事務所に関わるあらゆる安全を追求。