海岸防護

防護について

  • 侵食から海岸を防護するために、従来の線的防護方式から、環境や利用において優れた面的防護方式への導入の実施しています。
  • ハード対策に加え、情報伝達システムの充実などの防災ソフト対策を促進します。
事業実施中の蒲原海岸(平成16年3月撮影)
事業実施中の蒲原海岸(平成16年3月撮影) JPG(30KB)

海岸を守るために

新しい海岸法

海岸法の改正
  • 昭和31年(1956年)に制定された海岸法では、津波、高潮、波浪等の海岸災害の防護が目的とされていました。
  • そして、平成11年5月(1999年)に改正された海岸法では、これまでの防護に加えて、環境・利用が目的に加えられ、今後は防護・環境・利用の調和のとれた海岸づくりを行っていくことになりました。

線的防護から面的防護へ

線的防護から面的防護へ

従来は直立堤防(護岸)や消波工により、海岸を「線的に防護するのが一般的でした。この方式だと、侵食の激しい海岸では、年数がたつにつれて砂浜が後退し、堤防が倒壊したり、波が堤防を超えてしまうようになる場合がありました。そこで考えられたのが複数の施設により、波の力を分散させて受け止める「面的に防護する」方式です。

代表的な海岸保全施設
堤防(海岸堤防) 高潮や津波あるいは高波などによって海水や波が陸地に侵入し、あるいは陸地を侵食したりするのを防ぐ目的で、海岸線付近に設けられるもので、現地盤を盛土しその表面をコンクリート等によってコーティングされた構造物です。
護岸 護岸は、つくられる目的は堤防と同じですが、堤防のように新たに盛土するのではなく、今ある海岸線をコンクリートなどでコーティングしたものです。
突堤 一般に海岸の汀線からほぼ直角方向に、沖側に向かって突き出して設けられる構造物で、海岸侵食防止、軽減及び安定化を図ることを目的として設置される構造物です。
離岸堤 離岸堤は、沖合に海岸線と平行につくられる構造物で、沖合からくる波のエネルギーを弱めて、その背後に砂がたまるようにします。
有脚式離岸堤 有脚式離岸堤は、消波機能を備えた上部工を鋼管杭と一体化させ支持させる構造物であり、コンクリートブロック離岸堤と同程度の消波機能を持ち、従来では設置が困難な急勾配海岸にも設置可能で、高波浪時にブロックが破損したり散乱して、周辺の利用等に影響を及ぼすことなく維持費が軽減できるなどの特徴があります。
人工リーフ 人工リーフは、自然のサンゴ礁を真似た構造物で、海岸付近に幅広い浅瀬をつくるものです。波は水深が浅くなると砕けてその勢いを失うことから人工リーフなどによってつくられた浅瀬により沖のほうで波が砕け、波の小さい海域を広く取ることができます。
消波堤 消波堤は、波打ち際付近に設置され背後の土砂等が流れ出すのを抑え、波のエネルギーを弱めることにより、砂浜の後退を防ぐ構造物です。

蒲原海岸の面積防護

蒲原海岸の面積防護
CALMOS(カルモス)有脚式離岸堤
CALMOS(カルモス)
有脚式離岸堤
斜板式有脚式離岸堤
斜板式有脚式離岸堤

離岸提(コンクリートブロック工法)

離岸提(コンクリートブロック工法)

海岸線と平行して、少し離れた沖に設置します。沖あいからくる波のエネルギーを弱めて、その背後に静かな場所をつくり出し、そこに砂がたまるようにします。

突堤と消波堤

突堤と消波堤

突堤は、海岸からほぼ直角に沖に向かって突き出して設置し、海岸に砂がたまるようにします。何本かならべて設置します。消波堤は、波うちぎわ付近に設け、波のエネルギーを弱めさせ、砂浜の後退を防ぎます。

有脚式離岸堤(カルモス工法)

有脚式離岸堤(カルモス工法)

水深の深い海岸や海底の傾斜が急な海岸でも設置しやすいように開発された離岸堤です。海底地盤に基礎となる杭を打ち込みます。

駿河海岸の面積防護

駿河海岸の面積防護
PBS/VHS 有脚式離岸堤
PBS/VHS 有脚式離岸堤
斜板式有脚式離岸堤
斜板式有脚式離岸堤

海洋技術総合研究施設

海洋技術総合研究施設

波の高さや流れの速さ、風向、風速などの、海に関するデータをいつも観測したり、海の構造物としてのいろいろな試験を行う施設です。

消波堤

消波堤

波うちぎわ付近に設け、波のエネルギーを弱めさせ、砂浜の後退を防ぎます。

突堤

突堤

岸からほぼ直角に沖に向かって突き出して設置し、海岸に砂がたまるようにします。何本かならべて建設します。