よくあるご質問 砂防編

Q&Aコーナー

当事務所の事業に関して、寄せられたご質問の中から代表的なものをいくつかご紹介します。

  • 質問1.

     狩野川の支流には多くの砂防堰堤がありますが、土砂で埋もれてしまっているものが多く見られます。このような状態で役に立っているのでしょうか。
  • 質問2.

     砂防堰堤とはどのような役割りをしているのですか?
  • 質問3.

     砂防堰堤は水をためるのですか?
  • 質問4.

     砂防堰堤内の土砂がいっぱいになってしまったら、どうするのですか?
  • 質問5.

     川に砂防堰堤ができると人々の生活は安全になりますが、魚が上流にのぼってこられなくなるのでは?
  • 質問6.

     砂防堰堤は、どのような場所につくられるのでしょうか?

質問1.狩野川の支流には多くの砂防堰堤がありますが、土砂で埋もれてしまっているものが多く見られます。このような状態で役に立っているのでしょうか。

回答1.

砂防堰堤(さぼうえんてい)には「砂防堰堤のはたらき」に示すとおり、透過型砂防堰堤や不透過型砂防堰堤などの種類があります。
透過型砂防堰堤と、不透過型砂防堰堤の一部では、土砂がたまった場合には撤去を行います。
また、その他の不透過型砂防堰堤では、土砂がたまることにより、土石流のスピードを遅くしたり、山すそを崩れにくくしたりしているものもあります。

砂防堰堤のはたらきPDF(930KB)

質問2.砂防堰堤とはどのような役割りをしているのですか?

回答2.

河川の上流(渓流)に大雨が降り山崩れが発生すると、大量の土砂や大きな石、流木等が一気に下流へ流れ落ちます。この災害のことを土石流と言います。砂防堰堤は、土石流を上流で食い止め、下流の人家や公共施設等への被害を未然に防ぐ為に設けられた砂防施設の一種です。
砂防施設には砂防えん堤の他に、川の中に階段状の施設を設けることで川の流れを緩やかにする床固工や、山崩れが起きた場所に木を植えて斜面を崩れにくくする山腹工などがあります。

質問3.砂防堰堤は水をためるのですか?

回答3.

砂防堰堤に水をためる機能はありません。不透過型砂防堰堤には水通し部や水抜き穴を設けて水を流し、透過型砂防堰堤では水通し部で水を流します。 水量が多い川では、砂防堰堤により勾配がゆるくなることで、水がたまって見えることがありますが、上流から流れてくる水の量と砂防堰堤から下流に流れていく水の量は同じであり、水はたまることなく常に入れ替わり流れ続けています。


  • 不透過型砂防堰堤の水通し部と水抜き穴
    (奥の沢第2砂防堰堤)

  • 透過型砂防堰堤の水通し部
    (数沢砂防堰堤)

質問4.砂防堰堤内の土砂がいっぱいになってしまったら、どうするのですか?

回答4.

「回答1」のとおり、土砂を取り除く場合もあれば、土砂をためたままにする場合もあります。土砂を取り除くか否かはそれぞれの砂防堰堤であらかじめ決めており、適切に管理しています。

質問5.川に砂防堰堤ができると人々の生活は安全になりますが、魚が上流にのぼってこられなくなるのでは?

回答5.

河川で砂防整備を行う場合、魚がのぼれる施設「魚道」を設けたり 落差を少なくするなど、全国各地で魚のことを考えた方法がとられています。 国土交通省沼津河川国道事務所が整備を行う狩野川においても、砂防施設の計画、設計にあたっては、魚の種類や習性、生態などを事前に調査しています。

質問6.砂防堰堤は、どのような場所につくられるのでしょうか?

回答6.

国土交通省では、「土石流」が発生するかもしれないと、危険が予測される場所を調査しながら、砂防堰堤の建設を進めています。一般には人目につきにくい、急峻で荒れた山間の谷につくられます。 土石流は、大雨の時などに土砂が急激に流れ出て、大きな岩や流木をまきこみながら民家や田畑を襲う、恐ろしい土砂災害を引き起こします。土石流などによる土砂災害は、毎年全国各地で1,000件近くも起こっており、多くの被害が出ています。伊豆半島でも、昭和33年の狩野川台風によって発生した土石流で、大変な被害を受けました。砂防堰堤は土石流の発生を防ぐために、土砂を一時的にせき止め、土災災害から人々の生命や財産を守る重要なはたらきをしているのです。