まんなかビジョン
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議事要旨

第19回 国土交通中部地方有識者懇談会【まんなか懇談会】−議事要旨−


日時 平成21年5月12日(火)15:00〜17:00
場所 名古屋銀行協会 5階 大ホール

◇本懇談会のとりまとめ結果(須田座長による総括)

  1. 次期まんなかビジョンについて
    1)前回懇談会以降の追加事項について
    • 本資料の取りまとめ以降も引き続き、各市町村長の意見を聴取していただきたい。

    2)本懇談会の論点事項ついて
     (1) 9つの地域割りについて
    • 9つの地域割りについては確認を受け、異論はないとの意見をいただいた。特に、圏域を超えた地域割りはユニークな試みであり、これを活かしたビジョンとしていくべきである。
    • ただし、9つに地域に分けた経緯や考え方の整理が不足しているため、明確に示す必要がある。また、「連携」や「補完」の必要性・重要性を示すために、キーワードを整理する必要がある。

     (2) 社会資本整備の方向性について
    • 社会資本を整備していく上では、「選択と集中」を徹底していく必要がある。
    • これまでの社会資本整備とともに、「人を中心に据えた社会資本の整備」や「モノづくりをサポートする社会資本の整備」について考えていく必要がある。
    • その中では、例えば、「陸・海・空の社会資本の連携強化」、「依然弱い南北軸の強化」、「海岸線の保全」等が挙げられる。
    • 「資源再生」

    • についてより考えていかなければならない。役割を果たしていない社会資本等について、維持・管理による機能保全と共に+αを付加していくことを考えていく必要がある。

     (3) 愛着が持てる地域づくりのあり方について
    • 地域の個性や特性を活かしていくということを明確に位置付ける必要がある。
    • 地域固有の「文化」・「芸能」について明確に示す必要がある。
    • 例えば、三重県の尾鷲市、熊野市周辺を指す「東紀州」という呼び名について、地域の捉え方も踏まえて、今後考えいかなければならないのではないか。

以上

◇各委員の発言

T.次期まんなかビジョンについて

  1. 前回懇談会以降の追加事項について

    ○須田座長

    • 本資料の取りまとめ以降も引き続き、各市町村長の意見を聴取していただきたい。

  2. 本懇談会の論点事項
     (1) 9つの地域の役割と発展を重視した、相互連携による地域づくりの方向性
     (2) スピード感ある「選択と集中」による、平成24年度までの重点事項と目標

    ○奥野委員

    • 適切な表現が成されたビジョンであると思う。アウトカム指標でフォローアップしていくことは、計画実行においては重要である。
    • 今の日本は、ちょうど1980年代当時の「荒廃するアメリカ」前夜ではないかと感じ10年後が危惧される。
    • このビジョンの内容が、期限内に確実に実行されることが極めて重要である。
    • 暮らしと地域の文化、誇りの創造のために施策を展開していくことが重要である。

    ○川下委員

    • 陸・海・空のインフラ整備水準に差が感じられる。今後「選択と集中」を考える際に各々のインフラ相互間の連携の観点も考慮してほしい。
    • 単に新しいインフラを整備する時代ではなく、既存インフラの機能を高度化することも重要である。
    • 1990年代のクリントン政権以降、アメリカの公共投資は、産業の強化、下支えを狙う戦略的な産業政策と軌を一つにしたものであった。このような事例から日本に於いても産業政策と整合性のとれたインフラ整備を考える観点も必要である。

    ○中村委員

    • 「選択と集中」の観点でよくまとまっている。課題は、優先順位の決め方と目標設定の中でどの様な具体的数値を示すかである。
    • 地域によって、地名が随分輻輳している。三重県尾鷲・熊野地域は「東紀州」と呼ばれているが、地域の人が愛着の持てる名称に見直す必要があるのでは。
    • 渚の確保は、陸上からの汚染物質の浄化機能の確保という面もある。防災面と共に環境面についても検討した上で施策を推進することが必要である。
    • 資源の活用について、人類最大の課題は長期的にみれば水問題である。その中で三重県は全国的にも多雨地域であり、雨のエネルギーを活用した「雨力発電」ができないか考えている。

    ○東委員

    • 9つの地域の分け方は、様々な特質を踏まえ歴史や流域の繋がりも念頭に置いた点が良い。
    • 「愛着の持てる地域」を目指す上で、土地に根ざしたアイデンティティを持ち、歴史、文化などの地域らしさの創造が必要である。
    • そのためには、人を中心とした社会資本のあり方を考え発展させていくことが大切である。
    • これまでのように迅速なインフラ整備も重要だが、時代の転換期においては地域連携によるプロジェクトへの取り組みが重要です。

    ○松浦委員

    • これまでモノづくりによる国際競争力の強化、活力の向上を重視してきた中で、自然、歴史・文化、生活圏等を考慮した9地域の分け方は良い試みである。
    • 将来の社会資本整備については、自助、共助がある中に公助が施されることで、地域の自立性を高められると考えられる。
    • 静岡県は、東西交通の充実によりベルト地帯を形成し交流の広がりで発展してきたが、歴史的には深い繋がりがある長野・山梨県とは整備が成されていない。新たな可能性が開ける南北交流の強化が重要である。
    • 地域の自立性を維持するという観点から、産業構造のバランスが重要であり1次産業と3次産業の強化に向けた社会資本の整備が必要である。
    • 「暮らし」の点では、安全に地域内を移動できるかを求めることは良いことである。誰もが快適に暮らせる水準になっているかどうかが問題です。

    ○松尾委員

    • 9つの地域をどの様なコンセプトで分けたのかを明確にすべきである。そのためには互いのゾーンの連携や補完のエレメントになるキーワードを拾い上げ整理してみることが大事であり一般の方々へも理解を深めていくためには必要です。
    • 「暮らし」の中で、利便性や快適性などの生活レベルが一定水準どこの地域も満たされている上で、各地域の特徴や個性を更に伸ばしていく事が重要である。
    • この地域で何を+α進めていかなければならないかが示されれば、この計画全体が非常に分かり易くなるが、+αには文化や個性が無いといけない。
    • 世界で魅力ある街は物語性があるように、そこに住む人たちが愛着と魅力を感ずる、地域やまちの物語性が大切である。
    • 地域全体を見るのは国しかできないが、この地域の計画と行政区画との関係を整理する必要がある。
    • また、一挙に老朽化する社会資本を維持管理をすることと、再生とは異なり、維持あるいは復旧に+α付加する「資源再生」という切り口が必要である。

    ○水谷委員

    • 9つの地域分けは、極めて常識的で分かりやすい。
    • モノづくりが強かった当地域においては、今般の経済情勢の変化によって、弱くなった。そのうえで、「モノづくりによる国際競争力の強化」を重点目標の最初に掲げたことは大変重要である。
    • 大きな変化に直面している中、その後どのように対応していくかが重要であり、日本全体のことを考えるとモノづくりの重要性を再認識する必要がある。
    • 行政の役割は、社会資本整備によってモノづくりをサポートすることであり極めて重要です。
    • 「選択と集中」の考え方の下、全国的に見て中部地域をどうするかという観点があると同時に、この地域の中でも相当の「選択と集中」が必要である。

    ○須田座長

    • 観光客の安全という観点で特段留意している自治体がまだ少ない。ピーク時には人口の数倍にあたる観光客が来訪する観光地があり大地震発生時の安全を危惧する。
    • 地震の予想される観光地の責務として観光客の安全を考えておく必要がある。

    ○桑田委員

    • 中部地方の古くからの繋がりのある9つの地域に着目し、各地域の役割と発展を示したビジョンは良いと思う。
    • 今後はこれを基に、各地域の都市部と地方部が連携してどの様な地域づくりを展開していくかを各地域の行政関係者や住民が一緒になって考えていくことが重要である。

    ○水尾委員

    • 9つの地域に着目し、それぞれの魅力を高めていこうとする概念は良いが、これらの地域割りをどの様な観点で行っているのか記述すると良い。
    • 港湾・空港・道路などの社会基盤に関する中部圏の将来ビジョンとして、中部の圏域内にとどまらず、他圏域も含めた広い視点で、かつ、長期的視野で、必要なインフラをどの様に整備していくか検討し、ビジョンに盛り込むと良い。
    • 国・県・市町村の役割を踏まえ、中部圏ビジョンに示すべき計画を厳選し、メリハリある計画となる将来ビジョンにすると良い。

以上


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