まんなかビジョン
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議事要旨

第12回 国土交通中部地方有識者懇談会【まんなか懇談会】議事要旨


日時:平成17年9月28日(水)10:00〜12:00
場所:名古屋銀行協会 5階大ホール

1.開会

2.開会挨拶

3.懇談会

  1. 提言骨子について
    • 事務局による資料説明 −省略−

  2. 自由討議
    • 桑田委員
      • 日本の中で中部地方をどう捉えていくのか、この懇談会でまとめられた提言が今後近畿や北陸等、他の地域とどのように関連していくのかを考える必要がある。
      • 都市部と農山村部の均衡ある発展が重要なのではないか。農山村を支える人が非常に少なくなってきているので、農山村を支える施策に重点的に力を入れていくべきである。

    • 谷岡委員
      • 非常にうまくまとまっており、「美しい」提言内容となっている。
      • ここで掲げられた提言を、今後具体的に進めていく上では、それぞれのプロジェクトについて拠点となる場所を設け、拠点を中心として重点的に整備を進めていくことが重要である。例えば、空港の前島を利用して、環境関連の取引などが行われる環境メッセを整備するのはどうか。欧米の環境関連の研究所や環境NGO、扱われる物品について環境評価を行う第3機関などを誘致し、産官学民による環境産業の拠点化を図る。万博の理念は、瀬戸や長久手のような公園ではなく、新しいダイナミックな活動を生み出せる前島のような場所を拠点化し、継承していくべきである。

    • 箕浦委員
      • 50年後、100年後の中部の将来像を具体的にイメージでき、全体としてよくまとまった提言となっている。
      • 愛・地球博は成功に終わったが、万博成功の要因の一つは、当初の目標を1,500万人と控えめに設定したことが大きかったのではないか。控えめに設定することで収支も黒字になり、混雑がかえって希少性を生み万博がブランド化した。また新ホテルの建設ラッシュも起きず、既存ホテルは高い稼働率で利益を得ることができた。これらの成功の影にはこの地域の人々が持っている控えめで慎重なマインドが功を奏したのではないか。
      • ここ2,3年は名古屋ブームであり、東京、大阪だけではなく外国からも資本が多く流入してきている。この勢いは今後も止まらないと思うが、中部が急速に国際化していき、テンポが速くなっていくことで、この地域の人々がもっていたマインドの良い部分が変わらないかと懸念している。
      • 「国土の健康回復を実現する中部のモノづくり」というキャッチフレーズは非常によい。

    • 水谷委員
      • 提言は大変良くできている。図も多く非常に見やすい。
      • 財政的な制約もあり、今後すべてのプロジェクトを実施していくことは難しい。提言で述べられている通り、選択と集中をしていくことが重要。
      • 住民と行政の関係について言えば、個人でできることは個人で、地域でできることは地域でおこなう、どうしても国でしかできないことを国がやるというスタンスが望ましい。提言の中では、個人と地域の役割をもっとはっきりと出してもよいのではないか。
      • このような役割分担を念頭に置き、国が施策を実施するときは、あまりきめ細かく実施しないことが重要である。きめ細かいことは住民や地域に任せ、国は施策の重要な柱(骨にあたる部分)を100年の計をもって推進していくことが望ましい。あまり小さなことをやると、国がすべき大きな事ができなくなってしまう。

    • 水尾委員
      • 提言はこれで十分だと思うが、今後どのようにこれを具体的に実行していくのか、次のステップを目に見える形で随時見せていくことが重要である。
      • 中身について言うと、産業の国際競争力という分野では、省庁の垣根を越えて、例えば経済産業省と連携しつつ進めていくことが望ましい。また、伊勢湾スーパー中枢港湾については、伊勢湾の自然再生という面も含めて多面的に進めることが重要である。防災分野では、災害時対応において自治体間の連携を強化できるような施策が進められるとよいのでは。最後の新たな圏域という概念は非常に今後重要になると思うので、できるだけ早く検討を進めてほしい。

    • 松尾委員
      • よくまとまっていると思う。今後は提言で掲げた理念をいかに実際に移していくのかが重要。例えば施策をロードマップに落としていくような作業が必要なのではないか。
      • また、理念を実際に移す際のキャッチフレーズのひとつとして、「複数拠点からなる真に豊かな中部」、サブテーマとして「縮小こそ新たな美しい発展への道」ということばを考えていた。今までは拡大、膨張こそがよしとされていた時代だが、今後は「縮小」が当たり前という前提のもとで、それを前向きに捉え、真に豊かな中部地方をつくりあげていくことが重要である。
      • 報告書の表現として片仮名でわかりづらい用語がある。ロジスティクスハブスーパー中枢港湾といった用語は整理して、可能であれば平易な言葉にしてほしい。また、全体的に色が多すぎてかえって見にくくなっているのではないか。
      • 次の時代における世界的な重要課題として、水資源の問題がある。国交省としても、水資源の重要性にしっかりと踏み込んだ水活用方策を今後検討していく必要がある。
      • また人口の減少や出生率の低下といった境界条件を明確にしつつ、それをしっかりと念頭に置いて次の計画を作成していく必要がある。

    • 東委員
      • 今回の提言に盛り込まれた内容を今後具体的に進めるにあたっては、どのように住民に提言の内容を伝え、行政と市民・企業(事業者)が役割分担をしながら進めていけるのかが大きな課題である。
      • また、今回出された中部地方の方向性を中部以外地域に対しても積極的に情報発信し、防災や観光などの面で他圏域との連携を進めていくことが必要である。
      • 美しい景観づくりを進めることは地域づくりについて市民の理解を得る第一歩である。景観づくりにおいては、地域の特徴を活かした、地域らしい景観形成を進めることが重要である。屋外広告物のコントロールや沿道の緑地整備といった施策についても今回の提言の中に入れてはどうか。

    • 中村委員
      • 愛・地球博は成功といわれているが、混雑や渋滞、自然環境への影響など様々なマイナス面もある。中部地方は万博効果におごることなく冷静にポスト万博を考えていく必要がある。
      • 50年後の社会を考えると、リニア新幹線はできているだろう。東京−大阪が1時間で結ばれた場合の名古屋のあり方を考える必要がある。セントレアについても、滑走路の延伸を今から考えておく必要がある。また、人口については、日本人は減少していると思うが、アジアや南米の国々から多数入ってくることが考えられる。国内で増加する外国人に対する対応もしっかりと考えておく必要があるだろう。

    • 小笠原委員
      • 中部地方は日本のものづくりの中心地、日本経済の牽引役である。今後もモノづくりの強みを活かしつつ、新しい産業集積を進め、地域経済を発展させていくことが非常に重要でる。
      • 提言を具体的なものとして進めていくためには、今の課題に対してどういうアクションをしていくかを迅速に打ち出していくことが重要。また、計画実施にあたっては、施策の大きな流れがはっきりとわかるかたちで進められると望ましい。
      • 中部地方で万博が行われたのは非常に大きい意味を持つ。今後は万博の成果を分析して、成功あるいは失敗要因を導き出し、今後のビジョンの発射台に折り込んでいくことが望ましい。

    • 奥野委員
      • 「世界メッセの実現」ということが書いてあるが、名古屋商工会議所で来年度大きいメッセが開かれるなど、これは現実的に既に手が着いていることであり、これからさらに発展させるという表現に変える必要があるのではないか。

    • 須田座長による総括
      • 今回の提言案の構成、内容については、「美しい」という言葉を頂けるなど、全体的に高い評価を頂けた。ただし、細かい点でいくつかご意見を頂いたので、何カ所かは修正をする必要がある。
      • 本日の意見をまとめると、計画の全体に関わる意見と、計画の具体的な実行に関わる意見とに分けられる。計画全体に関する意見としては主に下記のようなご意見を頂いた。
        • 重要な柱(骨の部分)を立てることが国の仕事であり、細かいこと(肉付け)は住民、地域にまかせていくべきである。国は計画の柱において方向を間違えないようにしなくてはいけない。
        • 地域のブランド、ないしは地域の心を大事にしつつ計画を作っていくことが望ましい。
        • 具体的な施策として、水の問題、景観問題、都市と農村の整合性という問題についてもう少し踏み込んでみてはどうか。
        • 他の地域との連携および整合性についても考えるべきである。
        • 表現について、少し色がきついのではないか、片仮名用語が多いのではないか。
      • 今回の提言に盛り込まれたことを今後いかに実行していくかということは非常に重要である。これから具体的な実行に移すためには何が必要かということについて主に以下のご意見を頂いた。
        • ロードマップをはっきりと用意するべきではないか。
        • 施策を整理し、拠点化を進めることが重要ではないか。空港前島の整備はその一つの例として考えられるのではないか。
        • 産官学の役割分担が必要なのではないか。また、同時に、計画実施における地域住民と行政との役割分担についても考えていくことが重要である。
        • 提言のフォローアップとして、具体的な実行計画を速やかにつくっていくことが必要である。特に国際競争力、伊勢湾、及び防災面での施策において速やかな実行計画が必要なのではないか。
        • 実行に関しては境界条件を明確にしつつ、それを念頭に置いておくことが必要である。また施策の全体の流れがつかめるように計画を実行していくことが望ましい。
        • 実行にあたっての留意点として、万博の成果と反省を十分に考えて、分析を行った上で計画をつくり、実行していくことが必要である。
        • キャッチフレーズ的なものとして、「複数拠点からなる真に豊かな中部」、「縮小こそ新たな美しい発展への道」という言葉が考えられるのではないか。

5.閉会挨拶

6.閉会

以上


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