まんなかビジョン
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議事要旨

第7回 国土交通中部地方有識者懇談会【まんなか懇談会】議事要旨

日時  平成16年2月26日(木)
   10:00〜12:00
場所  KKRホテル 名古屋3階「芙蓉の間」

1. 開会
村田中部地方整備局長挨拶
   
2. 懇談会
(1) 「まんなかビジョン」について
  事務局より「まんなかビジョン」改訂版について説明
(2) 自由討議
奥野委員
 
  • 今後、「ビジョン」に書かれている内容を実施していく際には、広域的なブロックをどのように形成するかが非常に重要。道州制など、行政区分のあり方も今後議論していくべきでは。その点、中部地方はブロックとしてのまとまりを見つけることが難しい。
  • 関東や関西と比較すると、中部地方においては、愛知県と周辺の地域との間の人・モノ・情報の交流が少ない。
  • 中部ブロックというまとまりに「まんなかビジョン」をどういうふうに活かしていくか、という視点が必要なのでは。
  • 例えば名古屋駅付近のような多くの人々が集まる場所において、地震などの都市災害が実際に起きた場合、鉄道事業者や道路管理者等関係主体がそれぞれの管轄の範囲を越えて、広域的に人々を誘導する準備ができていないのではないか。
  • 東京では十分ではないが丸の内付近では対応が見られる。名古屋においても広域的な避難場所までの誘導方策を前もって定めておくなどの対応が考慮されるべき。
   
須田委員
 
  • 中部地方のインフラは重点的に整備を進めていく必要がある。
  • 中部の社会資本整備は完成時にはその波及効果は小さくない。東海環状道路や東海北陸自動車道など、もう少しで完成するものは、それを重点的に行う効果や意義があるということを強調すべき。
  • 六全総においても、地方がブロック別に計画を進めていくことが示されている。今回の「ビジョン」が将来の地域計画にどのようにつながっていくか、興味をもってみている。
  • 表紙については、いかにも「総花式」な印象。風景やシンボル的なものの方がよいのではないか。
  • 長・短期のプロジェクトがあるが、混在しているため、わかりにくい。メリハリをつけてわかりやすく示す必要がある。
  • 観光には、都市的な観光、産業観光、街道観光と3つの面があるが、これが各プロジェクトに分散されて、具体的に観光についてどこに書いてあるのかがわかりづらい。
  • 重要な項目が分散している。「景観」や「観光」など主要な項目については索引を付けるなどの工夫が必要。また、各分野について要約などがあればなおいい。
  • 説明のアクセントをつける、主要な項目はクローズアップする、メリハリをつけるなど一般の人が読みやすくなる工夫が欲しい。
   
渋谷委員
 
  • 「ビジョン」には長期の事業と短期の事業が載っているが、そのなかでも、今後1,2年間でおこなわれる事業は非常に重要。万博と中部国際空港だけでも「ビジョン」から特にピックアップして紹介するとよいのでは。
  • 8つのスタンスに書いてあるが、社会資本全体について、既存のストックを含めたハードをソフトと結びつけて、機能を発揮させていくことは非常に重要。
  • 「住民参画」という言葉には住民の主体性が見受けられない感がある。住民が主体的に行動し、知恵を発揮できるような具体的な手段を考えていくことが必要。
  • アウトカムという面では、顧客志向という考え方が重要であり、利用者の視点を強く意識することが大事。
  • 今後はこの「ビジョン」をいかに実行していくかということが重要であり、「不断のフォローアップ」と書いてあるとおり、事業サイクルの中でつねにPDCAを意識して、チェックをおこなっていく必要がある。
   
箕浦委員
 
  • 「ビジョン」はよくできているが、基本的に何が一番大事で、何のためにつくるのか、ということを明示すべき。
  • 中部地方の特色は、拠点が分散しており、それぞれの地域にそれぞれの特色があるということ。それぞれの地域がもつ歴史と特性をもっと活用して、個性を打ち出していく必要がある、そのために、社会資本整備を進めていく、というのが計画の本来の順番なのでは。
  • 政策の体系図が示してあるが、住民側から見ると、下の方に挙げられている問題が逆に一番身近である。自然環境の保全や安全・安心な暮らしの実現のために、産業や交通分野での整備が必要であるという住民側から見た視点も必要。
   
中村委員
 
  • 国土交通省はビジット・ジャパン・キャンペーンに取り組んでいる。新規の公共事業も必要だが、文化の集積した古いまちなみや街道などを残すなど、世界遺産ではない文化遺産を残していく方法を国土交通省ももっと考えてほしい。
  • 地震を予知することはむずかしい。地震がいつ起きてもいいように、日頃から備えておく必要がある。防潮堤の管理の徹底や津波に備えた避難場所の設置などが必要。とはいえ、あまりにも防災にとらわれすぎて他のことがおろそかになってはいけない。
  • 例えば、多くの外国人が中部地方の観光地を訪れるような、これからの中部地方が展望できる「まんなかビジョン」にしてほしい。
   
谷岡委員
 
  • 満足度調査の結果と討論会の意見の方向がまったく反対である。討論会は旧来型の人を選出していないか。
  • 表紙のデザインは国土交通省が変わってきていると言うことを認識できる非常に優れたもの。一般に見てもらうには、この方がよい。お弁当の中身については、それぞれの具が中部地方のどこから来たのか解説を入れてわかるようにするとよい。
  • ビジョンの内容を今後実施していくにあたっては、時間のロスがないようにしていってほしい。計画段階から情報や地域の人々の声をしっかりと聞き、計画に反映していくことが重要。
   
桑田委員
 
  • 「ビジョン」は幅広くいろいろな意見を聞いてまとめられたという印象。
  • 国も地方も財政的に厳しい中、これを具体的に実施していくには、今後どのような順序でやっていけるのか、という優先順位が必要。少ない財源で今後事業を行うためには、地域の住民が税金で行われる事業に対して理解を一層深めていく必要があり、そのための方策が引き続き求められる。
  • その意味では、事業を進めるに当たって4県1市の連携作業が不可欠であろう。
  • 満足度調査は非常によい調査である。関心度は高いが、満足度は低い項目に関しては今後住民の意見をよく吸い上げて事業に反映していくことが重要である。
   
水谷委員
 
  • 将来の社会がどうあるべきで、どのような事業が必要かと考えると、多くのことは民間がやるべきことであると思うが、その中で公共分野においてなされるべきことはやはり社会における基本的なインフラの整備が中心となるであろう。
  • 現在中部地方では万博と空港という2つの国家プロジェクトに公共投資が集中しているが、万博と空港の開港後に公共投資はなくなっているであろう。
  • 現在の公共投資は、国家プロジェクトということで、地域の住民の意向とは別の次元で決定されてしまっている。したがって、国の状況が変われば、地域における公共投資もなくなってしまう。このような構造は問題なのではないか。
  • 乏しい資金を投入するには、地域の住民が熱心に投資を誘致していく必要があり、社会資本の整備には地域の住民の協力と犠牲が欠かせない。
  • 中部地方はこれまでは熱心に事業を誘致しなくても事業に恵まれてきた。この地域は確かにこれまでは恵まれていたが、これからも恵まれ続けるだろうと考えるのは誤りではないか。
  • 今後は地域の方々が社会のために自らが犠牲を払い、熱心に投資を誘致していくという意識をもつ必要がある。それをこの懇談会で強く唱えるべき。
   
東委員
 
  • 昨年度のビジョン討論会(清水会場)において、「ビジョン」は教科書的であるという意見があった。将来のプロセスが市民には見えにくい。どう表現して、また実施していくか考えていく必要があるのではないか。
  • 中部は全国でも特異性がある地域。中部が全国でどの位置づけにあるのか、なぜ日本の屋台骨を中部が支えなければならないかをはっきりして、このビジョンを発信していくべきではないか。
  • 中部には強い個性があるということを住民の方々に理解してもらうには、中部においてもそれぞれの地域の地域力というものが異なっており、個性が違うということも明確に打ち出していく必要があるのではないか。
  • 中部地方の住民がお互いの地域をよく知り、交流できるような住民同士のネットワークが必要。中部地方の人的ネットワークの形成を促すようなソフトの仕組みも考えていく必要がある。
  • 観光については、東海の海も魅力的な観光資源ではないか。
   
松尾委員
 
  • 「ビジョン」は非常によくまとまっているが、これを実際にどう動かしていくかということについての記述が欲しい。重点化、優先順位が強調されなくてはいけない。アクションプランがあった方が良いかも知れないが、ビジョンなので少なくともそういった気構えぐらいはあったほうがいい。それを例えばフォローアップ指針のあたりに記載すべきでは。
  • 「進化性」と「柔軟性」をもったプランになっていて、それが明示されているということが大事。
  • 住民参画については、住民と行政が一体となって事業を進めることが大事であり、住民の方にやる気を起こさせるような、またそのことによって、行政もまたやる気が起きるような、ビジョンであることが望ましい。
  • 「はじめに」は、いかにも行政が書いたという印象。レストランに例えれば、メニューはできたが、お客さんが入って来ないという感じがする。「ビジョン」を活かして人を呼び込む仕掛けが必要。
   
中村委員
 
  • 中部地方は製造業、モノづくりの拠点と言われており、それには全く異論はないが、東海地方は実は農林水産物が非常に豊かなところでもあり、この「モノづくり」には一次産業である農林水産業も入れてもよいのではないか。
   
平山運輸局長
 
  • 討論会には一般より意識の高い人々が出席するケースが多いので、それぞれの意見が強く出てくる傾向になってしまう。またアンケートは利害関係の薄いいわゆる一般の多くの人々も対象としている。討論会とアンケートの結果が逆の方向が出ているのはある意味当然なのではないか。
  • 「ビジョン」には関係する主体が多いので、策定していく途中で全体的に角が取れて丸くならざるを得ない。事業の優先度、重点化について具体的に記載するのは難しい。
   
西尾委員
 
  • 20年のビジョンでありながら、5年先までのものはよく見えるが、その先のところがあまり見えない。長い目で見なくてはいけないところをどうするかという問題が残っているのでは。
   

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