〔被災体験を持つ元建設省職員の方の所見(座談会)〕 伊勢湾台風被災後に、被災状況を把握するために踏査したときのものである。 木曽川右岸5.0k附近(葭ヶ須)である。 当時、木曽川右岸は河川改修工事で堤防の嵩上げ・拡幅を行っていた。川表には「よし根土」を吹いたが、天端は土盛りのままであった。写真では、嵩上げ・拡幅した分の盛土が崩れている。河川改修工事の土運搬用トロッコのレールも崩れ落ちてしまっている。 踏査時の調査表には以下のように整理されている。 <10月12日 災害状況調査表> ●堤防の様子/前面状況:洲、嵩上げ堤か:嵩上げ堤、旧堤部はどうか:健在、法線方向:北北西、道路を兼用しているか:しない、土質:砂、水防状況:不詳 ●溢流しているか:溢流しない ●波の来た方向:南南東~南東、しぶきがこしたか:あり、その高さ:不詳 ●堤内地の家の壊れ方/壁:全部落ちている、屋根:少し損傷、柱:稍々傾く